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2021年6月25日 17:00

【前編】富田靖子・松下洸平出演 こまつ座『母と暮せば』再演!富田靖子インタビュー! 一人の親として、一人の女優として、やり続けたい作品です

取材:記事・写真/RanRanEntertainment

富田靖子・松下洸平出演の舞台『母と暮せば』が2021年7月3日(土)東京・紀伊國屋ホールを皮切りに九州、神奈川で上演される。本作は、井上ひさしが生涯を掛けて取り組んだ「ヒロシマ」「オキナワ」「ナガサキ」を題材にした、こまつ座「戦後”命”の三部作」の第三作である。第二作構想途中で亡くなった井上の遺志を継ぎ、2015年に山田洋次監督が映画『母と暮せば』に結実させ、2018年、栗山民也演出で舞台化が実現した。三年ぶりとなる再演を前に、初演に続き母・伸子を演じる富田靖子に作品への思いを聞いた。

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――再演をお聞きになった時の率直な感想からお聞きしたいのですが?

率直にすごく嬉しかったです。再演が決まったのは三年前の東京公演の最中で、この公演が良かったよって言ってもらえているようで、すごく嬉しかったです。でも、一週間ぐらいすると、喜んで本当に大丈夫?三年後にやりきることできる?ってその後にちょっとだけ不安になりました。

 ――その時点で、松下洸平さん(息子・浩二役)との再共演も決まっていたのですか?

はい。お互いの事務所にはその時点ではまだ言ってなかったのですが、演出家の栗山さんと、こまつ座の井上麻矢社長と、松下さんと私の中では決まっていたので、自ずと会社の皆さんも「やろうね」という風になったのではないかなと思います。

030s


――この作品は、こまつ座の「戦後“命”の三部作」の第三作となるわけですが、初演の時にはどのようなことを意識されましたか?

初演当時は、一番気持ちの中で大きかったのは山田洋次監督が撮られた『母と暮せば』の映画作品です。吉永小百合さんがやられた役を自分がやらせていただくということと、長崎の原爆投下のお話であるということはすごく大きかったです。舞台と映画では結末が違うんですけど、いくら終わりが違うといってもやはり映画の大きさ、重圧と言ってもいいかもしれませんが、あの時はとても自分の中では大きい存在でした。もちろん台詞の中に出てくる町子や上海のおじさんとかいろいろなメンバーが映画の中にいたので、その人たちを見て思い描いたり、大きな助けにもなりましたけど、映画と肩を並べるぐらいの作品にできるのだろうかと不安は常に付きまとっていました。

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――初演は、富田さんにとって7年ぶりの舞台だったそうですが、どんなことが印象に残っていらっしゃいますか?

映画の作品を舞台にするということで大きな重圧もありましたが、すごく作品に集中できました。自分があまり舞台に経験値がないということもあって、正面から向かって、逃げることなく、“どんと来い!”といった感じで、作品に集中できたのがすごく大きかったです。松下さんにもいっぱい甘えましたし、栗山さんの「こうやってください」というオーダーに答えることができないこともいっぱいありましたけど、すごく楽しかったですし、すごく集中できた稽古期間でした。

044s


――栗山さんに言われたことで覚えていらっしゃることはありますか?

私と松下さんに「お客さまを気にすることは、今回は止めましょう」と言われたんです。「窓の外から、お客さんたちがそっと見ているような空間作りをしたいから、二人はお客さんを意識することなく芝居をして欲しい」と言われたことはとても印象に残っています。その後、松下さんと演助(演出助手)の坪井さんに残っていただいて、それはどういうことなのか、説明して欲しいとお願いしました。イメージはできるけど、声のボリュームはどこまでにしたらいいのか、普通の生活レベルの声のトーンにしていいのか、栗山さんがおっしゃったことを具体的にどうアクションしたらいいのか、お二人に尋ねた時間のことを思い出します。ギリギリまで声のボリュームを落としてみたり、そのオーダーに関してはすごく自分の中では試行錯誤しました。

071s


――作品のテーマは、長崎の原爆という、厳しいものですが、そこにはどのようにアプローチしようと思われましたか?

映画の中では、何か瓶みたいなものが溶けていくとことで原爆の恐ろしさを伝えていったように記憶しています。私たちの舞台では、息子の松下さんが原爆に遭った時のことを体で表現してくれています。私の隣りにいて、それを感じることでした。それを皆さんがどういう風に受け止めてくださるか、爆弾が投下されるというのはこういうことだと、体感してくださる方もいらっしゃるでしょうし、反応は様々だとは思いますが、舞台ではそういう風に表現しています。

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――初演の前の会見を拝見しましたが、すごく息子愛を語っていらっしゃる姿が印象的でした。「息子に会えて良かった」とおっしゃっていましたね。

私がいっぱいいっぱいになっている状態でも、私が考え事をしている時でも、変わることなく、ずっとそばにいてくれたことがすごく嬉しかったです。稽古が終わった後にもいろいろと相談に乗ってくれ、そういう存在がすごく有難かったです。誰にでもできるわけではないので。

――松下さんは年齢的には?

全然もう、20歳ぐらい年下だと思います。

――本当の息子といってもいい年齢だと思いますが、今伺っていると・・・

先輩です。とても先輩です。「私、ここが分からないけどどう思います?」と、そんな感じで。私の方が年上なので大人のテーブルに座ることもありますけれど、松下さんが演劇の先輩として教えてくださることもありました。自分が、作品に集中できたことの一つは、息子が松下さんだったというのが大きかったと思います。

076s

 

後編~

 こまつ座 第137回公演『母と暮せば』
7月3日(土)~14日(水)
紀伊國屋ホール

原案: 井上ひさし
作: 畑澤聖悟
演出: 栗山民也
協力・監修: 山田洋次
出演:富田靖子 松下洸平
 公式サイト http://www.komatsuza.co.jp/program/

 【あらすじ】
1948年(昭和23年)8月9日、長崎の山の斜面にへばりつくように建てられた一軒家。十字架と遺影が飾られた小さな部屋で、母・伸子は卓袱台を出して配膳をしていた。原爆から以後3年間、長崎医科大学に行ったまま行方不明となってしまった息子・浩二が帰ってくることを諦めつつも祈り、助産婦を続けていた。伸子がいざ食べようとした時、ふいに誰かの気配に気づく。
「だれか、おると?」「僕だよ。」
そこには死んだはずの浩二がいた。驚きながらも喜び涙する伸子、自分はもう死んでいることを告げながらも昔のように笑い話を繰り広げるひととき。
「母さん、ずうっと笑ってなかったとやろ?母さんが笑うと僕も幸せになるとよ。」
しかし、話題は原爆を落とされた日…そして伸子の3年間へと移っていく…。

 

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