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2015年1月31日 23:56

ハープ奏者、チェチーリア・シャイー に単独インタビュー!

2015、01 取材:記事・写真/RanRan Entertainment

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―チェチーリアさんのfacebookを拝見したら、大阪滞在中の写真に日本食がドーンと写っていました。楽しめましたか?―

ええ、ええ(笑)!日本食はどんな種類のものも大好きです。京都でも、とてもいいレストランに行きました。もっと食べたかった。ヨーロッパでは「日本食」は寿司しか知らない人も多いのですが、それは皆さんが「イタリア料理」というと、まずピッツァやパスタが浮かぶのと同じだと思います。イタリア料理も他にたくさんの種類があるように、和食も日本の文化に根ざした、いろいろな洗練された料理があります。そこが素晴らしいと思うわ。

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―昨夜、イタリア文化会館-大阪が主催したナレッジシアターでのコンサート『Le Mie Corde レ・ミエ・コルデ 私のハープ』を終えられたばかりですね。―

非常にお客様の反応がよく、私も嬉しかったです。会場で販売したCDも素晴らしい売れ行きで、終演後は大勢の方が「一緒に写真を撮りたい」などと温かい言葉をかけてくださり、すごくやりがいのある一夜でした。私の作った曲を演奏したのですが、各曲を演奏する前、司会の方に「これはこういう意味のある曲」とか「こんな心境の時に作った」と私の気持ちを説明してもらいました。それも喜んでいただけたようです。コンサートの後で日本人の方から、たぶん日本の古い詩が書いてあるカードをメッセージとしていただきました。ご本人とはお会いできなかったのですが。

―どんな内容だったのでしょう。―

説明を聞いたところでは「チェチーリアは月からハープを持ってやってきた」という意味だそうです。

―女神のような衣装で弾いたのですか?―

ノー(笑)、ノー!今日みたいなミニマムな感じの黒い服で弾きました。女っぽさはルックからではなく音楽で表現します。ハープというと女性らしさと結びつけて考える方が多いと思います。その印象を破るために、ボーイッシュな装いや振舞いで逆にお客様を挑発する意図もあるし、男性的な態度によって自分の女性らしさを守っているところもあります。特にこの西洋ではね。

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―チェチーリアさんは音楽一家に育ち、19歳でハープ奏者としてミラノ・スカラ―座のピットに入りました。当時のことを教えていただけますか?―

メンバーではなく協力というかたちでした。当時の第一ハープ奏者の方が、怪我をして演奏できない時に呼ばれました。私は現代音楽をやっていましたが、一ヶ月で彼女の代役としてハープを弾くことになったのです。その後も必要があれば招かれて弾きました。

―プログラムを覚えていますか?―

チャイコフスキーの『くるみ割り人形』です。ルドルフ・ヌレエフが踊っていました。

―大変難しい独奏がありますね。ヌレエフより目立つような。―

代役の準備をしていた時、音楽の先生からは「ソロの部分は、どうせいきなり演奏しろとはならないから準備しなくても大丈夫よ。時間もないし」と言われていました。でも私は「もしかしたら」と備えて最初の面接に行くと「じゃあソロの部分をどうぞ」。その後の休憩で一気に緊張が緩み、トイレの中で思わず泣いてしまいました。10代の駆け出しだったの(笑)。まだ音楽院を卒業する前、初めての大々的なオーディションで試練の時でした。練習用のハープしか持っていなくて、手も痛いし大変でした。そういえば思い出したわ。『くるみ割り人形』をやっていた時、ルドヴィコ(作曲家のルドヴィコ・エイナウディ)が観に来てくれました。その頃、もう友だちでした。天井桟敷から手を振って呼びかけてくれたのよ。

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―ルドヴィコさんとの共作『Stanze』(92)は、チェチーリアさんが全曲を演奏した初のアルバムです。元々はピアノのために書かれた組曲だったそうですが。―

その通りよ。じつは彼が作曲している時に「ちょっと貸して」と楽譜を奪って、そのまま返さなかったからこういうことに!というのは冗談です(笑)。でも曲があまりにもよかったので、弾いてみたいと言って楽譜を持ち帰ったのはほんとうです。私はエレクトリックハープを弾き始めた頃で、音の解釈に時間を費やしました。それからどんな音色を出そうかということも、二人で長い時間をかけて話し合い、研究を続けました。いま聴いても他に例のないアルバムだと思います。非常に純粋な音です。私にとってこのアルバムは、時間の枠組みに囚われない宇宙船のようなもので、自分の住んでいるところや知っている場所とはまったく違う次元に入っていくためのアルバムのような気がします。だからさっきのメッセージをくださった方も、私が月から来たって書いたのではないかしら。この方は私の他のレパートリーを聴いて、あの詩を書かれたと思いますが、『Stanze』は音楽で全然違う次元の場所に行けるということを、私が初めて感じた重要なアルバムです。

―イタリア語で『Stanze』は部屋という意味ですね。―

ええ。タイトルには心の中の空間という比喩も含まれています。聴く人が部屋に入って、他とは違う環境を見つけくれる。特別な感情を心に呼び起こしてくれる。これがアルバムの狙いですね。演奏する時は一つの世界に入って出て入って、とても感情が高まります。このアルバムを作った頃は悩みもあり難しい時期でしたが、曲を弾きながら、私は自分の抱えている問題から抜け出して違う時空に入っていきました。そんな癒しの効果もありました。

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―今のルドヴィコさんを『Stanze』の中に感じますが、チェチーリアさんから見た彼の音楽について聞かせてください。96年と98年にもルドヴィコさんとアルバムを出していますね。―

ルドヴィコはたしかに変わったと思います。以前は内省的なタイプでした。でも同じようなエネルギーは今も昔も持っています。私も現在のルドヴィコを『Stanze』に強く感じる部分があります。発芽段階ですが、今のルドヴィコの姿はすでにありますね。

―最後にご家族についてお伺いします。チェチーリアさんの兄上、リッカルド・シャイーさんがミラノ・スカラ座の首席客演指揮者に就任されます。どんなことをお感じですか?―

来年の春、最初に『トゥーランドット』を演奏することが決まっています。ずっと昔、彼が初めてサンフランシスコで『トゥーランドット』を振った時─ちょうど出演者はパヴァロッティとカヴァリエでしたが─私はそれを観ています。また聴けるのがとても嬉しいですし、リッカルドを通してイタリアオペラに新しい光がもたらされることは、言葉では表現しきれない喜びです。

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チェチーリア・シャイー Cecilia Chailly

ハープ奏者、作曲家。1960年ミラノ生まれ。父は音楽学者で作曲家のルチアーノ・シャイー。世界的に活躍する指揮者リッカルド・シャイーを兄に持つ。6歳から音楽の勉強を始め、ミラノ音楽院でハープと作曲を学ぶ。ハープを始めたきっかけは「母に勧められ、いつものように反発することもできたが、弦を弾いてみたら心と体にピンとくるものがあった」。19歳にしてミラノ・スカラ座のオーケストラピットで演奏。その後、アコースティックハープとエレクトリックハープを用い、クラシックをベースにブルースやジャズ、民族音楽の要素を積極的に取り入れた独自の音楽活動を展開している。1992年にイタリアで、作曲家ルドヴィコ・エイナウディとの共作アルバム『Stanze』を発表。ジュゼッペ・ピッチオーニ監督の映画『もう一つの世界』では収録曲が使われている。デッカが『Stanze』の音源の権利を得て、日本国内では2014年10月ユニバーサルミュージック合同会社よりメジャー発売された。

公式

https://ceciliachailly.wordpress.com/

 

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写真撮影:秋山泰彦

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