取材:記事・写真/RanRanEntertainment
■舞台がいつも人生の転機だった
――さくら学院を卒業して約2年が経とうとしています。黒澤さんは今後どの方向に進みたいと考えていますか?
自分としては舞台役者というお仕事が向いているんじゃないかなと思っています。一昨年は『ミレニアム桃太郎』、昨年は『Metal Opera~ミレニアム桃太郎~』をやらせていただいた時に「舞台っていいな」と感じたんです。劇場のあの空間やお客さんとの近さ、お客さんから帰ってくる反応の速さをその場で感じ取れるのが好きなんです。今回は和気あいあいという感じの作品ではないですが、逆にお客さんの「怖い」という感情が伝わってくるのが今から楽しみです。
――いつ頃から舞台の世界に興味を持ったんですか?
元々舞台を観るのは好きで、小学校に劇団の人が来てくれてお芝居をやってくれるのをすごく楽しく観ていました。その後2012、2013年に『大!天才てれびくん』(NHK)に出させていただいていた時、番組の公開収録があったんです。その時に演劇というものとは少し違いますが、お客さんの前でお芝居をしたり歌を歌う機会があり、その時、予想していない所でお客さんが笑ったり、逆にここは笑いが起きると思ってたところで反応がなかったりするおもしろさを知ってしまったんです。そこから「舞台っていいな」と思うようになったんです。
――黒澤さんの中で特に印象に残る舞台はなんですか?
地球ゴージャスの『The Love Bugs』です。当時、中2の冬だったんですが、来年はさくら学院の中で最高学年になるのでこれからどう皆を引っ張っていけばいいのか、また役者としてはどう進んでいけばいいのか、もしくは違う道を選ぶ方がいいのか、また実際の学校生活についても進学はどうしよう……っていろいろ悩みまくっていた時期だったんです。そんな時にこの舞台を観て、感動して涙が止まらなくなってしまったんです。それまでは「舞台、おもしろかった!」で終わっていたんですが、この作品を観て「私もこの舞台に立ちたい」と初めて強く思い、ならば舞台に立つためには何をすればいいのか、悩んでいる場合じゃない、今できる事をやるだけだ、と気が付き、立ち直れたきっかけになったんです。
もう一つ、最近の舞台で印象に残っているのは舞台『魔界転生』です。『暗くなるまで待って』にも出演する猪塚健太さんが出ているという事で観に行く機会があったんですが、キャストも演出もアクションもプロジェクションマッピングもすべてが豪華で! あっという間の4時間だったので、これを演出した堤幸彦さんてすごいんだなあと思いました。
いつか、絶対こんな舞台に出てみたいです!
――では、今回の『暗くなるまで待って』で舞台役者として進化を遂げないと、ですね。
はい! よく考えるとこれまでやった舞台には歌やダンスがあったんですが、今回は歌もダンスもないので、そういう場で自分はどんな表現が出来るのか、全力で向き合ってみたいです。
舞台『暗くなるまで待って』は以下の日程で上演される。
【東京公演】1月25日(土)~2月3日(日) サンシャイン劇場
【兵庫公演】2月8日(金)~10日(日) 兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール
【名古屋公演】2月16日(土)・17日(日) ウインクあいち
【福岡公演】2月23日(土) 福岡市民会館大ホール
作:フレデリック・ノット
演出:深作健太
出演:
加藤和樹、凰稀かなめ
高橋光臣、猪塚健太、松田悟志
黒澤美澪奈、九内健太、橋谷拓玖
写真撮影 篭原和也