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2013年11月9日 14:24

美しすぎる国際的ヴァイオリニスト、諏訪内晶子に単独インタビュー!「東芝グランドコンサート2014」に出演!!

東芝グランドコンサートは、著名な指揮者やオーケストラ、豪華なソリストが共演し、聴く人を魅了するコンサートで、第33回目を迎える次回は、2014年3月に開催される。

2014年の第33回はオスロ・フィルハーモニー管弦楽団と2013年より首席指揮者に就任したヴァシリー・ペトレンコ(ロシア)を招聘し、そこに諏訪内晶子(ヴァイオリン 日本)とアリス=紗良・オット(ピアノ ドイツ)がソリストとしてその音色を重ねる。

この豪華な共演を前に、諏訪内晶子氏が来日してプロモーションを行なった。
今回、ご多忙の中、RanRanEntertainment(ランランエンタメ)の単独インタビューに応じていただいた。まず、この貴重な機会を与えていただいたことに感謝し、お礼を申し上げる。

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諏訪内晶子。この日本人の名前が新聞やマスメディアに初めて大きく取上げられたのは、1990年のチャイコフスキー国際コンクールにおいて史上最年少で優勝を飾ったときだろう。その後、ニューヨークのジュリアード音楽院に留学し、コロンビア大学、国立ベルリン芸術大学へと進み、現在では日本人で最も有名なヴァイオリニストとして、世界で活躍している。

今回は、東芝グランドコンサートについて、また「ヴァイオリニスト諏訪内晶子」についてお話を伺った。

黒のトップスとスカートという出で立ちで、大きな瞳でまっすぐと前を向く彼女から語られる、これまでの「演奏家としての自分」「自分の未来」のお話から、世界を舞台に立つ女性の強さを感じることができた。

ー子供のころにお稽古の一つとしてピアノやヴァイオリンを習い、クラシックの世界に触れていても、成長するにしたがって疎遠になってしまう人が多いです。一般的に「クラシック」というと大人のイメージがありますが、ご自身がテレビCMなどに出演することによって、ファン層に変化はありましたかー

ありますね。私は、恵まれていたと思います。チャイコフスキー国際コンクールで優勝したときは、まだソ連の時代でしたが、ピアノ部門の取材で日本の放送局のカメラが入っていました。私自身は当時10代でしたので、事前には全く注目されていませんでした。しかし、チャイコフスキー国際コンクールでの様子が映像として日本にも流れ、日本人として同コンクール初優勝受賞がニュースになったことでリアルタイムに話題になった、という結果を生みました。

それがきっかけで、ほかのクラシックの演奏家よりはCMなどに出演することも多くなり、それをご覧いただいた方々がコンサートに来てくださったということもありました。私自身もいろいろな方々に来ていただきたいという気持ちもあって、積極的に広告出演などのお仕事もお受けしていました。

私たちの両親の親世代は、戦争で西洋文化を一旦断ち切られた世代で、もう一度、西洋文化に追いつこうという思いがあり、私たち二代目の世代に幼少のころから「お稽古」としてバレエやピアノ、ヴァイオリンなどを習わせていた流れがありました。日本の伝統芸能と同じように、西洋音楽・クラシック音楽が長い間伝わってきているということ自体がすばらしいことだと思います。クラシック音楽を聴くきっかけは、何でも良いと思います。家の中で流れている音楽を聴くことでも、自分が奏でることでも…。「クラシック」の持つすばらしさを体感することがまず一歩だと思います。

ー東芝グランドコンサートでは、30代の指揮者や20代のピアノのソリストというように、若い世代との共演になりますが、今回のような若い世代との共演についてはどのように感じられていますかー

最近は自分より若い演奏家と共演する機会が多くなりました。

経験がまだ浅いということはあっても、若い世代の演奏家の持つのびやかさはその時にしかないものですから、それらを逆に吸収させてもらうこともあります。もちろん、若手といっても実力は兼ね備えている方々ばかりですから…。

オスロ・フィルハーモニー管弦楽団と指揮者であるヴァシリー・ペトレンコ氏とは初共演だそうですが、どのような印象をお持ちですかー

初めての共演ですけれども、「初めて」ということは経験や出会いには必ずあることであって、これまでも何十回と「初めて」を経た演奏会を経験してきました。でも、「初めて」のって期待と新鮮さがあるので楽しみです。

ー今年2月に開催された「国際音楽祭NIPPON」では、いつもの表舞台に立つ演奏家という立場だけではなく、芸術監督という裏方としてのプロデュース的な立場を経験されていますが、違いはありましたかー

第1回目ということもあり、出演とプロデュース側と両者の立場にありました。

その中でも演出するということは「総合的な力」が必要で、「なぜこれを企画したのか」ということを伝えなければならないし、それによってほかの方々に動いていただかなければならないということもあります。

1990年代の後半から活動をしていますが、ソリストとしての活動はある意味で非常に限られたものです。それはそれで良いことだと思っていましたが、それだけで良いのだろうかという思いは10年以上前からずっと感じていました。そろそろ社会的貢献をしていかなければならない立場でもありますから…。思いだけは持ち続けていたのですが、思いだけではできないことなので、いま、やっと実を結んだということになります。

ー今後、プロデューサー的な立場としての活動の予定はありますかー

「継続する」ということが重要ですから、「国際音楽祭NIPPON」を通してチャリティーコンサートとマスタークラスは、毎年開催する予定です。大きな規模の演奏会は隔年での開催を予定しています。

来年の2014年の梅春の頃に、名古屋では小学生のためのマスタークラスと一般のマスタークラス、仙台では子供のためのチャリティーコンサートとマスタークラスを開催する予定です。マスタークラスを開催するのは、子供たちが毎週受けているレッスンの先生とは違う、現役の奏者として何か良いアドバイスができたら、という思いから始まっています。

私自身、振り返ってみると、海外から招聘された演奏家から受けたマスタークラスはとても重要でした。このマスタークラスがきっかけとなって、より大きく育ってくれると嬉しく思います。プロを目指すあえて小学生、それ以上の年齢で受講生の募集をしています。

諏訪内晶子_5SC0890ranran-2

ー東芝グランドコンサートの演目にはご自身の思いは反映していますかー

オーケストラ側や指揮者の方たちと、全体のプログラムバランスを考え、最終的にメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲を演奏することになりました。とても有名な名曲ですから、初めての方も聴きやすいと思います。私は、何度もこの曲を演奏していますが、とても難しい曲でもあります…(笑)

ー演奏する際のこだわりやジンクスなどはありますかー

与えられているのは限られた時間なので、その時間の中でベストの演奏ができるように、それだけを心がけています。ジンクスなどをはじめてしまうと、それができない状況ということも考えられ、特に海外では状況がその時々で異なるので逆に恐く、ジンクスは私にはありません。心身ともに健康であることは良い演奏につながると思います。ちょっとアスリート的な感じもありますね(笑)

 いつかの演奏会での赤いドレスがとても印象的でしたが、ステージでのドレスはご自身でデザインされることもありますかー

自分でデザインすることはありません(笑)。日本で購入することは、ほとんどないですね。

ドレスは、ドレスの型に自分がはまったほうが綺麗だと個人的に思います。私の場合、幸運にも海外デザイナーのドレスでも、直さず着られますので…。演奏しやすさを優先に、自分で選ぶことが多いです。

 休日の過ごし方は?ー

音楽に費やす時間が段々長くなってきています。演奏会などが終わった後などは自分の中に何も残っていないような状態になってしまいます。そして、そこから次の演奏会に向かって、また新しいエネルギーを溜めなくてはなりませんよね。

パリに住んでいますが、そこには画家や建築家、プロデューサー、政治家など自分とは異なるいろいろなジャンルの友人がいます。その友人たちと過ごす時間というものが、空になってしまった自分の中にもう一度エネルギーを蓄えさせてくれます。フランスはコスモポリタン都市なので、自分が求めればこのように様々なジャンルの方たちと交流を持つことができますし、一人で居たければそれも可能というところがあります。

また、食材をはじめとして食事がすばらしいです。これは体調を整えるのに助かります。ジャズの演奏会や舞台などを観に行くこともあります。舞台は好きですね。

ー海外での活動、生活が長いなかで、どんなときに日本人だと感じますか?また、日本人で良かったと思うときはどんなときですか

どんなにひっくり返したところで、私は日本人です。ただ、日本人だからこそ、西洋音楽に対して中性的な立場でいることができると思いますし、どんなことにおいても日本人の緻密さは必ず出ることだと思います。

ほかの演奏者の方も感じられていることだと思いますが、この緻密さというものは日本人の良さだと思います。ちょっとした間の取り方も日本人的な間の取り方というものがあると感じています。ただ私は、教育を受けたのが日本だけではないので、西洋的感覚と日本的感覚が混ざっているとは思いますが、根本的な日本人の持つ緻密さ、器用さは持っていると思います。

文字で文学をしたためるようなこととは違って、特に音楽は抽象的なものなので、このようなことがはっきりと表現されるものではないのですが、しかしそれが音楽のすばらしさだと思います。そして、会場に来ていただいた方々に、演奏を直接感じていただけることだとも思います。文学などの文字で表現では、様々な意味で翻訳者の思いがある程度入ってしまうのではないでしょうか。

「日本人」ということを考えることもあれば、考えないこともありますね。フランスという国は「○○人だから」という観念は、あまりないように感じますね。

ー今後、演奏してみたい曲や、活動してみたいことはありますか?ー

それは限りなくあります。音楽祭を通してであったり、いろいろな手段で私の思いを叶えていこうと思います。ただ、私自身が作曲する訳ではないので…カデンツァは書くこともあるかもしれませんが。いまは作曲家と演奏者がほぼ分業となっているので、すばらしい作品は演奏されないと残りません。

実は、メンデルスゾーンが20歳ぐらいのときには、バッハは忘れられていた存在でした。彼がマタイ受難曲を演奏し、忘れられていたバッハをもう一度世の中に伝えたのです。それを考えると、演奏されないと作曲家のすばらしさというものはその時代にも後世にも伝わらないので、演奏家である私たちが演奏しなければならないことだ、と思う気持ちもあります。素晴らしい作品を残していくために、人々に聴いてもらえるように演奏していくことが、私たちの使命だと思っています。

 最後に東芝グランドコンサートの見どころ、聴きどころを教えてくださいー

演奏会のすばらしさというのは、そのときその場でなければ味わえないということだと思います。そのときにならないと、どうなるか分からないところもあるのですが…(笑)。

特に今回は初めて共演する方々なので、ぜひ、お越しいただいて、その場で感じていただけるとうれしいです。

今回は、ヴァイオリニスト、プロデューサー、世界で活躍するAkiko Suwanai、そして日本人諏訪内晶子、といろいろな顔をみせていただいた。世界の第一線で活躍する諏訪内晶子氏だからこそ、感じることや思うことがある。それをヴァイオリンという楽器を通して、私たちは感じさせてもらえることだろう。

クラシックマニアも、またクラシックビギナーもこのコンサートを通して、その曲や作曲家の意思だけでなく、歴史やその意味を感じることができるのではないだろうか。

インタビューのなかで諏訪内晶子氏が語っていたように、アーティストは演奏することによってそれらの曲を後世に伝え、残していく。私たち聴衆はそれを聴き、感じ、楽しむことによって、それをまた後世に残すことができるのではないだろうか。

東芝グランドコンサートまで少し時間はあるが、それまで期待に胸を躍らせつつ、待っていよう。

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東芝グランドコンサート2014
ヴァシリー・ペトレンコ指揮 オスロ・フィルハーモニー管弦楽団全国ツアー
【日程・会場】
2014年
3月12日(水)  東京/東京芸術劇場コンサートホール   主催:フジテレビジョン
3月13日(木)  名古屋/愛知県芸術劇場コンサートホール 
主催:東海テレビ放送
3月14日(金)  広島/上野学園ホール        主催:テレビ新広島
3月15日(土)  兵庫/兵庫県立芸術文化センターKOBELCO大ホール
主催:関西テレビ/兵庫県/兵庫県立芸術文化センター
3月17日(月)  福岡/アクロス福岡シンフォニーホール   主催:テレビ西日本
3月18日(火)  金沢/石川県立音楽堂コンサートホール
主催:石川テレビ放送/北陸中日新聞
3月21日(金・祝) 川崎/ミューザ川崎シンフォニーホール 主催:フジテレビジョン
3月22日(土)  仙台/東京エレクトロンホール宮城 
主催:仙台放送/公益財団法人宮城県文化振興財団

TGC2014_ メインカット_クレジットあり-2【出演】
管弦楽:オスロ・フィルハーモニー管弦楽団
指  揮:ヴァシリー・ペトレンコ
ソリスト:諏訪内晶子(ヴァイオリン)*3/17、18、21公演
アリス=紗良・オット(ピアノ)*3/12、13、14、15、22公演
【演奏曲目】
<Aプログラム>ソリスト:アリス=紗良・オット(ピアノ)*3/12、13、14、15、22公演
 ニールセン:歌劇『仮面舞踏会』序曲
 グリーグ:ピアノ協奏曲 イ短調 <ピアノ:アリス=紗良・オット>
 ショスタコーヴィチ:交響曲第5番 ニ短調 Op.47
<Bプログラム>ソリスト:諏訪内晶子(ヴァイオリン)*3/17、18、21公演
 モーツァルト:歌劇『フィガロの結婚』序曲 K.492
 メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64 <ヴァイオリン:諏訪内晶子>
 マーラー:交響曲第1番 ニ長調 「巨人」

【オフィシャルHP】
http://www.t-gc.jp/

(追記)
※病気やその他都合により、出演者、曲目、曲順が変更になる場合がございます。※未就学児童のご同伴やご入場はご遠慮下さい。

3月15日(土)  兵庫/兵庫県立芸術文化センターKOBELCO大ホール
主催:関西テレビ/兵庫県/兵庫県立芸術文化センター
3月17日(月)  福岡/アクロス福岡シンフォニーホール 主催:テレビ西日本
3月18日(火)  金沢/石川県立音楽堂コンサートホール
主催:石川テレビ放送/北陸中日新聞
3月21日(金・祝) 川崎/ミューザ川崎シンフォニーホール 主催:フジテレビジョン
3月22日(土)  仙台/東京エレクトロンホール宮城 
主催:仙台放送/公益財団法人宮城県文化振興財団

【出演】
管弦楽:オスロ・フィルハーモニー管弦楽団
指  揮:ヴァシリー・ペトレンコ
ソリスト:諏訪内晶子(ヴァイオリン)*3/17、18、21公演
アリス=紗良・オット(ピアノ)*3/12、13、14、15、22公演
【演奏曲目】
<Aプログラム>ソリスト:アリス=紗良・オット(ピアノ)*3/12、13、14、15、22公演
 ニールセン:歌劇『仮面舞踏会』序曲
 グリーグ:ピアノ協奏曲 イ短調 <ピアノ:アリス=紗良・オット>
 ショスタコーヴィチ:交響曲第5番 ニ短調 Op.47
<Bプログラム>ソリスト:諏訪内晶子(ヴァイオリン)*3/17、18、21公演
 モーツァルト:歌劇『フィガロの結婚』序曲 K.492
 メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64 <ヴァイオリン:諏訪内晶子>
 マーラー:交響曲第1番 ニ長調 「巨人」

【オフィシャルHP】
http://www.t-gc.jp/

(追記)
※病気やその他都合により、出演者、曲目、曲順が変更になる場合がございます。※未就学児童のご同伴やご入場はご遠慮下さい。

 

 

 

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