
2006年に⽇本アカデミー賞を総なめにした傑作『フラガール』の舞台版「フラガール dance for smile – 」が丹⽣明⾥の主演で待望の再演を迎える。5⽉22⽇の開幕を2週間後に控えた5月8日(⽊)に稽古場公開取材が行われた。
本作は、昭和40年という時代を背景に、エネルギーの⽯油化が進む中で需要が減少していく⽯炭。それでもなお⽯炭を堀り続ける福島県いわき市の炭鉱町を舞台に、衰退する産業の中で⼒強く⽣きようとする⼈々の姿を⼒強く描き出す。常磐ハワイアンセンター設⽴までのエピソードを、フラガールとして⽣まれ変わっていく少⼥達の笑顔と涙を通して、希望と再⽣の物語を紡いだ感動作である。
稽古場公開では、はじめにダンスシーンを披露。『Ta_Hu_Wa_Hu_Wai(ウリウリ曲)』そして『BlueHawaii_Melody』の2曲。総勢14人の息の合ったダンスが披露された。
フラガールのリーダー・⾕川紀美⼦を演じる丹生明⾥は「個人的に約6年ぶりとなる舞台。このお話をいただいたときはとても緊張したのですが、『フラガール』という作品は、とってもパワーをもらえるような作品なので、紀美子を演じることができて本当に光栄です。精一杯、紀美子を演じ、皆さんに元気を与えられるよう頑張ります」と意気込みを語った。
また、フラダンスを踊っている時の難しさと楽しさを問われ「今までのアイドル活動でダンス経験はあったのですが、初めてフラを行った時にこんなにも足を使って、とんでもなく汗だく! 本当に一生分の汗が出たぐらい。本当に代謝が良くて、今一番健康かもしれない。たくさん汗を出して運動して、食べて、声をいっぱい出して、いっぱい体を使っています」と充実した稽古振りを明かした。
さらに、丹生は稽古中での恥ずかしい出来事について「女の子たちで喧嘩するシーンがあるんです。『やめろ!やめろ!』ってやるんですけど、先生(映梨那)に怒られる瞬間に、間違えて手を繋いじゃった。本番だったら絶対に言われるので、絶対に手を繋がないように誓いました。稽古場で起きてよかったです」と笑顔で語った。
丹生のほか会見に出席した4名のコメントは次のとおり。
かつて都会のダンサーだったにもかかわらず炭鉱の娘達にフラダンスを指導することになる平⼭まどか先⽣を演じた映梨那。「私もダンサーとしても活動していて、最初稽古に入った時に、『エリートならいけるでしょ』みたいな感じで、演出家の方からプレッシャーをかけられた。でも経験上、ゼロから一を学ぶことって根本的に違いますし、(フラダンスの)プロもいらっしゃるということは、絶対難しい!っていうのが最初から分かっていて、案の定初日はすごく難しかった。いつも使わない筋肉をたくさん使って、次の日は階段を下りられなくなるぐらい、お尻が筋肉痛になったり。でも慣れてくると、フラには一つひとつに意味があるので、感情が乗せやすいですし、穏やかな気持ちになって踊れるので、すごく楽しいなと思います」
紀美⼦の親友でフラガールを⽬指す⽊村早苗を演じる中村⾥帆。「私は普段汗をかかない人間なんですけど、ありえないぐらいの量の、床びちゃびちゃの汗をかいて、ダンス稽古をやっている間は生きてる!っていう感じだった。毎日毎日みんなが踊ってる姿を見たり、自分が踊っていたりすると、たくさんのエネルギーを受け取って、それが初めての感覚で、すごく充実した毎日を過ごしています」
シングルマザーでフラガールを⽬指す佐々⽊初⼦を演じる⽊﨑ゆりあ。「私はシングルマザーで子育てをしながら、フラガールを目指す初子をやらせていただきます。今回は私も含めキャスト変更が多い『フラガール』になったと思うので、今までとは全く違う全く新しい『フラガール』が完成するんじゃないかなと今からとても楽しみにしています。是非劇場まで遊びに来てください」「稽古場で感動するなと思ったのは、先生が(映梨那)踊って、私たちにダンスの感動を教えてくれるソロのダンス。映梨那、カッコイイ!」と映梨那を称賛。映梨那は「いつも、言ってくれない!?」と照れていた。
舞台版オリジナルキャラクターの和美を演じる菅原りこ。「和美はこの舞台の中で唯一オリジナルな登場人物なんですけれども、この物語を深掘りすればするほど、いろんな方との関係性や、細かい心情の変化が生まれてくる、素敵な役どころだと思います。残り2週間ちょっと、最後まで丁寧に突き詰められたらと思っております。皆様のお越しをお待ちしております」
会見の最後には、丹生が「この作品はたくさんの方に元気と勇気をいただける作品になっております。私たち、今日フラを披露させていただいたんですけど、毎日毎日ダンスの稽古を頑張っておりますので、私たちのいい姿も観てくださると嬉しいです。ぜひ劇場にお越しください。お待ちしております」と本作をアピールして公開稽古を締めくくった。
舞台「フラガール dance for smile – 」は5⽉22⽇(⽊)〜6⽉2⽇(⽉) まで新国⽴劇場 中劇場にて全13公演が上演される。
後列:大田和歩、MEGUMI、尾崎明日香、夏生ひまり、大串有希、吉川真世、雛田みかん、古橋早紀子
前列左から:菅原りこ、中村里帆、丹生明里、映梨那、⽊﨑ゆりあ