取材:記事・写真/RanRanEntertainment
――プライベートでも仲が良いということですが、お二人の思い出エピソードを教えてください。
山本:えーなんだろう。
橋本:最近、ずっと一緒にいたもんね(笑)。
山本:僕は、指輪かな…。僕があるデパートで期間限定で出店していたお店で指輪を買ったんですよ。それで、真一にいいだろうって見せたら、真一がお揃いの指輪を買いに行ったことがありました。
橋本:僕も純粋にいいな、欲しいなと思ったんです。僕は、もうエピソードが色々ありますが…共演していたとき、毎日一緒に稽古場から帰って、いろいろな話をしたのは全て良い思い出ですね。それから、誕生日プレゼントをもらったこと! すごく嬉しかったんです。役者仲間内で、プレゼントをもらったり、あげたりということはよくあることなんですが、お互いのためにもラフなものを選ぶようにしているんですよ。でも、一慶はちゃんとしたプレゼントをくれた(笑)。(『メサイア』では)とても関係性が深い役だったのですが、一慶は考えていることをあまり表に出さないので、2人の役柄としての関係性や、橋本と山本としての関係性についてどう思っているのか分からなかったんです。でも、その時にちゃんと気にしてくれているんだなぁと分かって。
山本:あははは。
――橋本さんは、気にかけているということを分かりやすく示すタイプなんですか?
橋本:どちらかというと分かりやすいタイプかなと。言葉にもしている方かなと思います。でも、一慶は一見クールな人なので、当初はまだ分からない時もあって…。(プレゼントをもらったことで)気にかけてくれているんだなというのが分かったタイミングだったので、嬉しかったです。
――ちなみにそのプレゼントって何だったんですか?
橋本:今日つけて来ちゃった(笑)。このブレスレットです。恥ずかしいな(笑)。
山本:恥ずかしいよ(笑)。今日、僕がつけている指輪と同じブランドで、僕が好きなブランドなんです。だから、真一にも買ってあげようと思って。
――仲の良さを感じるエピソードありがとうございました! では、エレン役の井上希美さんの印象も教えてください。
山本:凛としていて、クールな印象を持っていたのですが、お会いしたらすごく愛想良く、笑顔で気さくに話してくれて安心しました。
橋本:うん、とても接しやすい方だと感じました。僕は歌稽古で一緒だった時に、少しお話をさせていただいて、同じ関西人だということが分かり、緊張も溶けました。関西弁で話したことで近づけた感がありましたね。
――まずは本作の公演がありますが、その後も、5月19日からは山本さんが演出を担当し、橋本さんもご出演される舞台『夏の夜の夢』も控えています。2021年は、どのような1年にしたいと考えていますか?
山本:演出にはずっと挑戦してみたいと思っていたので、それももちろん頑張りたいと思っています。それから、昨年は、新型コロナで舞台業界も大打撃を受けたことでいろいろなことを考えました。まずは、打撃の中でも、こうしてお芝居ができているということに感謝しなければならないと思っています。観たいという気持ちを持って足を運んでくださるお客さまがこんなにいることを改めて理解しましたし、もちろん、観に来たくても来られない事情がある方もいて、そうした全ての方の支えがあってこそ、舞台が成り立つということを感じました。演劇は、人生観が変わるほど大きな力を持ったものだと改めて昨年感じたので、1公演1公演を大切に、お客さまに想いを届けていきたいと思います。演劇は、古代からずっとあるもので、きっとこれからも続いていくものだと思います。昨年感じたたくさんの想いを自分の心に留めながら、この1年を大切に過ごしたいと思っています。
橋本:僕も同じように、新型コロナによって、いろいろなことを考えさせられました。演劇やエンタメは不要不急なんじゃないかと議論も起きましたが、僕は「不急だったかもしれないけど、不要かどうかは人によるもの」だと感じました。僕ら俳優にとっては、確実に必要なものですし、だからこそ芝居ができなかった時期には自分が何者か分からなくなることもありました。演劇の意味もすごく考えました。お客さんの中にも、きっと演劇を必要としてくれる人がたくさんいると思います。今、こうしてまた演劇が少しずつできるようになってきた中で、僕自身もお芝居ができることを当たり前だと思うのではなく、幸せに感じ、一つひとつの作品、役、公演に誠実に向き合っていきたいと思っています。
――改めて、作品の見どころや意気込みをお願いします。
山本:歌あり、ダンスありの3人芝居です。お客さんを笑わせてハッピーな気持ちにすることができる作品になると思います。僕たち自身も楽しんでこの作品に取り組み、素敵な時間を過ごしたいと思います。今、笑いたい。楽しみたい。ちょっと落ち込んでいる。ハッピーな気持ちになりたい。そんな時に、数時間だけでも全てを忘れて、素敵な気持ちにさせてあげたいと思って、僕たちは全力で取り組みます。ぜひ劇場に足を運んでいただけたらと思います。
橋本:ミュージカル・コメディーと銘打ったこの作品は、心も手ぶらで、何も考えずに楽しめます。「心手ぶら」で来てもらって、「心手ぶら」で観てもらって。
山本:「心手ぶら」ってめちゃめちゃ言うね(笑)。
橋本:「心手ぶら」をテーマにしようかなと思って(笑)。それで、演劇って本当にいいな、楽しかったなと思ってもらえたら、それだけでいいと思っています。ぜひ、「心手ぶら」で観に来てください。
前編~https://ranran-entame.com/wp-ranranentame/other/74106.html
ミュージカル・コメディ『ラヴ』
2021年3月24日(水)~28日(日)
六行会ホール
文:嶋田真己/写真・篭原和也