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2025年4月29日 23:20

【後編】玉置玲央インタビュー「演劇人生に於いて重要な役」に再び挑む舞台『Take Me Out』2025「僕にしかできないメイソンがある」

――再演を重ねている本作ですが、玉置さんは、この作品の面白さをどんなところに感じていますか?

多種多様な人間が集まっているということが肝だと思います。栗山民也さんが「俳優は記憶の再生装置である」とよくおっしゃっていましたが、その言葉がこの歳になって身に染みて分かります。僕は日常の地続きにお芝居があることが好きで、切り替えてお芝居をするのはあまり得意ではないんです。「役が憑依する」と言いますが、そうした芝居はあまり得意ではない。だからこそ、地続きだと感じるお芝居が好きなんだと思います。先ほども話しましたが、前回の公演では、いろいろな出自の人たちが集まってお芝居をするということができました。それはまさにこの作品の魅力でもあると思います。劇中、人種や思想が違う人たちがロッカールームに集められて、ある種、逃げ場がない中で立ち向かうべきものが決まっているという状況は、僕たちが本番に向かう流れと一緒です。なので、俳優自身と物語がオーバーラップしていくというのがこの作品の面白さにつながっているのかなと思いますし、だからこそこうして再演を重ねているのではないかなと思います。人生が乗っかる芝居というのはたくさんあると思いますが、この作品は特にそれを感じられる作品だと思います。

――メイソンという役柄については、前回の公演を経て、現在はどのようにとらえていますか?

前回の公演時に、メイソンのモデルになった人の写真を見せてもらったのですが、僕のように線は細くないし、強面でもなかったんです。端的に言ってしまえば、「ルーキーチーム」の富岡晃一郎の方がメイソン像に近かった、キャラクターもビジュアルも。それってなんだか面白いですよね。前回の公演から7年経って、自分がメイソンに近づいてきたのかどうか、今、演じたらどうなるのかということは想像が全くついていませんが、トミー(富岡)はいいなと思ってはいます(笑)。自分がトミーだったら良かったのにと。もちろん、僕こそがメイソンだと思っていますし、7年経ってもう一度メイソンを演じる意味を見出さなくてはと思っています。

――玉置さんの「レジェンドチーム」と富岡さんがメイソンを演じる「ルーキーチーム」との2チーム制ということに関してはいかがですか。
どうなるんですかね。演出の方針は変わらないと思いますが、絶対に違ったものになると思いますし、藤田さんも「ルーキーチームで生まれるものがあると思う」とおっしゃっていました。お互いに刺激になると思うので、願わくばお互いに稽古が見たいですね。今回、「レジェンド」「ルーキー」とついていますが、板の上に乗ってしまえば、キャリアは関係ありません。良い刺激を与え合って、受け取り合うチームが2つできたらいいなと思います。ビジュアルも全然違いますよね。

――同じ役を同じ期間に演じる、つまりダブルキャストの方の稽古をご覧になりたいものなのですね。

再演に限らず、ダブルキャストや2チーム制であったり、2本同時に上演したりということは、僕が所属する劇団でもよくあります。一緒に走る以上、ルーキーチームの存在はやっぱり無視はできないし、無視しても面白いものにはならないと思うので、せっかく一緒に走るんだったら、ここに何か意味を見出さないといけないと思い、僕は見たいです。それから、先ほども言いましたが、メイソンはトミーの方が適役だと思うので、余計に気になるというのもあります(笑)。トミーの演じるメイソンを見たら、自分の演技に生かせることもあるのではないかと。もしかすると、お客さまはまた違う意見かもしれませんが、僕はメイソンはトミーのハマり役だと思います。僕の中で明確なメイソン像があるのですが、それがまさにトミーなんですよ。この数多いる俳優さんの中からよくトミーをオーディションでメイソンに決めたなと思います。

――なるほど、玉置さんの中でのメイソン像は富岡さんのパブリックイメージにかなり近いものを感じるということですね。

そうですね。僕が絶対に持っていない部分をトミーは持っていて、それは僕にとっては絶対に手に入らないものなので、いいなと思っているんです。それは圧倒的な強さだなと思うので羨ましいです。トミーがメイソンを演じたらきっともっと素敵だし、もっともっとキラキラするし、もっとこの物語の救いになると思います。もしかしたら、それがトミーならばできるんじゃないかなと思っています。とはいえ、僕にしかできないメイソンもあると思いますし、幸いなことに僕には章平という相方がいます。章平さえいればメイソンは出来上がると思っているので、トミーとはまた違ったやり方で魅力的なメイソンを作り上げたいと思っています。

――これからのお稽古に向けての楽しみや公演に向けての意気込みをお願いします。

(取材時点では)台本がどれくらい変わるかまだ分かりませんし、初めましての方もいらっしゃるので、たくさんの出会いがあると思います。前回、一緒だった俳優たちや藤田さんともどんな再会ができるのかもすごく楽しみです。きっと7年前よりも自分を観てくださるお客さまの数も増えたと思います。そうした方たちにどう観ていただけるのかも未知数で、すごく楽しみにしています。

舞台『Take Me Out』
東京公演 有楽町よみうりホール
2025年5月17日(土)~6月8日(日)
名古屋公演
2025年6月14日(土)~6月15日(日)
Niterra日本特殊陶業市民会館ビレッジホール
岡山公演
2025年6月20日(金)~6月21日(土)
岡山芸術創造劇場ハレノワ中劇場
兵庫公演
2025年6月27日(金)~6月29日(日)
兵庫県立芸術文化センター阪急中ホール
公式HP https://www.takemeout.jp/

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取材 文:嶋田真己  撮影:間野真由美

 

 

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