【後編】市村正親インタビュー!主演ミュージカル『生きる』 「役を生きられるというのは興奮します。2018年の初演以上に新鮮な気持ちでやれると思っています。」

2020/9/4 22:21

取材:記事・写真/RanRanEntertainment

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――いくつかの舞台が再開されていますが、ご覧になった舞台はありますか?

三谷(幸喜)さんの『大地』と『ショーガール』を観ました。あと、(鈴木)杏ちゃんの一人芝居。あれを観た時に、やっぱり生はいいな、生の劇場はいいなと思いました。このあいだ帝劇ミュージカルコンサート(『THE MUSICAL CONCERT at IMPERIAL THEATRE』)に1日だけゲストで出たのですが、その翌日ふっと鏡を見たたときに、人に見られたから視線という栄養素をもらったんですね。何かピリッとしていたんです。やっぱり人様の前で何かやって見てもらうことでやはり役者なんだと実感しましたね。

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――市村さんが役者の道に行くと決められたのは何歳ぐらいの時ですか?

18歳の時です。劇団民芸の『オットーと呼ばれる日本人』という木下順二さんのお芝居を大手町の日経ホールで観たときに、たかだか2.3時間であんなに激しい人生が生きられる俳優の仕事っていいなと思ったんです。芝居の中で激しい人生を生きたい…その気持ちはいまだに変わっていないです。こんなに合っている職業はないと思っています。

――いろいろな人の激しい人生を演じているわけですね。疲れませんか?

それが好きなんです。よく、そんなにいつも動いていられますねと言われますが、死んだら動けないのだから、それまでは動きますよ。

劇団四季にいたころは、誰も使わない稽古場がずっとあるので、一人で稽古していましたね。四季を辞めた後は稽古場がなかったから辛かったです。『ミス・サイゴン』のオーディションの歌のレッスンはカラオケで練習りしていました。幸せな時期もあれば、不幸な時期もある。不幸な時期があったから幸せがまた倍増する。今、コロナ禍で、できないことがたくさんあるけれど、できるようになった日にはパワーを出せるように動き続けなくてはいけないなと思っています。

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――9月からはお稽古が始まりますね。

はい。台本がを確認するのはこれからです。僕、覚える作業が好きなんです。蜷川(幸雄)さんの『ハムレット』とか『リチャード三世』『NINAGAWA・マクベス』でも最後の1ページを覚えるのが嫌で。全部覚えちゃった…ってなるから(笑)それぐらい好きなんです。

稽古が始まって、お客さんの前に立つ日が待ち遠しいですね。役者って、役を演じているから役者であって、役がないときはただの者なんです。だからこれから役を生きられるというのは興奮すると思うな。きっと2018年の初演以上に新鮮な気持ちでやれるのではないかなと思っています。

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――ところで、今年は「ホリプロタレントスカウトキャラバン」のスペシャルアンバサダーを務められるそうですね。これからミュージカルを目指す若い世代に向けて何かメッセージがありましたらお願いします。

若い世代にも、夢を持っている、踊りが好きな子、歌の好きな子、がいっぱいいますからね。『ビリー・エリオット』などを見ていると才能と努力とひたむきさと、あの時期にしか持っていない輝きを感じます。そういう子たちを見られるということは逆に我々の世代からすると喜びです。

演劇、ミュージカルをやるような子はどこかで目立ちたがりな精神もあるでしょうし、いろいろな欲と戦いながら、この十代を過ごしていくのだろうと思うのですが、でもそれが人間だと思う。この世界を目指す人というのはきれい事だけじゃなく、なんだかんだ言って、自分よりいい役やっている人をみたら表には出さなくても「ちくしょう」って思うかもしれない。蜷川さんに言わせると、多少の嫉妬は持たないとダメなんです。僕が若かった頃には、浅利(慶太)さんとか蜷川さんにたくさん教わりました。甘いことは言いませんが、お芝居が好きな人、興味がある人にはぜひ応募していただきたいですね。

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――いろいろな若い人たちを見ていて「この子はいくだろうな」という何かポイントはありますか?

昔、『スクルージ』をやっている時に子役がいっぱい出ていたのだけど、その中の一人で、僕への見方が挑戦的というかな、子どもが主役の人を見る目ではなく、ちょっと犬が戦う相手を見つけた目で見ていた子がいました。

それが、森山未來。その時他の子にはないものが何かありましたね。僕は、「ミス・サイゴン」「スクルージ」など子役さんとの出会いが多いのんですけど、そういう子は稀です。

――最後になりましたが、ミュージカル『生きる』をご覧になる皆さまに向けてメッセ―ジをお願いいたします。

この時期にいよいよやる劇場で演じることができます。お客様もは半分しか入れないけれども、その空いた席を埋めるぐらいの深い芝居、深い人生を演じたいと思うので、劇場で「生きる力」を与えられたらいいなと思っています。

――ありがとうございました。

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インタビュー前編~ http://ranran-entame.com/ranran/68900.html

◇ストーリー
主人公、渡辺勘治(市村正親/鹿賀丈史)。早くに妻を亡くし、息子夫婦と同居している。繰り返しの日々をただ過ごす、定年を間近にした役所の市民課長だ。そんなある日、渡辺は自らが胃がんであり、余命が長くないことを知る。振り返るとそこにあるのは、意味あることを何ひとつ成し遂げていない人生。これからでも、何かできることがあるのだろうか・・。「二度目の誕生日」から、渡辺は新たな人生を歩みだす・・。


■ミュージカル『生きる』
原作:黒澤明監督作品『生きる』
作曲・編曲:ジェイソン・ハウランド
脚本・歌詞:高橋知伽江
演出:宮本亞門
出演:市村正親 鹿賀丈史
村井良大 新納慎也 小西遼生 May’n 唯月ふうか 山西 惇
企画制作:ホリプロ
公式サイト http://www.ikiru-musical.com/


【東京公演】
日程:2020年10月9日(金)~10月28日(水)
会場:日生劇場
主催:ホリプロ TBS 東宝 WOWOW
【富山公演】
日程:2020年11月2日(月)、3日(火祝)
会場:オーバードホール
主催:チューリップテレビ/イッセイプランニング
【兵庫公演】
日程:2020年11月13日(金)、14日(土)
会場:兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール
主催:梅田芸術劇場・兵庫県/ 兵庫県立芸術文化センター
【福岡公演】
日程:2020年11月21(土)、22日(日)
会場:久留米シティプラザ ザ・グランドホール
主催:博多座/RKB毎日放送
【名古屋公演】
日程:2020年11月28日(土)~30日(月)
会場:御園座
主催:御園座/中日新聞社


■第44回 ホリプロタレントスカウトキャラバン「未来のキング&クイーンを探せ!ミュージカル次世代スターオーディション」
【エントリー期間】
2020年9月1日(火)10時00分~9月30日(水)23時59分


公式サイトhttps://www.horipro.co.jp/tsc2020/

(文:高橋美帆/写真:篭原和也)

 

 

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