
ミュージカル『ケイン&アベル』製作発表が30日に、東京都内で行われ、出演者の松下洸平、松下優也、咲妃みゆ、知念里奈、山口祐一郎が登壇。作品への思いを語った。
本作は、イギリスの国民的作家、ジェフリー・アーチャーのベストセラー小説を原作に世界で初めてミュージカル化した作品。20世紀初頭、ボストンの名家ケイン家に生まれ、銀行家の父の後継として祝福された人生を歩むウィリアム・ケインと、ポーランドの山奥で生まれ貧困と劣悪な環境で育ち、頭の良さで成り上がっていくアベル・ロスノフスキの対立を描く。
ウィリアム・ケインを演じる松下洸平は「初めてのグランドミュージカル主演で、ミュージカル自体も7年ぶりになりますので、もちろん不安やプレッシャーはありますが、ブロードウェイの素晴らしいスタッフの皆さん、そして山口祐一郎さん始め、松下優也さんと共に誰も観たことがない新しいミュージカルを作れればいいなと思っています」と挨拶。続いて「キャスト総勢40名近くいる大きな作品になります。これだけの大人数の中で、皆さんが一緒に一つのゴールに向かって一つの船を漕いでいくことができる、いい稽古場にしたいと思っています。幕が開けてからも毎日、新しい発見と出会いの生まれる作品になればと思います」と意気込んだ。
アベル・ロスノフスキ役の松下優也は「すごく楽しみにしています。自分が演じさせていただくアベルは、ケインと違い、生まれが貧しくて、それゆえに人一倍、野心家で、生まれ持ったクレバーさで成り上がっていく役です。自分自身、野心が強い方だと思っていますし、そして今回、初めましての洸平さんは、内なる炎は感じながらも穏やかで柔らかな印象がありますので、自然と二人の関係性を演じていけるのではないかなと思います。(ポーランドのアベルとボストンのケインを演じるので)東の松下、西の松下みたいな感じで作っていけたら」と笑顔を見せた。
アベルとザフィアの娘・フロレンティナを演じる咲妃は「東宝さんとキューブさんの大いなる挑戦となるこの作品に参加させていただけることを大変光栄に思うと同時に、身震いするほどドキドキしております」とコメント。「私が人生で掲げている目標の一つが挑戦し続けることでもあるので、大変ありがたい機会をいただけたと心底嬉しかったです」と出演を喜んだ。
アベルの妻・ザフィアを演じる知念は「世界初演の大きなプロジェクトに参加させていただけることを嬉しく思っています。世界中で長く愛され続けている小説が音楽と出会ってミュージカルになった時にどんな魔法がかかるのかなと、いちミュージカルファンとしても楽しみでございます。作品をしっかり支えていけるように、誠心誠意努めていきたいと思います」と思いを語った。
そして、アベルの師でもあるデイヴィス・リロイ役の山口は「(松下たちは)清潔感あふれる二人です。三十路を超えると、どこか悪党という感じがするんですが、それがどこにも見えない。どれだけ悪事を働いてもそう見えない洸平さん。何とかなり上がろうと必死に頑張るけど、実は最後、違ったとなる優也さん」とW松下の印象を語り、「(最後のシーンは)映画だと4分近くかかっていましたが、舞台だとそうはいかない。それは優也さんが、舞台上で納得できる何秒かの演技にする。その素晴らしい演技力をどうぞ客席でお楽しみいただければと思います」とアピールした。
今回、初共演となるW松下。松下優也は「苗字が一緒なのでずっと意識はしていました。舞台でも映像でも音楽でもご活躍されていて、自分もお芝居と音楽をやらせていただいているのでめちゃくちゃ共通点が多い。実は昨日、ネットで色々と調べたら共通点だらけだったので、共演が楽しみです」とにっこり。松下洸平も「僕も一方的に知っていました。なかなか交わることがないなと思っていたら、念願叶ってお会いできて嬉しい。多分、共通の友達もいっぱいいるんですよ。(友達から)『(松下優也は)熱くて情熱的でブレない人だから、作品も楽しみにしている』という声を聞きますし、改めてお会いして、アベルそのもので、(アベルの持つ)野心や強さが十分感じられるので、対峙するケインをどう作っていこうかと楽しみになりました」と期待を寄せた。
ミュージカル『ケイン&アベル』は2025年1月22日~2月16日に都内・東急シアターオーブ、2025年2月23日~3月2日に大阪・新歌舞伎座で上演。