取材:記事・写真/RanRan Entertainment
ここで収録曲の『Love Hat Trick/作曲:編曲coba』を記者の前で披露!(★その模様はランラン編集部のyou tubeにて動画公開されていますので、是非ご覧下さい!)
こちらから観れます→ http://youtu.be/ii6WPbqR9Vk
《演奏後に再び感想とインタビュー》
―今日はこのように記者の方々の前で演奏なされていかがでしたか、こんなにお客様と近い中での演奏も初めてだと思いますが。―
東儀:なんだか、これはこれで楽しかったです。いつもはありえない(観客との近さ)のですが、一体になりやすい。今日は皆さん(記者なので)お客さんとしてではないのに、見ていると結構お客さんのようなワクワク感がこちらに届いてきました(笑)。そういう気持ちよさが楽しめました。
―こんなに近いところでアコーディオンを聴いていただいてどうでしたか。―
coba:いやー、相当照れました!
東儀:ステージだともっとカッコつけられるじゃないですか。でもなんだか照れちゃって!古澤さん、よくあんなにクルクル回ってましたよね。(と、演奏中にターンしながらヴァイオリンを披露していた古澤に投げかける)
coba:凄い勇気だな~と思って(笑)。
東儀:何も考えていないかの、どっちかなんですよ(笑)。
古澤:そうですか~本当にごめんなさい(笑)。
―選曲については、どのようなアルバムにしたいと考えていらっしゃったのですか。―
東儀:もちろん、全く違うジャンルの楽器がどんな曲でも、それぞれの個性が生きるものです。だからとても静かな曲もあれば、サンバもあり雄大なロック調なものもあります。ジャンルに関係なく楽器の個性は音楽の自由さの中で、どのような方向にも羽ばたくことができるんだということをこの三人なら簡単に証明できる。それは音楽の基本的なところで簡単にひとつになれるし、楽しさを分かち合えるというきっかけが広がっていけば良いと思います。
―作曲のご苦労があったかとは思いますが、古澤さんはいかがでしたか?―
古澤:お二人がお二人らしい曲を出されたので、その手の曲なら全く話にならないだろうし必要もないですしね。僕がたまたま福島の猪苗代にできた「はじまりの美術館」という所のジングルを丁度書いていて、これを皆で弾きたいなと思って『はじまりの風景』という曲にしました。どこか片田舎の美しいのんびりとした自然を感じる音楽にしたいと思い、二人が一緒にやってくれました。
―cobaさんはいかがでしたか?―
coba:そうですね、55才。タイトルに55とありますがちょっとなんだか古い感じもしますし・・レトロでいいなあ~と。なんだか自分が55年生きてきて、まあ人生長いなと思うわけです。勿論、釈迦に説法みたいな方々ばかりだとは思いますが、デビューしたのが20年以上前になりますが、やり続けることも大変ですが、今は皆長生きになっていますよね。若い頃には、やんちゃだった時代があって、何が何でも新しいことをやって目的を達成してやるぞ!みたいな。それは自分の周りに出来ることが少なかった時代で、その後いろいろなことが見えてきて、いろいろと持てるようになりできないことが少なくなってくると、人生危ないなって思うんです。
つまり、あの時の情熱やハングリーな精神が失われ、エスタブリッシュされるという言葉の影には、失うものがとてつもなく大きいのではないかということを思う訳です。でもお二人と同じように誰も聴いたこともないものを、僕も創り続けて発信して皆が驚く顔をみたい!という気持ちがやんちゃなんですよ。若い時代と明らかに違うのは、いろいろなことが見えてきて、人のありがたみや優しさなどや僕らが何で音楽をやるのかが解る訳です。人に喜んでもらいたい、喜んでもらうには僕らには音楽しかない。
それが“3・11(東北地方太平洋沖地震)”の時にいろんなことをやった体験でもあるわけです。今、感謝という言葉が流行っていますよね。若者が感謝とか楽しむという言葉をよく使っていますが、「本当に解れよ!」。まあ、解っている人も多いとは思いますけど。そういうことが解ってきた55歳の時期だからこそ、やっぱり暴れたいという思いがあるんですね。その暴れたい根源は、セックスピストルズと一緒に何度もステージを周ったこともありますが、彼らは若い頃に激しい言葉を放っていましたけれど、今では「俺は息子のために歌う。」なんて言っているんですね。でも、彼らのステージが凄く商売っぽくなっているわけでなく“あ~いいな~!オヤジが汗かいて歌っている”みたいな感じがとても良いわけですよ。夢や希望を信じて生きたいし、更に欲深くなって生きたいと思うんです。10年ほど前、ある番組の進藤兼人監督のインタビューを見た時に大感激しました。監督が「ジジイになったら枯れるものだと思っていたが、今の私は作品を創りたくてギラギラしている。こんなふうになるとは思っていなかった。」というコメントを聞いて、あ~僕も90歳になったらこういうふうになってみたいと思いました(笑)。
―お三人は、とても個性的でいらっしゃいますが、役割分担はありますか。―
古澤:まあ、宴会ですね。一応現場になるべく早く入れる時は入って、打ち上げの会場の下見をします。そしてホテルに戻ったあと時間があるときは街にひとっ走り街に行って、店のターゲットを決める。鼻がわりと効くのですよ。そこは自信を持って!
東儀:僕はエンターテイメントですよ。移動中のバスの中とか宴会がまったりとしたときに何でもできます。プロ並みにマジックが得意だったりするので。(サンタクロースみたいな袋持ってるんですよ、との古澤に突っ込みに対して)あれは、僕の普通のカバンですよ!(笑)
古澤:ドラえもんみたいにね、何でもかんでも袋にいれて持ち歩いているんですよ(笑)。
東儀:だから、カバンだって言ってるでしょう(笑)!自分でも何を入れたか解らないくらい好奇心でいっぱいです。音楽より得意です(笑)。
coba:僕は古澤さんと被りますが、ワインと料理ですよ。食好きがこうじて直ぐそこにイタリア料理店もやっています。(レストラン経営)
―とても55歳とは思えぬ素敵なスタイリッシュなファッションセンスと出で立ちでいらっしゃいますが、コンサートでは衣装などをお互い相談してあわせているのでしょうか。―
東儀:特に相談して合わせることはしてないです。もうアイドルグループじゃないし、何かお揃いでということは考えにくいわけで、自分達の個性や拘りはかなりありますからね。僕も、とてもファッションは好きなので自分が落ち着いてイメージが近寄れるものをそれぞれが考えています。古澤さんも凄く拘りがある方だし、cobaさんもこう見えても(笑)何千枚ものボーダーのちょっとした違いに拘りを持っている方です。みんな同じじゃなく、ただの横シマだと思ったら大変失礼になるんですよ(笑)。そういう意味でやはり、自分がいいと思うものを持ち寄れば、おのずとバランスが良いファッションになっていると思います。
―本当に何千着もcobaさんはボーダーシャツを持っていらっしゃるのですか?―
coba:ハハハ~、いつの間にそんなことに・・・実際はちゃんと数えたら700枚でした。つい最近、セントジェームズ(フランス)というピカソも着ていたという超有名ブランドの社長からメールが来て、「あなたは多分世界一のカスタマーです。良かったらタイアップさせてください。」と言われましたが、「社長、あなたは遅い!既に僕のアイテムは3周4周していますよ!」とお断りしたんですよ(笑)
―古澤さんもベストドレッサー賞を受賞なされたりと、本当にお洒落ですよね。―
古澤:僕もボーダー大好きで、たくさんセントジェームズのボーダー持っているので着たいのですが、cobaさんと被っちゃうので着れないです(笑)。
東儀:三人でボーダー着たら、囚人の集まりみたいになっちゃいますよ(笑)。
―以前は55歳というとお爺さんっていうイメージでしたが、お三人を見ていると55歳にはとても見えないです。その若さの秘訣と1年先2年先それから10年20年先をどのように考えていらっしゃいますか。―
東儀:僕はまず歳を気にしたことがないし、食事に気を使ったこともないですし、ジムに通ったこともなく、ただ好きにしています。そのストレスが無いことが良い結果になっているかもしれません。そしていろいろな事をしょっちゅう考えているので、頭を使うと身体が活性化されるというので良いのかな。そして今の自分に決して満足せず、もっと欲があって、もっと変化するのではないかと思っていて、音楽家であるのは今のこの瞬間の自分であって、これからフォトグラファーになるかもしれない、陶芸家になるかもしれないという未知数の自分の可能性に期待しているという気持ちが若い頃と変わらず、刺激になっていると思います。
古澤:17年前位に東儀秀樹さんと一緒に演奏をするようになって、それから一緒にステージに立つとどうしても比較されてしまうんですね。僕もっと太っていたのですが(笑)一生懸命、痩せるというのがこの歳になるときつくて・・僕の場合、太る体質の上暴飲暴食するタイプで、全く気をつけないということはできないし、このようにツアーに一緒に連れていってもらうとなると、それなりに気を付けなくちゃならないので、そういうことも良かったかな、なんとか頑張ってついていきたいなと思っています。
coba:先程の役割分担の話にも通じますが、僕の役割は何だろうと思うと、自分は曲を書いたりアレンジをすることがしっくりきているわけです。実際、仕事の大半も作曲家としてです。うちの事務所が回っているのもそのおかげです(笑)。お二人を見た時に思ったのが、「この人たちに曲を書きたい。」と思ったわけです。今日、何が食べたいと聞かれたときに答えられない人が多いですが、僕は即答です。ちなみに、今僕は細めのフィットチーネが食べたいです。「文化というものは、欲望からしか生まれない」ということが僕のモットーみたいになっているんですが。音楽だって今、東儀さんがおっしゃったように、何かをやりたいんだという気持ちから音楽が生まれるし、ファッションだってそうです、お洒落したいのよと思うからファッションンデザイナーになるんです。そうして切磋琢磨するわけです。僕の価値があるとしたら、自分の興味の対象をポンと見いだせることじゃないでしょうか。そこのポイントがもしかしたら若いと言っていただけることじゃないでしょうか。
取材後記
話をしている3人の絶妙な、センスあるトークにすっかり聞き入ってしまった記者会見であった。コンサートツアーは8月を皮切りに海外公演を含み10月まで開催されるので、是非、アルバム同様、コンサートにも足を運んでいただきたい。
★★アルバム『TFC55』2014年9月10日発売/CD:UCCY-1042/定価\1,500+税
【収録曲目】
①Love Hat Trick
②TFC(Treasure Finding Cruise)
③はじまりの風景
④Liberportango~タンゴ自由の扉~
⑤Highland Nostalgia
★★東儀秀樹×古澤巌×coba 全国ツアー2014「TFC55」
8月9日(土)身會岐神社 能楽殿(山梨県)
9月12日(金)神戸文化ホール 大ホール(兵庫県)
9月20日(土)NHK大阪ホール(大阪府)
9月23日(火・祝)愛知県芸術劇場コンサートホール(愛知県)
9月28日(日)Bunkamuraオーチャードホール(東京都)
10月4日(土)周南市文化会館(山口県)
10月9日(木)札幌コンサートホールkitara大ホール(北海道)
10月12日(日)はつかいち文化ホール(広島県)
10月13日(月・祝)都城市総合文化ホール 大ホール(宮崎県)
10月19日(日)大宮ソニックシティホール(埼玉県)
★★海外公演「スイス日本国交樹立150周年記念公演」
10月22日(水)ジュネーブ公演・BFMホール
10月24日(金)ベルン公演・世界遺産ベルン大聖堂
★★コンサート情報はこちら
http://www.togifurusawacobe,jp/