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2025年4月13日 18:00

【前編】富本惣昭インタビュー「とても学ぶことが多い現場」 舞台『リンス・リピート―そして、再び繰り返す―』

2019年に現代に潜む家族問題を扱ってオフ・ブロードウェイの話題をさらった、舞台『リンス・リピート』が、注目の若手演出家・稲葉賀恵によって日本初演される。本作は、娘・レイチェルが摂食障害を患ったことで浮き彫りになる、家族のすれ違いと苦悩を描いた作品。移民ながら弁護士としてのキャリアを築き、仕事と家庭のはざまで葛藤する母親・ジョーンを寺島しのぶ、摂食障害を患いながらも愛する家族と生きようとする娘・レイチェルを吉柳咲良が演じる。今回、レイチェルの弟のブロディを演じる富本惣昭に、お稽古の様子や本作への意気込みなどを聞いた。

――ご出演が決まって、最初にこのお話を聞いたときのお気持ちを教えてください。

共演者のみなさんがベテランの方々ばかりなので、そこに入って一緒に作品を作るということにプレッシャーを感じました。ただ同時に、成長できるのではないかという期待もあり、楽しみでもありました。

――最初に脚本を読まれたときの感想は?

シリアスな物語だなと思いました。どこか親近感があって、「自分の家庭でもあり得ることなんだ」と感じました。僕が演じるブロディも共感できるところがある人物です。彼の行動には理解できるところが多く、「わかる、わかる」と思いながら読んでいました。

――そうすると、役作りはすんなりと?

いや、苦戦しています(笑)。掴んできてはいますが、やはり海外の戯曲なので、日本とは違う感覚も多いなと感じています。例えば、ジョークの言い回しも日本とはまた違いますよね。それから、ブロディの過去については書かれていないので、今、キャストと演出家の稲葉さんで模索して、作り上げているところです。

――ブロディのキャラクター性については、今、どのように捉えているのですか?

本当の自分を見せず、相手に合わせて自分を作って見せているのだと思います。ただ、その中でもレイチェルには素の姿を見せているので、家族といるときとレイチェルといるときの対比をうまく表現したいです。

――ブロディは家族の中でどんな立ち位置の人物だと考えていますか?

雰囲気を作る、ムードメーカーだと思います。周りを見て雰囲気を感じ取って、今、ここで何をいうべきかをすごく考えている。たまに間違えて伝えてしまいますが、それでもまた別の一言を言って空気を変えられるので、そこがすごいところだと思います。母と娘、父と息子の関係、そして親からのプレッシャーをレイチェルと一緒になって感じているので、姉弟の絆も感じます。

――富本さんご自身は、この作品を読んで、レイチェルに対してどう感じましたか?

一言で言ってしまうと、「頑張っている子」だと思いました。摂食障害の方をよく知らなかったのですが、今、この「リンス・リピート」の世界に入って、横でレイチェルを見ているとすごく苦しくなります。頑張っているのを知っているから助けたいけれど、レイチェルの親と同じ目線になってしまってはいけないし、レイチェルはそれを望んでいるわけでもないと思うので、踏み込み過ぎてもいけない。すごく繊細で、ちょっとした一言で崩れてしまいそうな人だなという印象です。

――お稽古もスタートしましたが、お稽古場の雰囲気を教えてください。

芝居を作るにあたってのコミュニケーションが多い稽古場だと思います。家族の物語ならではだと思いますが、(寺島)しのぶさんや松尾(貴史)さんが、僕たちの芝居を丁寧に見てくださって助言をくださるので、すごくありがたいです。良い作品を作るという想いはみんな一緒なので、大先輩の方々とご一緒していても構えすぎず、やりやすい環境でお芝居ができていると思います。

――これまでは同世代の方が多い舞台出演が多かったですよね。

そうですね。なので、先輩方たちの目線がとても新鮮です。こんなところに気づくんだと。人物の深掘りの仕方、想像力の違いを感じました。そうした意味でも、とても学ぶことが多い現場です。

――稲葉さんの演出はいかがですか?

稲葉さんは本当にお芝居が好きな方で、休憩中もずっと台本に向き合っていて、ずっと頭が動いているんだと思います。そうした姿を見て、僕ももっとやらなくてはと改めて思っています。それから、稲葉さんの芝居の作り方も好きです。最終的には演出をつけるとおっしゃっていましたが、今の段階では、役者のやりたいようにやらせてくれ、チャレンジをさせてくださるんです。もちろん、違うことをやっていたら指摘してくださいますし、すごくやりやすいです。

■公演概要
舞台『リンス・リピート ―そして、再び繰り返す―』
2019年にニューヨークのオフ・ブロードウェイで上演され、話題をさらった作品を日本初上演。娘の摂食障害をきっかけに浮き彫りになったいびつな家族関係や、母から娘に受け継がれる愛情と痛みが、リアルな会話を通じて描かれる。
脚本:ドミニカ・フェロー
翻訳:浦辺千鶴
演出:稲葉賀恵
出演:寺島しのぶ、吉柳咲良、富本惣昭、名越志保、松尾貴史
日程:2025年4月17日(木)〜5月6日(火・休)東京・紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA
公式ホームページ:https://horipro-stage.jp/stage/rinserepeat2025/
お問い合わせ先:
ホリプロチケットセンター/ 03-3490-4949 (11:00~18:00/土日祝休業)
2025年5月10日(土)・11日(日)京都・京都劇場
お問い合わせ先:キョードーインフォメーション
TEL:0570-200-888(12:00~17:00/土日祝休業)

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