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伝説のピアニスト、ヴァレンティーナ・リシッツァに単独インタビュー!(前編)

2014/7/11 03:15

You Tubeで7100万以上のビューを記録し、クラシックアーティストとしてネット上で最も視聴された伝説のピアニスト、ヴァレンティーナ・リシッツァに単独インタビュー!

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これまで、ロイヤル・アルバートホールでのライブ盤やラフマニノフ・ピアノ協奏曲全集、リスト・アルバムなどをリリース(一部輸入盤のみ)、そしてなんといってもYou Tubeでのチャンネル登録者13万8千人を持つウクライナ出身のピアニスト、ヴァレンティーナ・リシッツァ。

その彼女の名前を轟かせたもうひとつは、ベーゼンドルファー(ピアノ)を弾きこなし、その高い表現力で評価を受けたことも有名である。

ベルリン交響楽団のソリストとして来日、6月30日には、東京、中野にあるベーゼンドルファー東京にて、このほどリリースされたアルバム『リシッツァ・プレイズ・ナイマン』の曲を観客の前で演奏するというイベントも行った。このマイケル・ナイマン作品の演奏について、そして彼女がどのようにして音楽の道を歩んで来たのか、ご本人から直接伺うことができた。

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―まず、日本の方々へ簡単な自己紹介と今回の来日目的について教えていただけますか?―

ヴァレンティーナ・リシッツァ(以下V・L):私はヴァレンティーナ・リシッツァというピアニストです。この苗字のヴァレンティーナには「キツネ」という意味があります。珍しいでしょう?皆様にはYou Tubeで非常によく見ていただいていて、たくさんの方にフォロワーになっていただいております。今回の来日はベルリン交響楽団とベートーヴェンのコンチェルトを弾く為と、この新しいマイケル・ナイマンの作品を集めたCD『リシッツァ・プレイズ・ナイマン』のCDのプロモーションの為でもあります。普段は世界中を周り、コンサートで演奏しています。

―東京のベーゼンドルファー・ショールームで観客を前にコンサートをされましたが、いかがでしたか?―

V・L:とても観客と密接なスペースでの演奏だったのですが、観客の方々と直接コミニューケーションが取れたましたし、社交的な場を経験できてとても良かったと思います。元々、音楽というのは観客とコミュニケーションを取りながらするものだと感じます。

しかし、最近はクラシックのコンサートというと、何か演奏者と観客の間に透明な壁があるかのような疎外感がある場合が多いと思うのですが、あのような小さな場所で演奏するとそのような空気が取り払われると思います、そして、観客が50人であれ、2000人であれ私の仕事というのは演奏者と観客の壁を取り払って、音楽を皆様にお伝えすることだと思っています。

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―3歳の頃よりピアノを始められたそうですが、音楽一家ではないと伺いました。きっかけはどのようなことだったのでしょうか?また、若い頃はチェスにはまってそちらの道も考えたという時期もあったそうですね。-

V・L:多分、ロシア人も日本人も両親の考えは同じだと思います。最初は子供に色々な習い事をさせたい、そして何か(エキスパート)になって欲しいという思いから習わせられたのだと思います。正確には3歳8ヶ月から始めました。

その頃はバレエ、スイミング、フィギアスケートなどたくさんの習い事をさせられましたが、どれも今ひとつでした。ところが音楽だけは練習は嫌いでしたが(笑)ステージに上がるのが大好きでしたし、自然の流れであくまで習い事の一つとしてピアノを始めました。

実は途中で音楽を辞めたいと思った時期があったのです。何故かというと、音楽の学生なら一度は乗り越えなければならない、コンクールに出場しなければいけないというプレッシャーからでした。コンクールというのは本来、音楽というのは評価されたり、競い合って誰が一番速く弾けるかというものではないと思うのです。そしてコンクールが音楽でのスポーツのように感じ、それがアンフェアにも思えました。そのようなことに嫌気がさしてスポーツとも言えるチェスに一度はまりました。チェスは頭を働かせることで、相手を倒すことができると考えたからです。今はもうチェスは全然していなくて、自分はアーティストだとより感じられますので、ピアノ一筋です。

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―ベーゼンドルファー弾きとして、バックハウス氏、オスカー・ピーターソン氏、イエルク・デームス氏などの偉大なピアニストと肩を並べてヴァレンティーナさんのお名前が挙がっていますが、どのように感じられますか?―

V・L:実際にそのような偉大な名前と一緒に並べられるのが自分でも信じられないくらいですが、その中でもバックハウス氏の演奏は自分の憧れだったので、彼が弾いていたピアノ(ベーゼンドルファー)を弾いてみました。やはり音がかなり(他のピアノと)違うので、凄く好きで弾いています。

―今、毎日練習していらっしゃるピアノもベーゼンドルファー290モデルですか?―

V・L:いえ、何でもそこにあればアップライトだろうが、そのピアノで練習するのです。ベーゼンドルファーもあれば、スタインウェイもあれば、ヤマハもあります。今、3つの家があり、5つのピアノを持っています。アメリカとパリに家がありますが、パリの家は小さいので290は入らないのです。今度、家族がパリに引っ越してくるので郊外に家を構えますが、そこには恐らく290を入れることができるでしょう。

―ベーゼンドルファー290といえば、長6度低いC音までの鍵盤(誤打を防ぐために白鍵は黒く塗られていることで知られている。)があり、そのために中低音の響きが豊かだと思いますが、この神秘的とも言える黒鍵を持つ楽器を好んで弾かれた最大の理由は何だったのでしょうか?―

V・L:やはり、ベーゼンドルファーの音というのは伝統的な音、ヴィンテージな感じがします。先ほどおっしゃったように余分な鍵盤がある分、非常にダークな音、古い音が出せる他のピアノとは全く違った音を出すことができる楽器だと思っています。

―そのベーゼンドルファーをお弾きになる時に、ご自分ならではの演奏、そして音というものはどのようなものだと感じていらっしゃいますか?―

V・L:今は98パーセントは(演奏会などでは)スタインウェイを使用していると思いますが、全部同じように聞こえてしまうということもあるでしょう。最近では音楽的なレベルが非常に高くなって、技術的には皆さんそれぞれ素晴らしくていらっしゃって、チャイコフスキーの作品を昔は誰も弾けなかったのに、今ではどんな学生でも弾けるようになったというぐらい、ピアニストの技術が上がってきました。

そしてかつてはアメリカだけでもピアノのブランドが200ほどあったのですが、現在ではほぼ3社(スタインウェイ、ベーゼンドルファー、ヤマハ)だけです。いずれのピアノも大きな会場で力強い音を響かせることのために作られたピアノがほとんどだと思います。しかし今の時代、デジタルの時代になり同じ音に聞こえつつある中でそれぞれの色を(演奏家が)出していかなければならないのです。その中でも、ベーゼンドルファーは私の中でもとても良い楽器だと思っています。そして普通の人では、なかなか扱いきれないということが多いでしょうが、私にはピッタリと合って、そこから私の音が作れると思っています。

後編に続く

取材:RanRan Entertainment

写真:Yasuhiko Akiyama

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