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2025年6月7日 21:33

中井貴一主演 行定勲監督 パルコ・プロデュース2025『先生の背中~ある映画監督の幻影的回想録~』開幕前会見&プレスコール

6月8日(日)から東京・PARCO劇場にて上演される パルコ・プロデュース2025『先生の背中~ある映画監督の幻影的回想録~』の開幕前会見&プレスコールが行われ、会見には主人公の映画監督を演じる中井貴一、映画監督を取り巻く5人の女性を演じる芳根京子、柚希礼音、土居志央梨、藤谷理子、キムラ緑子、“先生”の相棒的脚本家を演じる升毅、そして演出の行定勲の8名が登壇した。

映画監督・小田昌二郎を演じる中井は「この人の晩年期、最後の一本の映画を撮るときに、自分の人生とその映画に葛藤しながら、歩んでいく映画監督をやらせていただきます」と自己紹介、さらに「小津安二郎(映画監督)が、一応モデルなんですけれども、今回はフィクション。小田昌二郎という名前でやらせていただいています」とコメント。

また、先生(小田昌二郎)が娘のように可愛がる食堂の看板娘・幸子を演じる芳根は「中井さんのお母様がモデルになっております」と緊張気味に挨拶した。

演出の行定は「中井さんとは、以前に舞台『趣味の部屋』(PARCO劇場製作)でご一緒さしたんですけれども、そのときに中井さんから日本映画界の全盛期の話をよく耳にしていたんです。その話がめちゃくちゃ面白く、昭和の巨匠や名匠たちを巡る話は映画人としてすごく感動したんです。こういう話をぜひ次の世代に伝えていきたいという思いで、僕が憧れていた小津安二郎監督のお話と中井さんが実際に誕生するわけです。今回、PARCO劇場から演劇にしてみたらどうかっていう話をいただいて、主役を演じるのは中井さんしかいないだろうと、ちょっとむちゃぶりもありながら、中井さんにお願いしました」と経緯を説明。中井家と小津監督は、家族のような親交があり“祖父”のような存在であったこと。そんな中井家に伝わるエピソードや思い出を織り交ぜ、当時の古き良き映画界への想いを重ね、“小津調”で演劇作品として舞台上に紡ぎ出す。

中井は「最初はお断りしました。母が大船の撮影所の前で『月ヶ瀬』という食堂をやってました。『舞台『月ヶ瀬食堂』をやりたいんです。中井さんが生まれるまでをやりたいんです』って言われて、そんな自分が生まれるまでを自分が出るのは嫌だと、お断りを申し上げたのですが、行定監督が映画人として舞台で残していきたいという熱意にほだされたというか、天国に行って、小津先生に怒られるのは俺が一番いいのかなとOKすることにしました」と出演の経緯を明かした。

小津安二郎さんを演じるにあたって意識した部分は?中井は「僕も小津先生が亡くなられたとき1歳だったんです。貴一という名前も先生がつけてくださったんですけど、(小津先生は)『おじいちゃん』なので、特にこうしようああしようということではなくて、育った環境の中で小津安二郎が刷り込まれているので、それを初めて使うときがきました」と自信たっぷり。実際に小津さんから何と言われると思うか?の質問には、中井は「『俺はあんなんじゃないよ』と(笑)。こちらにこんな美しい女性がいるんです。実際フィクションですけど、それに対してまず文句を言われているかな」と話した。

中井は、芳根が中井の母の役ということで「芳根さんから『私、合ってますか?』って聞かれるんですけど、『いやあ、合ってなくていいですよ』と(笑)。こんな綺麗じゃないですから。ちょっと母っぽいなと思うところもあって、一緒に、頑張ってるよね!」と芳根に向けてニッコリと微笑んだ。

逆に中井の母役として意識した部分について問われた芳根は「中井さんのお母さんがモデルと聞いて、ちょっと緊張してるんですけど、中井さんのお母様のお話をたくさん聞かせていただき、すごく貴重な機会をいただけて嬉しかったです」と役柄に自信を覗かせた。

会見直前にプレスコールでは、次の4つのシーンが上演された。
1960年代の初めの頃、晩夏。映画会社「東船映画」のスタジオ。小田昌二郎監督の最新作「秋刀魚の歌」を撮影中だがうまくいかない。撮影所でのとある1日の出来事と、小田の回想が入り混じりながら舞台は進んでいく。
①プロローグ 撮影を中断した小田が一人休憩している。これまで関わりのあった女たちが次々と姿を現わす。葉子(大女優・原節子がモデル:柚希)、千代(銀座のホステス:藤谷)、花江(元芸者で小田監督の古女房的存在:キムラ)、和美(戦争未亡人:土居)、そして幸子(中井の母がモデル:芳根)

②撮影中のスタジオ。バア「かおり」のセットがあり、撮影が始まる・・・。

③小田が幸子と葉子を花江の待合に連れて行った日のことを思い出す。

④和美との出来事を思い出していると、なぜか千代もその回想に乱入してくる。さらに花江、幸子、葉子が次々と登場し、“先生”を取り巻く女性が一堂に会する。

パルコ・プロデュース2025『先生の背中~ある映画監督の幻影的回想録~』
東京公演: 6月8日(日)~29日(日) PARCO劇場
大阪公演: 7月5日(土)~7日(月)  森ノ宮ピロティホール
福岡公演: 7月11日(金)・12日(土) J:COM北九州芸術劇場 大ホール
熊本公演: 7月15日(火)           市民会館シアーズホーム 夢ホール
愛知公演: 7月19日(土)・20日(日) 東海市芸術劇場 大ホール



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