トップ > PICK UP > 【前編】市村正親インタビュー!主演ミュージカル『生きる』 「役を生きられるというのは興奮します。2018年の初演以上に新鮮な気持ちでやれると思っています。」

2020年9月4日 21:56

【前編】市村正親インタビュー!主演ミュージカル『生きる』 「役を生きられるというのは興奮します。2018年の初演以上に新鮮な気持ちでやれると思っています。」

取材:記事・写真/RanRanEntertainment

市村正親、鹿賀丈史Wキャストで2018年に上演されたミュージカル『生きる』が2020109日(金)日生劇場を皮切りに全国5か所で再演される。原作は黒澤明監督の映画『生きる』。黒澤映画初のミュージカル化で話題になった初演からブラッシュアップし、再び市村正親、鹿賀丈史がWキャストで挑む。演出は宮本亞門、作曲・編曲はグラミー賞受賞のジェイソン・ハウランドが担当する。主演、渡辺勘治を演じる市村正親に上演に向けての思いと、コロナ禍での生活について聞いた。

0041s

――『生きる』という作品を今のこのコロナの時代に再演することについてどう捉えていらっしゃいますか?

(演出の宮本)亞門ちゃんがこういう時期だからこそというメッセージをどこかで書いているのですが、僕自身がそれを発見するのは稽古をして、渡辺勘治を演じていく中で何か見つかっていくと思っています。今の状況では、人に会えない、肌も触れ合えない、唾も飛ばし合えない。人というのは(※手振りで)支え合っているから人というのであって、これが今離れている、これは斜めの二つの線でしかないんですよね。だから、この中で、果たして何が生まれるんだろう?と思っています。稽古をしながらでないとわからないですね。

0032s

――2018年の初演の時に黒澤明監督の映画『生きる』をミュージカル化することについてはどう思われましたか?

これは、ミュージカルになると思いました。僕は、『スウィーニー・トッド』『キャバレー』『オペラ座の怪人』、ベトナム戦争までミュージカルとして演じているわけです。ハロルド・プリンス(※ブロード・ウェイミュージカル演出家)は普通のミュージカルをやらないで、ちょっと変なものをミュージカルにするんです。『蜘蛛女のキス』とかね。そういうものを僕はやっているので、これ(『生きる』)はミュージカルにできるなと思いました。

特に思ったのが、渡辺勘治がお金の使い方を教えてくれと言って、小説家に連れられて、夜の街に行く、あの辺りなどは完全にミュージカルになると思いました。

踊りがあり、酔いどれたちがいて、娼婦がいる。ただ、市役所をああいう風に動かしてやるというのは亞門ちゃんの演出の良さですね。僕が苦しんだのは、胃がんでこれからこの世を去らざるを得ない男があんなに高い声で歌うのかなと思ったことです。僕は気持ちが入らないと歌えないので稽古を始めた当初は歌えなかったですね。そのあと亞門ちゃんとも話してだんだんと気持ちが入っていきました。

――病気だけどあんなに大きい声で歌えるということが消化できたのですね

そうですね。お客さんはみんなびっくりします。主役が一幕最後まで歌わないっていうのはなかなかないと思います。

0035s

――Wキャストということで意識したことはありましたか?

(鹿賀)丈史は市民課長というより重役っぽい感じですよね?

――(笑)

外見でいうと僕の方が課長っぽいでしょ。うだつの上がらない。丈史は若い時から歌がうまいから、丈史の芝居を見て、僕は盗めるところは盗んでいますよ。なるほどな、あっちの方がいいな、とかね。

――鹿賀さんと今回もWキャストですね。

そう。だから楽だよね。半分でいいんだから(笑)

――主人公渡辺勘治は胃がんになって今までの自分の人生を振り返るわけですが、市村さんご自身は人生を振り返った瞬間はありましたか?

時々振り返りますよ。つい、2、3日前も友達とカウンターの店で、子どもの頃の話をしました。昭和の時代ってやっぱり良かったよなとかね。いつに戻りたいかといえば小学生の頃に戻りたい。そういう感じに人生を振り返るぐらいです。『生きる』の渡辺勘治は今までの人生が何の目的もなく、只々一日が過ぎていた自分を振り返っていましたけど、僕の場合は子どものころから演劇、付き人、いつもキラキラしていたような気がするので、渡辺勘治とは真逆のけっこう輝かしい過去ですね(笑)

0013s

――演じるのに難しいところがあったのではないでしょうか?

真逆にもっていくために、キラキラ感を出さないようにしました。朝、レッスンしたり、ヨガをして、疲れさせて劇場に入っていました。

――今回、2018年の初演からブラッシュアップされるのでしょうか?

亞門ちゃん(演出家)が癌を経験しましたからね。僕ら演者は主観でみる、演じるけれども、演出家は俯瞰で見るから、俯瞰で見た形でブラッシュアップすると思うんです。いろいろなことを足したり、削ったりすると思います。稽古場に行くのが楽しみです。

0007s

インタビュー後編~ https://ranran-entame.com/wp-ranranentame/ranran/68926.html

 ■ミュージカル『生きる』
原作:黒澤明監督作品『生きる』
作曲・編曲:ジェイソン・ハウランド
脚本・歌詞:高橋知伽江
演出:宮本亞門
出演:市村正親 鹿賀丈史
村井良大 新納慎也 小西遼生 May’n 唯月ふうか 山西 惇
企画制作:ホリプロ
公式サイト http://www.ikiru-musical.com/

【東京公演】
日程:2020年10月9日(金)~10月28日(水)
会場:日生劇場
主催:ホリプロ TBS 東宝 WOWOW 

【富山公演】
日程:2020年11月2日(月)、3日(火祝)
会場:オーバードホール
主催:チューリップテレビ/イッセイプランニング

【兵庫公演】
日程:2020年11月13日(金)、14日(土)
会場:兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール
主催:梅田芸術劇場・兵庫県/ 兵庫県立芸術文化センター

【福岡公演】
日程:2020年11月21(土)、22日(日)
会場:久留米シティプラザ ザ・グランドホール
主催:博多座/RKB毎日放送

【名古屋公演】
日程:2020年11月28日(土)~30日(月)
会場:御園座
主催:御園座/中日新聞社

■第44回 ホリプロタレントスカウトキャラバン「未来のキング&クイーンを探せ!ミュージカル次世代スターオーディション」
【エントリー期間】
2020年9月1日(火)10時00分~9月30日(水)23時59分

公式サイト https://www.horipro.co.jp/tsc2020/

 

 

トップ > PICK UP > 【前編】市村正親インタビュー!主演ミュージカル『生きる』 「役を生きられるというのは興奮します。2018年の初演以上に新鮮な気持ちでやれると思っています。」

Pick Up(特集)

error: コンテンツのコピーは禁止されています