取材:記事・写真/RanRanEntertainment
映画『アイ・キャン・オンリー・イマジン 明日へつなぐ歌』が11月13日(金)から公開される。本作は、史上最も売れたコンテンポラリー・クリスチャン・ソング「I Can Only Imagine」誕生までの軌跡を、この曲を作ったロックバンド“MercyMe”のバート・ミラードの半生と共に描いた全米大ヒット映画である。映画公開に先立ち9月16日(水)にデジタルリリースされた日本公開版エンディング・テーマ曲「アイ・キャン・オンリー・イマジン feat. 小坂忠」を歌うDedachiKentaに、この曲に込めた思いと映画の見どころを聞いた。
――映画『アイ・キャン・オンリー・イマジン 明日へつなぐ歌』をご覧になっていかがでしたか?
歌(「I Can Only Imagine」)はずっと前から知っていたのですが、映画は、このエンディングテーマ曲のお話をいただいてから観ました。
これまでクリスチャン映画をいろいろと観たことがあるのですが、この映画はストーリーもしっかりしていて、劇中で流れる曲も含め僕の大好きな音楽のことを題材にしているので、すごく楽しめました。
――バンド、「MercyMe」については以前からご存知でしたか?
「MercyMe」はこの曲で知っていました。バート(※バート・ミラード)の人生については映画を観るまで知りませんでした。
――映画で印象に残ったシーンはありましたか?
たくさん印象に残ったシーンがあります。映画を観た後に浮かんできたのは父親を赦すシーンですね。二人の思い出が詰まった車を父親が壊してしまうんですけど、親子の絆を取り戻すところが一番好きですね。
――この曲「I Can Only Imagine」はどこで聞いていらしたのですか?
父親が牧師で、僕の通っていた学校の友達には宣教師の子供がけっこう多くて、彼らがアメリカから持ってきたワーシップコンピレーションのCDの中に入っていて聴いたのが最初だったと思います。アメリカでもとても人気のあるクリスチャン・ソングだったので。
――エンディング・テーマ曲のお話が来た時のことは覚えていらっしゃいますか?
去年の年末に日本に帰ってきた時でした。聞いたのは、確か空港で、時差ボケで「んー?」と、ちょっとぼんやりしていたんです。でも次の日にあらためて歌(「I Can Only Imagine」)を聴いて、「この曲なんだ!」と思った瞬間に、なんか感動して、すごいのが来たなぁと、嬉しかったです。
――今回、小坂忠さんを客演に迎えることになったのはどういった経緯だったのでしょうか?
僕はいつも英語で歌詞を書くので、日本語に訳すのは難しいと思ったんです。そこで小坂忠さんは牧師でもあり、ミュージシャンでもあるという二つの面をお持ちなので、クリスチャンワールドビューも持っていながら、この曲を日本の多くの人に届くようにトランスレートできる方じゃないのかなと思い、相談してみることにしたんです。
――もともとご存じでいらしたのですか?
一回、お会いしたことがあって、すごく素晴らしい方だったので、この人しかいないと思ってお願いしました。
――この曲についてお二人でどのような話をされましたか?
いろいろアイディアを僕にくださいました。「今の時代に“想像してみる”ということの大切さを歌ったらいいんじゃないか?」とおっしゃって忠さんが曲を書く時に大事にされていることも教えて頂きました。
――詩はお二人で書かれたのですか?
最初に電話で話したんですが、「僕も書いてみるけどKentaも書いてみたらいいんじゃない」と言われて、挑戦して書いたものをすごくいいって言ってくださったんです。そしてそれをもとにブラッシュアップしていって、こういう形になりました。
――ご苦労されたことはありましたか?
クリスチャン・ソングなので宗教的な言葉と言うんでしょうか、それを直訳してしまうと、神とか、賛美するとなってしまうんです。今回、クリスチャン・ソングのコアなところはキープしながら、誰でも理解できる言葉にして、そして、美しい日本語で届けたいと考えました。だけど、そのプロセスは大変でした。歌のコアなところを見つけるところから、それをより広く伝わる表現にして、更に映画からインスパイアされた僕なりのメッセージを込めたつもりです。
――DedachiKentaさんご自身について伺いたいのですが、LAの大学に留学していらっしゃるそうですが、そう決めた理由は?
まずすごく音楽が好きということと、たくさんの音楽を発信しているLAで学びたいという気持ちがあったんです。大学では音楽を専攻しているんですが、教えてくださる先生方もとてもキャリアのある方々ばかりで、グラミー賞を獲った先生がいたり、そういう人たちから学べるってものすごく特別なことだと実感しています。
それと、L.Aは日本と違うんですよ。当たり前ですけど(笑)。住んでいる人々の考え方とかも違いますし、自分のまだ訪れたことのない場所に行って、いろいろな人たちと友達になって、視野を拡げたかったというのも一つの理由でしたね。
――今、考え方の違いとおっしゃっていましたが、特に感じられたことはありましたか?
LAの人はすごくフリーなんです。“いつかプロのミュージシャンになって、生涯を通して音楽で生きていく”という人たちもいますけれど、純粋に好きで音楽をやっているというか、変なプレッシャーが無い人たちが多い気がします。本当にいろいろな価値観を持っている人たちが集まっているところで、みんな新しいアイディアをウエルカムするというか、そういうマインドセットの人たちと一緒にいると自分も影響を受けて、もっと学びたい、もっともっと吸収したいという欲が出て来ます。それは一つ学んだことですね。
――LAに行って、日本の音楽シーンについて何か感じられたことはありますか?
まだインディーズで2年ぐらい活動しているだけなので日本の音楽シーンも完全に理解したわけではないんですけれど、アメリカだとすごくラフがいいという感じがします。日本では、例えばスタジオミュージシャンだと何でもできる人が求められたりするんじゃないでしょうか。アメリカだと、あるジャンルに秀でている人の方が味があっていいとされるような印象があって。みんな自分自身の味を探しているんですよね。説明が難しいですけれど・・・。
自分の得意なことをひたすら頑張って、それを武器としてやっている人がたくさんいるなと気づかされます。もちろん日本にもそういう人たちはたくさんいるのかも知れませんが、実際にアメリカでレコーディングなどをして感じたのはそういうことですね。
■映画『アイ・キャン・オンリー・イマジン 明日へつなぐ歌』
監督:アーウィン兄弟
出演:J・マイケル・フィンリー デニス・クエイド
マデレイン・キャロル レイス・アドキンス 他
配給:EASTWORLD ENTERTAINMENT、カルチャヴィル
11月13日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷、他 全国順次公開
公式サイト
https://www.universal-music.co.jp/icanonlyimagine/
■日本公開版エンディング・テーマ曲
DedachiKenta
「アイ・キャン・オンリー・イマジン feat. 小坂忠」9月16日デジタルリリース
日本語詞:Kenta Dedachi、小坂忠
編曲:KOSEN(Colorful Mannnings)、DedachiKenta
原曲 作詞・作曲:MercyMe
レーベル:newborder recordings
リリース情報
https://www.office-augusta.com/dedachikenta/info.html
DedachiKenta公式サイト
https://www.office-augusta.com/dedachikenta/index.html