
2014年の初演から11年の時を経て、2月20日新宿FACEにて初日を迎える 農業系Rock Musical『いただきます!~歌舞伎町伝説~』の公開稽古&合同取材が2月3日(月) に行われた。
本作は『塚田農場』などの飲食店を運営する米山久の著書『ありきたりじゃない新・外食』を基にしたオリジナル作品で、原作者自身が体感してきた生産者の苦悩や厳しい現実、そして人間ドラマをリアルに描きながらも食のあるべき姿の追求し “食育”をよりパワーアップさせた“食農育”をテーマに笑いあり、涙あり、ロックありで描いたコメディミュージカル。
合同取材には、STARTO社を退社後初舞台となる主演の中山優馬、ヒロインのDream Ami、その他共演の小出恵介、古謝那伊留、シルビア・グラブ、そして演出の林希が出席した。
広夢を演じる中山は「僕の役は、ホストクラブで働いて、界隈ではNo.1になって夢を勝ち取り、その人間が農業に出会ってどんどんその魅力に取り憑かれていく。自分とは違う世界だと思っていたので、馬鹿にしていたところからどんどんのめり込んでいく。結構巻き込まれていく側というか出会っていく側なので、台本に出会ってやっていきたいところが一番楽しみ」と役柄と今の心境を話した。
勝気なシングルマザーを演じるAmiは「私が演じる夏美は元ヤン。普段はそういう感じじゃないんですけど、ちょっとむかついたり、ちょっと気性が荒くなったりとかするとヤンキーの口調になったりするシーンがすごく多く、出ているシーンの8割ぐらいずっと怒鳴っている感じ。どんな感じでドスを効かせたらいいのか、どんな感じで言えばビビらせられるのかとか、普段からそういうことを考えて役作りしています」と話し、「元ヤンじゃねえよ!」とドスに効いたセリフの一部を披露した。
さらに、小出は「伝説の歌舞伎町キング役。ハードルが非常に高めの役ということで、楽しくさせていただいております。僕自身としては初舞台のミュージカルですので、初舞台の気持ちでやって、いろいろ勉強させていただいております」と心境を語った。
シルビアは「田舎のおばちゃん養鶏場をやっていて、スナックのママもやっていて、いかに田舎感を出せるか。頑張ろうと思っています。また方言も喋ってるので大変です」と言って、「びっくりじゃわ~。大変じゃね~」と方言も披露した。
古謝は「僕が演じているのは元ヤンです。自分の人生で一番かけ離れている本ヤンをやるのはすごく大変だった。広夢に憧れている役ということで、普段の関係性からもリスペクトすることがたくさんあったので、その点では役作りしやすかった部分もあるのでは」と真摯に話した。
そして、演出の林は「とにかく温かい作品なので、この空気感を届けて、とにかく何も考えずに心をそのまま素直に受け取ってもらえる作品になれたらいいと思います」と作品をアピールし、「芝居がある程度固まってから、皆さんには『方言でお願いします』と言ったので、『それは一種のパワハラじゃないか』と言われたかもしれない。でも、今は作品を作っている段階で、これから私も出演するという形になるので、そこはみんなで一緒に苦労しながら、作っていきたいと思います」とキャストたちに呼びかけた。
このあと、自身を野菜に例えると?という質問に、中山は「ニンジンです。(優)馬なので」と即答、「あ~」と皆、納得顔。林は「ヤマイモ。ネチネチしてるから」で皆爆笑。古謝が「ジャガイモ」と言うと、「こじゃってる!」と小出。中山が「みんなが一瞬止まって、ポカンとする時間を“こじゃる”と言います」と解説した。さらにシルビア「ミズナス。単に好きだから」、小出「ナガネギ。ナガネギを持って歌うから」、Ami「キュウリ。毎日食べるから」と続き、名答、迷答入り混じったひとときとなった。
改めて、中山は「素敵な隣人たちに囲まれたので、変わらず表現の道で進んでいくだけ。頑張っていきたいです」と自信を覗かせていた。
あらすじ:新宿歌舞伎町のホストクラブ『ムーンサルト』の人気ホスト・ジュンこと手島広夢(中山)は、ホスト生活の不摂生がたたって倒れ、店長に勧められて“伝説の歌舞伎町キング”を訪ねるために宮崎に。そこにいたのは伝説のホストの影もなく、農家として働く、日下部文男(小出)の姿だった。文男の姿に失望し反発しつつも、文男の家に置いてもらう代わりに農業の手伝いをすることになった広夢。ひとりの青年が農業を通して人の温かさや食のありがたみに触れ、新しい価値観を身に付け成長していく姿を描く。
農業系Rock Musical『いただきます!~歌舞伎町伝説~』
東京公演: 2月20日(木)~3月2日(日) 新宿FACE
大阪公演: 3月15日(土)〜16日(日) 大阪国際交流センター大ホール