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2026年7月31日 18:00

松岡充 インタビュー! ミュージカル『SHOWMAN~4番目の影武者』とは運命的な出会いでした!

ミュージシャンとして、俳優として、表現者として、ジャンルを超えて幅広く活動する松岡充が主演として挑むミュージカル『SHOWMAN~4番目の影武者』。韓国演劇界で高い評価を得たミュージカル作品への出演オファーを受けた時の胸の内を熱く語ってもらった。本作との出逢いから得た思いとは。

 ――『SHOWMAN~4番目の影武者』の出演オファーがあった時の思いからお聞かせください

最初、『SHOWMAN』という、韓国発の話題作をやらないか、と声をかけていただいた時、ちょうど、観光大使に任命されるなど韓国に興味が湧いている時期だったということもあって、ご縁を感じてすごくうれしかったですね。そして、音楽や演劇など韓国のエンタメには以前から触れてはいましたが、ここまで急速に世界中を席巻するとは思ってなかったというのが本音で。とても興味がありました。
現実問題として、SOPHIAのデビュー30周年が終わったあと、また次の新しいツアーも重なっているタイミングというのが分かっていたので、お受けするのは難しいかもしれないね、という話にはなったんです。とはいえ、一度脚本は読ませていただけたら嬉しいです、ということで、韓国の脚本を直訳して要約されたものをいただいて読んだのですけど、もう、読んだら最後(笑)。これはやらないわけにはいかない、と。心が動きまくりました。
図らずも、自分が何十年もかけて探求してきた表現が『SHOWMAN』という物語として書かれていて、これは運命だと感じました。

僕が30数年のアーティスト人生の中で探して探して、紡いできた歌詞であったり、メロディー感であったり、その表現というものが、本当に一つの物語として、描かれていて、端的に「これは今の僕がやるべきだ」と素直に思えたんです。
別にこの脚本に答えが載っているってことではないんですよね。テクニカルなことも含めて、その設定、登場人物の距離感など、僕の個人的な感覚として、これはまさに…ということが、ふんだんに書かれていた。僕のアーティスト人生の中で、やるべきだと思った内容をそのまま演劇に落とし込んだ作品だなと思ったんですよね。

――運命的な出会いだったんですね。

そうだと思います。ちょうど1年前にデヴィッド・ボウイの『LAZARUS』という作品をやったんですが、その話を受けた時とちょっと似ている感覚なんですね。その時も、実は同じようなSOPHIA 30周年のライブツアー真っ最中に稽古が始まって、みたいなスケジュールでどうしようか、という感じだったんですけど、デヴィッド・ボウイというボーカリストであり、コンポーザーであり、クリエイターという存在と僕、松岡充というものの、勝手ながらつながりを感じ、シンパシーを感じて、なおかつ、彼が死を直面している、最期の間際で演劇としてこの世に残したかった表現を、僕が日本で初めてやるんだということに心掴まれたんです。この感覚は今回と似ていますね。
で、今回に関しては、「生きる」というテーマ、「ALIVE」というテーマでも繋がった感じがしたんです。『SHOWMAN』のサブタイトルにある“跳び上がる、ただ呼吸するために”というキャッチワード。生きるんだという人間の強い意志が表現されていて、それは僕らSOPHIAがずっと追ってきた「ALIVE」につながる。ちょっと不思議な縁だなと思いながら、お受けしたという感じでした。

――この『SHOWMAN』という作品の世界観が松岡さんを揺さぶったのはどんな点だったと思われますか?

 僕も今年で55(歳)になるので、そこそこ生きてきたわけですけど、この世界の先輩方というのは、70代であってもいまだに現役でやっていらっしゃってるじゃないですか。そういう名だたる先輩方にいろいろ話を聞いてきたんです。「なぜ何十年も、このフィールドでずっと他の誰にも代わることのない唯一無二の存在になり得たか?」と質問してきたんですが、やっぱり「妥協しない」、「忖度しない」ということなんですよね。でも、この業界で仕事していく上で、「妥協する」ことや、「忖度する」ことというのは、なかなか取り除くことが難しいものですよね。でも、僕が「わ、この人かっこいいな」って思える現役の表現者の方は、やっぱりそこをかたくなに守って貫いている方たちなんです。「譲らない」というか、ともすれば、めんどくせえな、と思われたり、敵を作りやすかったりするんだと思うんですが、そこはブレない。そして自分もそうありたいと思うんです。それを作品として、舞台としてまるごと表現できるのがこの『SHOWMAN』だなと思えたんですよね。

――ブレない、妥協しない、は簡単なことではないですよね。

物事を表現するうえで、「自分である」ということが一番真ん中にあって、虚構の世界で、自分の中にいろんな人生を取り入れながら、第三者に対して自分が見てきたもの、自分が手にしたものをちゃんと手渡しできる人間になっていかなきゃなって、今まさに思うんですよね。そういう信念を持っていた時にパンチの効いたというか、本物の作品に出逢えてよかったなって思います。

 ――作品との出逢いは奇蹟的でもありますね。

 この作品はとても巧妙だと思います。参加する俳優、演出家、プロデューサー、制作チームそして客席にいる皆さんも含めて試しているんだな、って思います。正解があるわけではなく、それぞれの感覚や人生経験によって見え方や感じ方が変わる作品なので、僕たちが試されている、という感覚。
「試す」というと、聞こえが悪いかもしれないですけど、自分が持つ感覚、これまでの人生によって、この作品は見え方、感じ方は変わりますよ、というものだと思いますね。

――本作で演じられるネブラという役。現段階でこんなふうに演じられればと思っていることは?

ネブラに投影されているのは「揺れ」だと思うんです。その「揺れ」を表現するときに「作る」んじゃなくて、なぜ揺れてしまうのか、人々は心を動かしたくなるのはなぜなのかを問いかけて表現していきたい。自分の背丈と同じくらいのギリギリの水位で溺れそうになりながら飛び上がって息継ぎをする、みたいな瞬間。とんでもなく深い水位だったらあきらめると思うんですけど、ギリギリだから、何もしないわけにはいかない。もがくんです、人生に。そういう人間のギリギリの感じを1本1本、1公演ごとに体現しないといけないと思っています。

――ちなみに、アーティストとして、表現者として活動される中で、松岡さんの中でネブラの思う「揺れ」みたいなものは感じられる部分もあったりされるんですか。

めちゃくちゃありますよ。やっぱり、苦しいです。1個ずつが苦しくて、もう嫌だ、もう二度とやらないって、思うこともあるんだけど、それを終えると、そこでポンって宝物をもらったような感覚になるんです。よく頑張ったねって、ギャランティじゃない心にもらえる宝物みたいなものがポンと出てくるんですね。それが次の活動への意欲にもつながってくるんですよね。そういうことの積み重ねをしてきた30数年なのかな、と今は思えますね。

――ここ数年、数多くの舞台作品にご出演されている松岡さんですが、舞台に向き合うことの意味をどんなふうに捉えていますか?

演劇の世界では多くの専門家が関わって、それぞれの役割があるわけじゃないですか。
だから基本的に携わる人が多い。例えば、音楽活動で言えば、SOPHIAは5人メンバーいるんですけど、言ったら、僕がバンドの方向性の旗を振り、こういう活動をしよう、こういうテーマでやろう、というのを出して、そこに対して、みんなが向き合って、ひとつになっていくという感じなんですけど、演劇の世界は、プロデューサーがいて、演出家がいて、音楽監督がいて、振付け師さんがいて、各ジャンルのプロフェッショナルのそういう人たちが指針となって創られていく。いろんな意見が出てきます。
そうなると、ズレが生まれたりして、揉めることもあるんですよね。でもね、揉めたら揉めたでいい作品になるんですよ。最終的には面白いですね、ということになる。
こういう演劇の世界に入って、もう20数年経ちますが、「俺はミュージシャンだから」じゃなくて、演劇の世界の“いろは”は当然あるから、そこは1回自分の中に落とし込む、落とし込んだ上で、それでも思うことがあるんだったら、それを伝えるんです。そこは諦めない。

――伝えるべきことは伝える。

そう。でもそれやると、めんどくさくなるんですよ(笑)。俺がこれ言ったら止まるな、と思うし、止めることが、いろんな人に対して、ストレスになることもあるな、と分かっているから、「まぁいいや」って言いがちなところもあるんですけど、でも、「まぁいいや」と妥協するぐらいだったら最初から受けるな、って思うんです。言うべきことは言って、戦おうと。

――その意味では、舞台に向き合うというのは、精神的にも肉体的にも相当なカロリーを使うというか…。

そうですね(笑)。僕はこれで終わっていい、という想いで毎回向き合っているんです。それはライブも同じなんですけど。今日これで喉が潰れて、明日、ごめんなさい。声が出ませんでした、責任を取ります、みたいなことになるかもしれないけど、そこを突き抜けていく心意気でやらないと、と音楽と演劇に関わらず常に思っていますね。  

――この『SHOWMAN』は、まさに全身全霊でぶつかる作品に。

そうなると思います。ただ、先ほど、(キャストの皆さんと)座談会をしたんですよ。初めて全員で顔を合わせたんですけど、ちょっと安心しました。というのは、この6人、本当に皆さん、ただ者じゃない(笑)。
ということは、それだけのものを今まで失ったり、手にしたりしてきた経験のある方達なんだと思うんです。そういう皆さんには、安心して任せられますし、僕はネブラ(という役)と全力で向き合うことができる。今回、この役者チーム、 制作チームは安心して任せられるなって強く感じています。  

――演出のシライケイタさんとは、すでにお話を?

いろいろ話はしました。初めてお会いする前は、悪い癖で実は最初は疑ってかかっていたんです(笑)。どんな人なの?って。でも、話をしていくうちにシライさんも僕と同じ様に妥協しない人だと分かってすごく安心しました。お互いに忖度なく意見を言い合える信頼関係を築いていけるな、って思っています。僕個人的にはうまくやろうとされるのが一番嫌で、汚いところも含めて見せ合うことが重要だと思っていますし、それができそうだなと思います。

――公演を楽しみにされている方にメッセージをお願いします。

例えば、デパートの試食品なら、美味しいところをちょっと食べれば、あっ、これはこんな感じだなとわかると思うんですけど、この作品は一部分を切って試食して「これだ」と分かってもらうというのは難しくて。全体を感じ取ってもらいたい作品です。
何の保証もない、試食の味見もできないエンタメのチケットを買っていただくというのはこのご時世そう簡単なことじゃない。でも、このインタビューが、保証書だと思ってもらいたいです。その価値を絶対にお渡しします。それだけのスキルを持ったキャストであり、スタッフが集結していて、あなたの人生にもどこか同じ想いを感じられる瞬間がある作品だと思いますので、期待してください。

ミュージカル『SHOWMAN~4番目の影武者』
2026年9月1日(火)~13日(日) 新国立劇場小劇場
https://consept-s.com/showman/

松岡充・歌唱動画:https://youtu.be/DQY4ogGA9_A?si=xQu0UuEgzErDRxlN

 

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