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2026年9月18日 12:00

【前編】小林亮太インタビュー 『Yerma イェルマ』 柔軟に大胆に攻めることが大事、丁寧に演じたい

スペインの詩人・劇作家のフェデリコ・ガルシーア・ロルカによる古典の名作「イェルマ」を今、最も勢いのある演出家・稲葉賀恵が、劇作家・オノマリコとタッグを組み、物語を現代に置き換えて描く。本作で主人公・イェルマの幼なじみ・ビクトルを演じる小林亮太に、この作品が持つ魅力、役へのアプローチなどじっくりうかがった。

――原作、そして台本を読まれて、感じられたことは?

約100年前に生まれた古典の名作を現代にアダプテーションされた作品として、オノマリコさんや稲葉賀恵さんがこういうふうに形にしたのか、と感銘を受けました。

イェルマ自身が置かれた環境を、現代を舞台に描くことで、ここまで鋭く切り込んでいくんだなと思いましたし、逆に言えば、ここまで切り込まないとお客様に伝わらないものもあるのかな、というふうにも思いました。この台本を読んだのが深夜1時くらいだったんですけど、とりあえず真っ暗な空を見上げる、みたいな感じになりましたね(笑)。読んだ時から深いところに手を突っ込まれたような感覚。楽しみという思いと同時にこの作品に挑むことへの恐れも感じました。

――演じるビクトルは主人公・イェルマの幼なじみ。キャラクターは物議をかもし出すような存在ですね。

台本をいただく前の段階で、稲葉さんから「色気やけだるさが感じられるものを」という言葉をいただいて、いろいろな思いはめぐらせていたんですけど、台本を読んだ段階で、より明確に自分とはかなり違う人物なのかな、と感じました。

稲葉さんと時間をかけて話しながら固めていく感じになると思いますし、柔軟に大胆に攻めることが大事な役になってくるかなと思っています。

――「シアタートラムに立つ。稲葉さんの演出のもとで芝居をする、という二つの思いが同時にかなった」と事前のコメントでおっしゃられていましたが、小林さんにとってどのような思いをお持ちだったのか、お聞かせいただければと思います。

シアタートラムは何度も観劇させてもらっているのですが、その中でも印象深いのが『ブレイキング・ザ・コード』という稲葉さんが演出された作品を観させていただいたことですね。トラムの空間をこういう使い方ができるんだ、という驚きがありましたし、かつそこにいた人物たちの背景もすごく惹かれるものがあって、そこから稲葉さんの作品は、観に行けるかぎり足を運んでいます。それだけに、その稲葉さんとこうしてご一緒できることが、とても感慨深いです。

稲葉さんの舞台は、去年、駅前劇場でやっていた『Downstate』という作品も観に行かせていただきました。当日券で観に行ったら偶然最前列になったんですけど、ものすごく近い距離なので、個々の俳優が何を感じているかというのを、すごく肌で感じられたんですよね。そうすると、より深く何層もの人物像が見えてくるような役作りをされているのが伝わってくるんです。ここまでのものにするために、どれだけの準備をされたのだろうと思って。稲葉さんの作品は、そこがダイレクトに届いてくるなあということを感じさせられました。

観終わって、しばらく立ち上がることができなくて。ある程度皆さんが帰ったな、というタイミングで、やっと外に出たら、そこに稲葉さんがいらっしゃってご挨拶させていただいたんですけど、稲葉さんは、ご自身がお話になる時も、あるいは、人が話す時も、すごく言葉を大事にされているし、言葉選びを繊細に考えていらっしゃる方だなと感じたのを覚えています。

演劇を作る上で、たぶん、一緒に悩んでくださる方だと思うので、そういう時間は、すごく楽しみでもありますし、本当に丁寧に作っていく作品になるんだろうなって思っています。

――その稲葉さんの演出で作り上げるのが『Yermaイェルマ』という題材であることが、興味深いですね。

今回の脚本でも、現代の社会をどう見つめていて、社会から自分が何を受け取っていて、ということが描かれているので、そこは、ある種、自分たちが普段の日常生活の中で受け取っているものを、お芝居に組み込んでいかなきゃいけない部分も大いにあるなと思っています。これから稽古に入っていくんですが、楽しみでもあり、心して向き合わないと、という思いでいっぱいですね。

『Yermaイェルマ』
9月21日(月・祝)~10月12日(月・祝) シアタートラム
ほか、兵庫・宮城・愛知公演あり

公式サイト https://setagaya-pt.jp/stage/32248/

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