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2024年8月30日 14:57

宮沢りえ&佐藤二朗 舞台初共演! 舞台『そのいのち』製作発表会見 「負を力に変えるということは、イコール生きること。それを物語にしたい」

舞台『そのいのち』製作発表会見が8月29日(木)に都内で行われ、宮沢りえと佐藤二朗が登壇した。

本作は、佐藤がミュージシャンの中村佳穂の楽曲「そのいのち」にインスパイアされて執筆した書き下ろし新作戯曲を舞台化。介護ヘルパーとして働く山田里見と、彼女の雇い主で障がいを持った相馬花とその夫・和清の穏やかな日々、そしてあることをきっかけにその穏やかな関係が徐々に狂い始めていく姿を描く。山田里見を宮沢、相馬花の夫の和清を佐藤が務め、相馬花役は佳山明と上甲にかによるWキャストで演じる。

佐藤は「鍼(はり)がなぜ腰痛や肩こりに効くかというと、鍼で傷をつけるからなんです。あえて傷を作ることで、それを補おうとして血の流れが良くなって、結果、肩こりや腰痛が治る。大げさを恐れずに言えば、それが生きるということなんじゃないかという思いもあって、それで今回の本を書きました」と本作の執筆に至った経緯を説明。さらに、「僕にとって負を力に変えるということは、イコール生きること。それを物語にしたいという思いがある」と本作のテーマについても言及した。

一方、宮沢は本作のオファーを受けた理由について、「私は役者さんである佐藤二朗さんのお芝居がとっても好きで、二朗さんのファンなんです。その二朗さんが12年ぶりに書かれた台本が届いたときに、心がワクワクしました。最初は会話のテンポが良くてユーモアもあるのですが、その中で鳥肌が立つシーンがあった。その鳥肌が立った瞬間に、このお芝居をやりたいと。お稽古もきっと大変だと思いますが、それを乗り越えたいと思える戯曲でした」との思いを明かした。

今作が舞台初共演となる宮沢と佐藤。佐藤は宮沢と『鎌倉殿の13人』で共演した際のやり取りを振り返り、「リハーサル室で一緒になって、宮沢りえは大きな存在なので(出演してもらうのは)難しいだろうと思いながらも『もし、興味があれば』と声をかけたら、『楽しみにしています』と言ったんですよ。それで、すぐにプロデューサーに電話して、『宮沢りえがあるかもしれない!』って(笑)。なんとか口説きたかったから、酔っ払ってメールもしたんですよ(笑)。『大きな作品をやるのもいいけど、僕らがムーブメントを起こそうよ』という熱い長文メールを送って。最後には『そそられます』と遠慮がちに言ってくれました。『そそられます』というワードを聞いた瞬間、(宮沢さんは)信用できると思った」と話した。

また、花役の佳山は脳性麻痺、上甲は筋ジストロフィーを患っている。二人をキャスティングした理由について、佐藤は「最初は先天的な脳性麻痺がある車椅子の若い女性の花という役を健常者の女優さんにお願いしようと思っていました。いわゆる障がいのある方に出ていただくのはハードルが高いというのは承知ですが、僕にとって負を力に変えることが生きること。自分の力ではどうしようもない負が目の前にあった時に、それが命を燃やす燃料にする。それを祈るような気持ちで信じているので、障がいのあるお二人をキャスティングして、できれば負が力になるところをこの目で見たかったんです」と熱弁した。

さらに、稽古に向けての楽しみを聞かれると、宮沢は「お身体の不自由なお二人が出るということで、彼女たちが自由な気持ちで肉体的にも負担のないように、高みを求めて作っていけたらという楽しみな思いがあります。それから、台本を読んだときに鳥肌が立つほど心が動かされたシーンを、どれだけいいシーンにできるかという課題に取り組む怖さと楽しみがあります」と期待を寄せた。佐藤も「宮沢りえという大きな存在、信頼できるという人とできるのがものすごく楽しみ」と述べ、「車椅子のお二人とともに座組み一丸となって、1ミリでも上を目指していい芝居を皆さんに届けたいと思っています。楽しみにしていてください」と力を込めた。

『そのいのち』は以下の日程で上演。

東京公演:2024年11月9日(土)〜17日(日) 世田谷パブリックシアター
兵庫公演:2024年11月22日(金)〜24日(日) 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
宮城公演:2024年11月28日(木) 東京エレクトロンホール宮城

 

 

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