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2025年4月5日 12:05

【後編】鈴木勝吾インタビュー「新しいミュージカル『憂国のモリアーティ』を作っていきたい」 ミュージカル『憂国のモリアーティ』大英帝国の醜聞 Reprise

――鈴木さんとしては、ウィリアムを演じる上で、新たに考えていることはありますか?

今(取材当時)はまだ迷っています。Op.1からOp.5まで演じてきて、その間に変わっている部分はありますし、今回さらにブラッシュアップしたいとは思ってはいますが、稽古に入ってみないと分からないというのが正直なところです。ひとつの結末までたどり着いているので、だからこそ見えることもある。それを含めて今回、演じるのか。でも、含めて演じてしまうと、説明のような演技になるのでお芝居ではない気もする。そして、ウィリアムを演じるためのアプローチを変えるのか、変えないのか。ただ、うまく表現できないのですが、Op.3のときのウィリアムが一番ウィリアムらしかったなと思っていて。Op.1、2では舞台にいる俳優として必要なエネルギーを持ち合わせていたと思いますが、いい塩梅に新しいウィリアムになったのがOp.3です。今は、そうしたことを考えて、どう演じるべきか模索している最中です。このシリーズがスタートして5年経ち、今、30代半ばの僕が演じる新しいウィリアムを見つけていければと思います。

 

――新たなモリアーティ陣営にはどんな印象がありますか?

まだお会いしていない方ばかりですが、これからのお稽古がめちゃくちゃ楽しみです。シリーズとして5年も作品を作ってきて、僕たち2人(鈴木と平野)が残る中に、新しく入ってくる方たちはきっといろいろなことを考えていると思うので、フラットに出会い直していきたいと思います。皆さん、素敵な俳優さんだと思うので、新しく一緒にミュージカルを作っていくのはすごく楽しみです。彼らがプレッシャーの中で入ってこないようにできたらと思っています。
――平野さんとはこれまでもウィリアムとシャーロックとして共演を重ねてきましたが、新たにお芝居をすることについてはどのような思いがありますか?

出会った当初よりも関係が深まっているので、もう隠すこともあまりないです(笑)。お互いに人となりも分かっているので、それはクリエイティブをしていく上でも絶対に良い方向に生きると思います。(平野)良くんと一緒に現場づくりを率先して行い、これまでとはまた違う形でこのカンパニーを良いものにしていきたいと思います。

――Op.5「最後の事件」で、ウィリアムとシャーロックの関係性が一つ深くなりました。そこまで演じ切ったことで、ウィリアムに対して、またはシャーロックに対して、そしてこの作品に対しての想いに変化はありましたか?

ウィリアムが徐々に気づいて、最後に答えに辿り着いたのと同じようにOp.1からOp.5を経て、鈴木勝吾としては「僕のまま」でいさせてもらったなという思いがあります。人を見ること、人に見てもらうこと、受け入れることも受け入れられることも、全てを許容して出来上がった稀有なカンパニーだったと思うので、そうしたカンパニーで最後まで駆け抜けられたことで、人を信じて、時には甘えてもいいんだと感じられるようになりました。最後のウィリアムとシャーロックのシーンを見ると、ずっと一人で頑張ってやってきたウィリアムが、シャーロックがいてくれることによって、「ただの人」としてそこにいて、「ただのウィリアム・ジェームズ・モリアーティ」になれたのだと思います。そうした思いは僕自身も同じように感じていて、より相手のことを、そして自分を大切にしながら作品を作っていきたいと思うようになりました。仕事なので甘えになってしまってはいけないのでしょうが、許し合える、抱き合える関係性が良くんとは作り上げることができたと思っているので、5年間で培ったものはすごく大きなことだったと思います。

――鈴木さんご自身は、このシリーズを通して、お芝居に対しての思いや俳優業への想いに変化はありましたか?

僕が30歳のときにこのシリーズがスタートしました。すごく面白い原作で、これをミュージカルにしたらすごく楽しいものになるんだろうなと感じて始まって、実際に演じてみたらすごく楽しくて。皆さんにも受け入れていただき、5年間をかけて、ひとつの物語の終わりまでやらせていただくことができました。コロナ禍もありましたが、お客さまも含めて全員で、ある意味、すごく絆を深めることができたと思います。主演を5年間も務めさせていただける作品に出会えることもなかなかないことだと思うので、とてもありがたいことだと感じています。たくさんの出会いもあり、お互いに理解し合い、家族のような関係で演じさせていただけたことですごく気づくことも多かったです。「座長だからこうしなくては」というよりも、主演だからとかアンサンブルだからといったことが関係ない、演出家、プロデューサー、音楽家も関係ない、全員がフラットでありたかった。そして、良くんと座長をやらせてもらったことで、それができ、自分たちが「権利職」ではなく「責任職」を全うして作ってこられたことで、俳優としてのクリエイティブへの向き合い方を学ぶ機会になったと思います。演劇やミュージカルの価値観の形成のために非常に勉強になりましたし、さまざまな経験を積ませていただけたと思います。

――ありがとうございました! 最後に、改めて公演に向けての意気込みとメッセージをお願いします。

観に来ていただいたことを後悔することがない作品にすることをここに約束します。新キャストの方からこの作品にたどり着いてくださった方もたくさんいらっしゃると思いますが、僕にとっては、Op.シリーズのキャストも新キャストもなく全員がフェアです。今回は、新しいキャストの皆さんと新しい『憂国のモリアーティ』を作っていきたいと思います。これまでのシリーズをご覧いただいた方にも楽しめる、そして今回から観てくださる方もこの時代に意味のある作品を作る自信があります。音楽や脚本、西森さんの演出、原作の世界観を含めて楽しんでいただけたら幸いです。

ミュージカル『憂国のモリアーティ』大英帝国の醜聞 Reprise
2025年5月16日(金)~18日(日)   シアターH
2025年5月23日(金)~25日(日)    京都劇場
2025年5月30日(金)~6月8日(日)   天王洲 銀河劇場
公式HP https://www.marv.jp/special/moriarty/intro.html

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ヘアメイク:趙英
スタイリスト:吉田ナオキ

取材:文・嶋田真己 撮影・早川善博

 

 

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