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2021年2月24日 17:00

【前編】水田航生 インタビュー! ミュージカル『GHOST』でカール役に!「喜びと罪悪感の間で揺れ動くカールを大事に表現したい」

取材:記事・写真/RanRanEntertainment


ミュージカル『GHOST』が2021年3月5日(金)に東京・シアタークリエで開幕する。本作は、1990年公開の映画『ゴースト/ニューヨークの幻』のミュージカル版で、日本では2018年に初演され、約2年半ぶりの再演となる。日本版演出は『ミス・サイゴン』などで知られるダレン・ヤップ。主人公サムは初演に引き続き浦井健治、ヒロインのモリーは初演に続き咲妃みゆと今回初出演の桜井玲香のWキャスト。霊媒師オダ・メイ役は初演に続き森公美子、そしてサムの親友カール役には今回初出演の水田航生が演ずる。水田航生に本作への思いや稽古場の様子を聞いた。

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――出演が決まった時の感想からお聞かせください

『GHOST』は幼少時代、映画(『ゴースト/ニューヨークの幻』)を観ていたことと、たまたまブロードウェイと韓国で観劇していたこともあったので縁を感じました。この役をやらせて頂き、とても光栄です。

――2018年の初演の舞台はご覧になったのですか?

舞台は観ることができなかったのですが、映像を観ました。

――作品についてはどのような感想を持たれていましたか?

エンターテインメントがとても組み込まれているという印象が強いです。ファンタジー、ラブコメ、サスペンス要素があったりと一本でいろいろな感情を味わえる作品だなと思っています。

 

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――今回演じるカールについてはどのように思っていらっしゃいますか?

一番の悪役ですが、ただの悪役としてではなく、ある意味とても人間味があると思います。人を妬む気持ちや、何か人が持っているものを奪いたいという思いなど、とても野心が強い男として描かれていると思うので、そういうカールを作っていきたいと思っています。

――カールは親友であるサムを裏切るのですよね?

結果、裏切ってしまうことになるのですが。こうなりたいと思う野心を抱いたばかりに、どんどん悪い方向にいってしまう。ある意味すごく哀れな男だなと捉えていますし、もしかしたら方法さえ違えば上り詰めていくような男なのに、可哀そうだなと思いますね。

 

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――水田さんご自身は、ライバル心、妬む、といった感情を抱いたことはありますか?

もう常に思っています。テレビをつけて、同世代の役者が出ているだけで思うこともありますし、舞台、芝居に行って「すごくいい芝居だった、面白かった」という観客目線プラス、自分も出る側として、僕があそこにいなかったのは何でだろうとか、果たして僕はあれぐらい素晴らしい芝居ができるのだろうか?という憧れもあり、そこに嫉妬も抱きますね。とにかくそういうことを考えると、カールが妬む心というのは誰しもが持っているのだから、とても人間味のある、ごく当たり前の感情なのかもしれないです。

 

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――ブロードウェイや韓国でご覧になった『GHOST』はいかがでしたか?

最先端の技術を見せつけられた感じでした。

――日本版はストーリーを大事にした演出とお聞きしましたが?

とても演劇的といいますか、技巧に頼らない分、役者それぞれのマンパワーが出てくるのが日本版だと思います。だからそこはすごくリアルに考えてやり取りをしていかないと『GHOST』の素晴らしさは届かないと思うので、キャラクターそれぞれが持っている感情の根底や、そこで渦巻く物語のドライブ感をすごく気をつけています。

 

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――再演からのご出演ですが、その難しさは感じていらっしゃいますか?

今までも再演から入ることがあったのですが、今までよりも、とてもすんなりと入れた気がしています。それは初演から作ってくれているフォーマットがある中で、再演から入る僕たちの言葉をすごく聞いてくださっているからかもしれません。風通しが良くて、例えそれが初演でやってきたこととは違うことであろうが、「1回やってみよう」とか、「その方法もいいね」とか、意見を聞いてくださる環境です。

 

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――実際に水田さんのアイディアを取り入れてくださった場面もあったのですか?

そうですね。僕が今までやっていなかった分、新鮮な意見で、取り入れてくだった場面もありました。気づいたことは臆せずにぶつけるようにしていますね。サムとカールでいうと前回の平間壮一君がやっていたカールは兄弟、お兄ちゃんと弟のような関係で、僕がやると同等の、向こうのbrother(兄弟)、bro(仲間)、buddy(相棒)、みたいな関係性になっているのは初演とは違う部分かもしれません。設定が、ニューヨークのウォールストリートに働く30代前半ぐらいで、僕の中では日本でいう先輩、後輩というよりも、一緒に切磋琢磨していく中でのギラギラ感を一番念頭においてやっていたので、それをたぶん浦井(健治)さんも感じていただいたのだと思います。演出家からも、航生のカールもすごく素敵なので、新たな2021年バージョンのカールを作っていって欲しいと言われています。

 

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――サムとモリー、愛するが故にサムが“GHOST”になるわけですが、そんな二人の関係はどのように思われますか?

カールは一番近い所で、二人の愛、繋がりを観ていたであろう人間なので、それが微笑ましくもあり、もしかしたらそれを奪ってしまったという罪悪感は深いと思うんです。かけがいのない二人の時間であり、大きい愛だったと思いますね。

――カールの罪悪感を表現するのですね?

そうですね。一幕の最後のナンバーではそれが一番濃く出ますね。それぞれが三人三様で、思いを歌っているシーンで、カールは罪悪感に苛まれています。お金を盗んでしまうことがうまくいきそうな喜びと、サムという親友を自分の手で失ってしまった、亡くしてしまった罪悪感の間で揺れ動くというのは一番大事に表現していきたいと思います。

 

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後編~ https://ranran-entame.com/wp-ranranentame/ranran/73252.html

 

ミュージカル『GHOST』
脚 本・歌 詞:ブルース・ジョエル・ルービン
音 楽・歌 詞:デイヴ・スチュワート&グレン・バラード
演 出:ダレン・ヤップ
翻 訳:寺﨑秀臣
訳 詞:高橋知伽江
出 演:浦井健治、咲妃みゆ/桜井玲香(Wキャスト)、水田航生、森公美子ほか
製 作:東宝/WOWOW
東京公演:3月5日(金)~3月23日(火) 日比谷シアタークリエ
愛知公演:4月4日(日)  愛知県芸術劇場大ホール
大阪公演:4月9日(金)~4月11日(日) 新歌舞伎座

公式サイト https://www.tohostage.com/ghost/

【ストーリー】
温厚で誠実な銀行員のサム(浦井健治)は、芸術家である最愛の恋人モリー(咲妃みゆ/桜井玲香)と幸せな日々を送っていた。ある夜、外出先から家路を辿る道中にモリーは「あなたと結婚したい」とサムに打ち明ける。これまで彼女が避けていた突然の結婚の話に戸惑いを隠せないサム。そんな彼にモリーは「愛してる?」と問いかけてもいつも曖昧に答え、なぜきちんと言葉にして伝えてくれないのか不安な気持ちをぶつける。

―――その時、暗がりから一人の暴漢が二人に襲いかかる。サムは男と揉み合いになり、動転し狼狽するモリーの声が響き渡るなか、一発の銃声が夜の路地を引き裂いた。必死の追送も敢え無く、闇の中へ消え行く男の姿を見やったサムがモリーの元へ戻ると、そこには彼の名前を呼び続け縋り泣くモリーと、血だまりに沈む自分の姿があった―――

 

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