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2017年10月26日 12:58

4年ぶりの再演舞台『ムサシ』溝端淳平インタビュー!「蜷川さんは俳優人生を大きく変えてくれた人」<後編>

取材:記事・写真/RanRanEntertainment

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【小次郎が可哀想で泣けてくる】

――溝端さん演じる佐々木小次郎はどんな性格だと分析されていますか?

見たままの、まっすぐで律義で頭が固くて努力家で、執念がものすごく強い人間。それゆえに損をして、武蔵に翻弄されて……。武蔵と出会わなければ剣術の達人として、もっと幸せな成功した人生が待っていたかもしれないのに。武蔵に敗れたことに固執したから、堕ちていくというか。哀愁もあって、そこが小次郎のかわいらしいところでもある。とっても人間らしい人だと思います。「野犬のように」と蜷川さんは仰っていましたが、本当に貪欲な役だと思いますよ、ずっと武蔵だけを追いかけて……。泣けてきますもん小次郎は。可哀想ですよ!

「傷の療治に一千日、体と技の鍛え直しにまた一千日。そして、おぬしの居所探しに二百日。二千二百日、武蔵のことだけを……」と、ずっと6年間生きてきて、やっと出会ったら戦わない(笑)。挙句の果てには五人六脚させられ、口喧嘩では負けるし。小次郎は真面目だから、決闘で何時間過ぎても待っているのに。「日光で頭のてっぺんを炙られる辛さ。湿った潮風に冷えていく右肩への心配り……そして、これらを抑え込んで平常心を保つことの難しさ」と、足を括られながら剣の達人であった小次郎が武蔵と口喧嘩するわけですから、それは滑稽で面白いですよね。でも、本当にガチで闘ったら、小次郎の方が強いだろうと思っています。一方の武蔵は狙って遅刻したわけですから策略家ですよ。その天下無双の宮本武蔵が結構、“計算高くてこずるい”っていうところがまた面白いですよね。

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――この『ムサシ』を通じて成長したことはどのようなことだと思われますか?

自分ではわからないですね。逆にそれは僕が聞きたいことで。自分では成長なんて……この作品に関しては、もしかしたら衰退している可能性も無きにしもあらず、ですから。何も考えずにまっさらで挑んだ時の小次郎の方がよかったという人もいるでしょうし。その経験が活きるかどうかというのも、蓋を開けてみないことにはわからない。蜷川さんのシェイクスピアもやれて、寺山修司さん(『レミング~世界の涯まで連れてって~』2015年)もやれて、『ムサシ』の海外公演もやり終えて。今回は偶然にも武蔵の実年齢と小次郎の実年齢が僕たちとほぼ一緒なので(藤原:35歳、溝端:来年29歳)ちょっとその辺りも“ご縁”なのかなと思って、それを力に変えてがんばりたいなと思いますね。

――最後に『ムサシ』の再演を楽しみにしているファンのみなさんにメッセージをお願いします。

蜷川さんと井上ひさしさんが残してくださったすばらしい作品であることは間違いないですし、海外でこれだけ評価されて呼んでいただける作品でもあります。蜷川さんの三回忌ということで、蜷川さんと縁が深い方たちが集結していますので、これまで蜷川さんの作品に魅了された方はもちろん、まだ観られていない方にも観ていただきたいと思います。

客観的な言い方をすると、蜷川さんが一から育てた竜也くんもいますし、芸術監督のバトンを受けた(彩の国シェイクスピア・シリーズ2代目芸術監督に就任)鋼太郎さんもいらっしゃいますから、これは観るべき作品だと思いますので、若い方にもぜひ観てほしいです!

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■公演情報
『ムサシ』

2018年2月11日(日)~2月25日(日)東京・ Bunkamura シアターコクーン
2018年3月3日(土)~3月11日(日)埼玉・ 彩の国さいたま芸術劇場 大ホール
ほか大阪・上海にて上演予定。

作:井上ひさし(吉川英治「宮本武蔵」より)
演出:蜷川幸雄
音楽:宮川彬良
出演:藤原竜也、溝端淳平、鈴木杏、六平直政、吉田鋼太郎、白石加代子
大石継太、塚本幸男、飯田邦博、堀文明、井面猛志

公式サイト:http://hpot.jp/stage/musashi2018

■プロフィール
溝端淳平(みぞばた・じゅんぺい)

1989年6月14日生まれ。和歌山県出身。
2006年度JUNONスーパーボーイ・コンテストグランプリ受賞。JUNONボーイ史上最多の40社の芸能事務所がオファーし、歴代最多記録となった。主な出演作品は、日本テレビ『誰だって波瀾爆笑』『35歳の高校生』、フジテレビ『BOSS』『失恋ショコラティエ』、TBS『新参者』、テレビ朝日『都市伝説の女』シリーズ、NHK-BS『立花登青春手控え』シリーズ、映画『破裏拳ポリマー』『祈りの幕が下りる時』CM『明星食品「一平ちゃん」』『洋服の青山』※カットほか多数。舞台では、『ヴェローナの二紳士』(2015年)、『レミング~世界の涯まで連れてって~』(2015年)。『るつぼ』(2016年)、『ミッドナイト・イン・バリ~史上最悪の結婚前夜~』、『管理人』(2017年)。

ヘアメイク菅野綾香(ENISHI) スタイリスト黒田領(ViVid)

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