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2024年12月5日 19:05

【後編】華優希インタビュー 草彅剛主演舞台『ヴェニスの商人』ジェシカ役「本読みの段階から芝居への熱量が高く衝撃を受けました」

――今回、草彅さん始め、ジェシカの恋人ロレンゾーを演じる小澤竜心さんほか、多彩な共演者がいらっしゃいますが、お稽古が始まっていかがですか?

本当にまだ数日なのですが、皆さん芝居への熱量が高く、すごく刺激を受けています。まだ立ってお芝居をしていなくてもすごくこの作品と芝居への愛のようなものが熱いぐらい充満しているので、その中で自分もしっかりついていかなくてはと思っているところです。

――華さんは宝塚歌劇団にいらっしゃいましたが、そことの違いはどこなのでしょうか?

うーん。明確に言葉にするのが難しいのですが、やはり宝塚は夢を見てもらうことを大事にしていると思います。もちろん自分も宝塚に夢見て入ったので、そこは大事にしたいと思ってやってきました。今回は、夢々しさはなく物語は現代ではないのですが、とても現実的で人間臭さや人間の欲も、人間の汚いところも、恥ずかしいところも隠さずにどんどん露わにしていくような感じですね。

――これからお稽古が進んでいくと思いますが、楽しみにしていらっしゃることはありますか?

どんなお稽古になっていくのかわからないので、緊張感半分、楽しみ半分でいます。共演者の皆さまのお芝居が素晴らしいので、そこを稽古場で間近で体験できるのも楽しみですし、熱のこもったお芝居ができるのも楽しみです。森さんがどんな演出をつけていかれるかというのも想像がつかないので楽しみです。

――熱量を既に感じられたのは、本読みの段階から何かがあったのでしょうか?

まだ何も誰も言っていない本読み段階から衝撃的でした。、“あぁ”こんなに自分の役を、こんなに大きな熱量でここまでやってみていいんだ、型に収まらず思うことを失敗を恐れずに挑戦していいということを思い知らされました。

――2021年に宝塚歌劇団を退団されて、その後は舞台にドラマにご活躍されていらっしゃいますが、改めて舞台に立つことへの思いをお聞かせください。

表現する、お芝居をすることが楽しいという気持ちと、新しい人たちとの出会いがとても多いのですが、その中で芝居ってこういう風にもできるのだ、こういう表現もあるのだ、ということを知っていくのがすごく楽しいです。やはり、お芝居に限らず、歌もダンスも、何かを表現すること、何かを世の中に訴えたい思いが根底にあることを感じています。表現を通して、心の中にある思いを訴えられるようなお芝居ができたらいいなと思っています。

――最後になりましたが、ご覧になる皆さまに向けてメッセージをお願いいたします。

シェイクスピアの『ヴェニスの商人』、まだお稽古の段階ですが、これからしっかり共演者の皆さんと森さんと頑張っていきたいと思っています。きっと素敵なものをお届けできると思いますので、素晴らしい作品をぜひ受け取っていただけたらなと思います。シェイクスピアの素敵な言葉の数々を体験していただきたいです。

――ありがとうございました。

舞台『ヴェニスの商人』
東京公演:日本青年館ホール 2024年12月6日(金)~22日(日)
京都公演:京都劇場 2024年12月26日(木)~29日(日)
愛知公演:御園座 2025年1月6日(月)~10日(金)
脚本:ウィリアム・シェイクスピア
訳:松岡和子
演出:森新太郎
出演:草彅剛 野村周平 佐久間由衣 大鶴佐助 
長井短 華優希 小澤竜心 忍成修吾ほか
製作:TBS / CULEN
公式サイト  https://venice-stage.jp/
ストーリー
貸した金を返せなかったら、あんたの体から、きっかり1ポンド、切り取らせてもらおうか――高利貸しのシャイロック(草彅剛)は高潔な商人・アントーニオ(忍成修吾)にそう突きつける。親友・バサーニオ(野村周平)が富豪の美女ポーシャ(佐久間由衣)に求婚する為の資金を援助したいアントーニオはシャイロックの申し出を受け入れる。アントーニオの助けを得てバサーニオはポーシャのいるベルモントに向けて旅立つ。供の友人・グラシアーノ(大鶴佐助)がポーシャの侍女ネリッサ(長井短)と恋仲になるなど、全ては順調に運んでいた。一方で、シャイロックの娘・ジェシカ(華優希)がバサーニオらの友人・ロレンゾー(小澤竜心)と駆け落ち。それを知ったシャイロックは激昂する。更に、アントーニオの財産を積んだ船が海に沈んでしまう。シャイロックは「肉1ポンド」の契約をかざし、容赦なく冷酷にアントーニオを追い詰める……。  

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取材    文・髙橋美帆 撮影・有田純也

 

 

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