取材・撮影/RanRanEntertainment
ミュージカル『FACTORY GIRLS～私が描く物語～』公開稽古および囲み取材が5月22日（月）に東京都内で行われ、柚希礼音、ソニン、実咲凛音、清水くるみ、平野綾、脚本・演出の板垣恭一が登壇した。
左から：板垣恭一、平野綾、ソニン、柚希礼音、実咲凛音、清水くるみ
本作は、2019年に「読売演劇大賞優秀作品賞」を受賞した、“自由”と“平等”を求めて戦った女性たちを描いたオリジナルミュージカルの再演。19世紀半ばに、女性の権利を求めて労働運動を率いた実在の女性サラ・バグリーを柚希、サラと対立しながらも深い友情を結ぶハリエット・ファーリーをソニンが初演に引き続き演じる。
この日の公開稽古では、第1幕の「機械のように」、「ローウェル・オウファリング」、第2幕の「剣と盾」、「ストライキ」の4シーンを披露。いずれのシーンも、女性キャストによる迫力ある歌とダンスが際立っていた。
囲み取材で柚希は「初演から３年半経って、みんなそれぞれ歩んできた道があるので、初演を思い出すというよりは、１から作り直している稽古だと感じています。私たちが今思うことをお芝居に生かしながら、板垣さんからもいっぱい新しいパスをもらって作っているので、新作を作っている気持ちです」と稽古を振り返った。
ソニンも柚希の言葉に同意し、「今回は、振付も、セリフも、曲も変わっているので、また新たに作り上げているお稽古をしています。これはオリジナルミュージカルだからこそできること。みんなの向上心がすごくて、みんなの意見が飛び交っている稽古場なので、刺激的で、私自身も成長したハリエット、新生FACTORY GIRLSとして届けられるように奮闘中です」と笑顔で語った。
また、演出の板垣は「手応え、あります！」ときっぱり。そして、「曲を変えたり、振付も演出も役の解釈も変えています。同じセリフと同じ方が話していても違う解釈をしているんです。色々な人が私に話しかけてくれて、意見を出してくれるので、カンパニー全員で芝居を作っています」と説明した。
さらに、見てもらいたいポイントを聞かれると、柚希は「19世紀のアメリカの話ですが、今の日本でもまだ変わっていないというところはあって、今の皆さんに届くものがいっぱい詰まっている作品だと思います。明日からも頑張ろうと背中を押す作品だと思いますので、ぜひ観に来ていただきたい」とアピールした。
本作は、女性の多いカンパニーだが、稽古場の雰囲気についてソニンは「女子校をイメージされるかと思いますが、親戚のお家にみんなが集まっている感じです。許可も取らず他人のお菓子を食べたりとか、ものを使ったり…気心を知りすぎているので、いい意味でボーダーラインがなく、家族みたいです。男性キャストはこの雰囲気をどう思っているんだろうとは思いますが、入りづらいのかな？ でも、女性のパワーは強いです」とコメント。
その空気感は宝塚ともまた違うようで、実咲は「宝塚も家族ですが、また違う。こうした作品でボーダーラインのない関係はあまりないので、すごくありがたいですし、いい作品を作るのに良い環境だと思います」と話した。
最後に、ソニンは「初演をご覧いただいた方も、初めて観る方も観て損はないと胸を張って言えるくらい深くて、皆さまの明日への活力になる、必ず光を掴んで帰っていただける作品です」と語り、柚希は「女が男を責めたい作品ではなく、人間としての権利についていっている作品なのかなと思います。一人ひとりが自分に期待して、まだまだ変わっていけるとワクワクして生きていける作品になっているんじゃないかなと思いますので、ぜひ皆さまに観ていただきたいです」と呼びかけて会見を締めくくった。
『FACTORY GIRLS～私が描く物語～』は、以下の日程で上演。
東京公演：6月5日（月）～13日（火） 東京国際フォーラム ホールC
福岡公演：6月24日（土）・25日（日） キャナルシティ劇場
大阪公演：6月29日（木）～7月2日（日） COOL JAPAN PARK OSAKA
