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2025年5月2日 18:00

佐藤流司&橋本良亮インタビュー 裏テーマは“二人の仲の良さ” 舞台『近松忠臣蔵』で2度目の共演

佐藤流司とA.B.C-Zの橋本良亮が、音楽劇『逃げろ!』~モーツァルトの台本作者ロレンツォ・ダ・ポンテ~に続き、2度目の共演を果たす舞台『近松忠臣蔵』が、5月30日(金)から上演される。本作は、近松門左衛門の末裔である、近松洋男氏の『口伝解禁近松門左衛門の真実』を元に、門左衛門と内蔵助の二人が歴史の流れに飲み込まれながらも、真逆ともいえる異なる生きざまで30年に及ぶ友情を貫いた、男同士のドラマを描く。大石内蔵助を佐藤、近松門左衛門を橋本が演じる。上演台本・演出は鈴木勝秀が務める。佐藤と橋本に本作への意気込みや互いの印象などを聞いた。

――お二人が初共演した音楽劇『逃げろ!』~モーツァルトの台本作者 ロレンツォ・ダ・ポンテ~の公演中に上演台本・演出を務める鈴木勝秀さんから本作のオファーがあったと聞いています。そのときの心境をお聞かせいただければと思います。
橋本:
うれしかったです。『逃げろ!』の公演中にみんなで食事会をしたときに、スズカツさん(鈴木)と「このメンバーでまたやりたいですね」という話をしたら、スズカツさんが「次はこれでいきたいんだよね」っておっしゃっていたんです。きっとスズカツさんの中ではすでに決まっていたのだと思うので、今回、お話を聞いたときは「ついに来たか」と思いました。

――当時から『忠臣蔵』をやろうということだったんですね。

橋本:そうですね。

佐藤:俺も全く同じ気持ちです。一緒に食事行かせてもらって、そのときにこの忠臣蔵をやるという話をしていたので、いずれやれたらいいなと思っていました。こうしてビジュアルを撮って、形になると改めてまた実感が湧いてきています。

――『逃げろ!』ではお二人も手応えを感じていましたか?

橋本:評判がすごく良かったですし、有難いことに連日満席を頂戴していたので、手応えはありました。何より、また一緒にやりたいなと思っていました。

佐藤:毎回、スズカツさんの現場は少数精鋭ですが、『逃げろ!』は特に役者の底力が見える場面が多かったと思います。今回はさらに出演者が少ないので、より自分たちの力を発揮できる作品になるのではないかと感じています。

――前回の共演ですでに息もぴったりですね。

橋本:仲良いですよ。『逃げろ!』のときは、初めての共演だったのでそれなりに緊張していましたが(笑)。僕も流司くんもすごく人見知りだったんです。ただ、話しかけていくうちにだんだんと距離感が縮まっていって。

佐藤:初めて「飯食い行きましょうよ」と誘ったとき、(橋本は)たまたま次の日が朝早い日だったらしくて、断られたんですよ、俺(笑)。

橋本:それもあって、きっと気まずかったんだよね(笑)。でも、そのあとは、東京でも週に何回かご飯に行ったり、地方では毎日のように一緒にご飯を食べたり。それくらい仲良くさせていただきました。流司くんは飲むと気が強くなるんですよ。なので、僕は年上でよかったなと思いました(笑)。

佐藤:あははは(笑)。普段は隠しているんですよ(笑)。

橋本:『逃げろ!』で共演した(弓木)大和くんに愛のある言葉でいろいろな話をしていました。面倒見がいいなと。今回は、事務所の後輩の瀧(陽次朗)が出演するので、よろしくお願いします。

佐藤:楽しみです。

橋本:本来、1番年上の僕が言わないといけないところを、流司くんが言ってくれるのですごく助かっていました。

――佐藤さんから見た橋本さんの印象は?

佐藤:酔うとスキンシップの程度がおかしくなる人です。ずっとくすぐってくるんですよね(笑)。なので、とりあえず、やめてもらうために「すみません、すみません」って謝ってました(笑)。

橋本:あははは(笑)。そういえば、よく言ってたね(笑)。でも、僕が昨年、体調不良で休んでいた時期も気を遣ってくれて、よく誘ってくれていました。なかなかタイミングが合わなくてご飯にもいけませんでしたが、今回、ようやくご一緒できるので楽しみです。

――じゃあ、今回も飲みに?

橋本:行くでしょうね、絶対。

佐藤:行かないわけにはいかないですね。

――鈴木さんの演出についても教えてください。お二人ともこれまで何度も鈴木さんとご一緒していると思いますが、鈴木さんの演出の魅力をどんなところに感じていますか?

佐藤:唯一無二の世界観を作られる方だなと毎回、思います。脚本を読むだけでもスズカツさんにしか出せない世界観や空気感を感じます。脚本も音楽っぽいんですよ。スズカツさんは音楽が好きな方なのですが、セリフのリズム感が洋楽っぽい。今回の作品では古い日本語が出てくるので、それが音楽のように脳内に入ってくる感覚があって、スズカツさんらしいなと思って読みました。

橋本:全く一緒です(笑)。読んでいるうちにグッと物語が入ってくるような感覚があります。音楽も素晴らしくてお客さんを飽きさせない演出をされるので、出演している僕たちもすごく楽しいです。きっとスズカツさんは僕たちのことを信じて台本を作り上げてくださったと思うので、その期待に応えたいですし、前回を超えていかないといけないと思います。今回は、前回に比べて、稽古期間が短いと聞いているので、集中して作り上げていきたいと思います。

――お稽古場では、鈴木さんはどんな演出をされていますか?

橋本:最初は「自由にやって」とおっしゃってくださいます。もし、違ったらきちんと言ってくれますが、否定はしない。僕たちの芝居を受け入れてから直していくので、すごく稽古しやすいです。

佐藤:立ち位置や振り付けも任せると(笑)。

橋本:そうそう(笑)。アクロバットを任されたときは、どうしようってなったよね(笑)。「踊りからアクロバットよろしく」って言われて。

佐藤:聞いたことがない演出で(笑)。

橋本:「流司くん、どうする?」って。「一回考えよう」と。あれは面白かったね。振付師さんもいないから、自分たちで考えないといけないことも多いんです。今回もきっと何かしらあると思いますよ。

佐藤:『逃げろ!』では(サリエリ役の篠井)英介さんが日本舞踊を踊っていましたよね。モーツァルトとダ・ポンテの話なのに(笑)。そのくらい自由にやらせてくださいます。

――それぞれの役柄については、脚本を読んでどんな印象を持ちましたか?

橋本:稽古をしてみて役を感じるものなので、脚本を読んだだけではまだ分からないというのが正直なところです。ただ、近松門左衛門という人は、芝居を書きたいという意志が強い人なんだとは感じました。この時代、侍が刀を捨てるというのは、命を懸けることと同じなので、相当な勇気を持って芝居の道を選んだのではないかと思います。なので、そのくらいの気持ちを持って芝居をしなければいけないなと。これからの稽古でスズカツさんと一緒に(役を)作っていきたいと思います。
佐藤:読んでいると自然と大石内蔵助は俺の声でセリフが再生されるし、近松門左衛門はハッシーくんの声で再生されるので、どうしても頭の中のイメージはダ・ポンテとモーツァルトなんですよ。もしかしてスズカツさんは『逃げろ!』の転生体として描いているのかなと一瞬、考えたりもしました(笑)。もちろん、『逃げろ!』を観ていない方も楽しめる作品になっていますが、『逃げろ!』を観ていただいた方には、笑える場面もあって、ダ・ポンテとモーツァルトが生まれ変わった姿としても楽しんでいただけるのではないかなと思いました。

――現時点で、それぞれの役を「男としていいな」と思える部分や共感できるところを教えてください。

橋本:優しいところです。近松は、大石が討ち入りに行くのを止めません。芝居を書きたいという想いを受け止めてくれた人なのだから、さよならはしたくないし、ずっと一緒にやっていきたいと思っているから、もちろん討ち入りにいくのは止めたい。でも、男として行かなくてはいけないことも分かっているので、心を鬼にして行かせます。それは、男の優しさなのかなと感じました。

佐藤:すごく好きなセリフがあるのですが、それを言ってしまうと物語の核の部分に触れてしまうので、要約すると「こうして舞台や物語を作り上げることによって、俺たちはいつまでも、何度でも巡り会える」ということをスズカツさんは描いています。前半は飄々としている大石が、物語の終盤では情熱を持って本気で人に投げかけることができるところにかっこよさを感じました。

橋本:自分と似ているところは?

佐藤:優しいところかな(笑)。

橋本:お互いにね(笑)。でも、先ほど流司くんが言っていたように、『逃げろ!』をやっているからこそ、台本を読んでイメージがつきやすいよね。

佐藤:そうなんです、お互いの声がイメージできるんです。

橋本:流司くんのめちゃくちゃいい声で再生されるんですよ。だから、僕もセリフを読みながら「ここはちょっといい声出そうかな」と思ったりします(笑)。それから、今回は「流司くんと僕の仲の良さ」も裏テーマとしてあると思います。この物語の大石と近松のストーリーと僕と流司くんの関係性を、お客さんは2つ同時に楽しめてしまう。僕たちの関係性が前回以上に出るのではないかという気がします。

――最後に、公演を楽しみにされている方にメッセージをお願いします。

橋本:僕自身もめちゃくちゃ楽しみにしています。日本の歴史ものと聞くと、難しい話なのではないかと感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、気軽に観ていただきたいです。もし、途中で「難しい」と感じたら、流司くんと僕の仲の良さだけを観ていてください。そうすれば、きっと物語に入りやすいと思います。最後まで流司くんと仲良く突っ走っていけたらと思います。

佐藤:来ないと始まらないと思いますので、「来い」としか言いようがないです(笑)。我々のこのバディとスズカツさんのタッグは、前回の作品で成功例を出していますので、あまり多くを語らず、いい作品なのだと改めて思わせてやろうかなと思います。

舞台『近松忠臣蔵』
上演台本・演出:鈴木勝秀
音楽:大嶋吾郎
出演:
佐藤流司
橋本良亮(A.B.C-Z)
瀧陽次朗(少年忍者)
瀬戸祐介
細見大輔
ブラザートム
<ミュージシャン>
大嶋吾郎/GRACE/沖山優司/YOKAN
[東京公演]
日程:2025年5月30日(金)~6月15日(日)
会場:IMM THEATER
[大阪公演]
日程:2025年6月20日(金)~6月22日(日)
会場:COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール
席種:全席指定 11,000円(税込)  *東京・大阪共通
お問い合わせ:サンライズプロモーション東京 0570-00-3337(平日12:00~15:00)
公式サイト  https://chikamatsu-stage.jp/
主催:エイベックス・ライヴ・クリエイティヴ/クオーレ/サンライズプロモーション東京
企画:クオーレ佐藤satou

インタビュー:嶋田真己
スタイリスト:吉田ナオキ(佐藤流司)/ 野友健二 (UM)(橋本良亮)
ヘアメイク:有藤萌(佐藤流司)/ 奥山信次(barrel)(橋本良亮)

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