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2022年7月15日 22:28

江口のりこ、ミュージカルは初めてなんで、難しいよね! 長塚圭史(台本・演出)の初ミュージカル『夜の女たち』製作発表会見

取材・撮影/RanRanEntertainment

KAAT神奈川芸術劇場プロデュース ミュージカル『夜の女たち』の製作発表会見が7月15日(金)に行われ、時代に翻弄された三姉妹を演じる江口のりこ、前田敦子、伊原六花、三姉妹を取り巻く役を演じる前田旺志郎、大東駿介、北村有起哉、そして台本・演出の長塚圭史が登壇した。

 

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本作は1948年、溝口健二監督による映画『夜の女たち』が原作・題材。戦後間もない大阪・釜ヶ崎を舞台に生活苦から夜の闇に堕ちていった女性たちが、必死に生き抜こうとした姿が描かれる。長塚が上演台本、作詞を手掛け、音楽の力で、ミュージカルとして描くことで、混沌とした時代を生きていかなければならなかった日本人のエネルギー、生命力を描きぬく。

会見では、長塚が本作製作の意図について「1948年に溝口健二監督が撮った映画『夜の女たち』を観たときの衝撃が忘れられなかった。まだ日本がアメリカの占領下にあった時代。その時代にこの映画はまさに釜ヶ崎で撮られていて、実際にその当時は体を売る女性たちが立っていた。ほとんどドキュメンタリー映画のように見える劇映画なんですけれども、生活苦や、社会の逆境の中に生きている状況下に置かれた日本の社会がある角度から描かれていて、僕は1975年生まれですけど、占領下の時代について、はっきりとした教育を受けていない印象があります。こういうことが忘却の彼方に行ってしまってはいけない。まずは、この作品をどうにかしなければ」と思ったのがきっかけと話した。

さらにミュージカル化、配役については「その時代の勉強のような作品になってはいけない。ミュージカルだったら、心の内を話すこともできるし、心の内を歌い上げることもできるし、その時代の空気を歌にすることもできる。逆境の状況でどう生きようとしたか、人々の姿を鮮やかに描き出せるんじゃないかと思い、音楽家の荻野清子さんに相談」、さらに「優れたミュージカル俳優でやれば、それはそれで素晴らしいものになると思ったものの、(戦後の)日本人にとって新時代を迎えたところなので、初めてミュージカルやるような人たち、いわゆるストレートプレイの俳優だったら、ある種新鮮なものに出会えるだろう」と本作への思いを熱く語った。

 

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主人公・大和田房子を演じる江口は「ミュージカルは初めてなんで、毎日稽古で・・・。楽しいと思ったり、楽しくないって思ったり、あっち行ったりこっち行ったりしながらやってるんですけれども、一緒にやる俳優のみんなもミュージカル畑の人じゃない人ばっかりなので、ちょっと心強いし大丈夫だと思います」と笑わせた。

ホールでダンサーとして生きる房子の妹・夏子を演じる前田敦子は「私もミュージカルは初めてなので、最初はびっくりしました。歌の練習から入って、今はセッションする形で台本を読み合わせながら、歌に自然と入っていくっていう流れも作っていただいている最中です。歌にはすごいパワーがあるなって感じています。とにかく頑張ります」と歌の稽古に余念が無いという状況。

 

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そして、房子の義妹・久美子を演じる伊原は「この作品を初めて見た時の衝撃がすごく、本作品をミュージカルでどう表現するんだろう?と思っていたんですけど、楽曲を聞いた時に台詞のイントネーションがそのままメロディーになったような楽曲ばかりで、これは歌というより、心情を音楽に載せて届けるということができる作品なるんじゃないかなと、ものすごくワクワクしました。本読みしていても、フラットで自由なキャストも皆さんばかりなので、稽古がすごく楽しみだなと思っています」と手応えを感じている様子。

前田旺志郎は、「稽古中、みんなで歌っている時はめっちゃ楽しく、ワクワクするというか、気持ちがすごく上がるんですけど、ソロ曲になるとすごい不安。人前で歌うことに慣れてないので、めちゃくちゃ緊張して、言葉すら出ないくらいになるんですけど、徐々に自信を持って胸張って歌えるようになりたいなと思います」と現状の思いを打ち明けた。

 

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大東は、「(本番まで)1ヶ月半前ですよね。でもすごい稽古をしていて・・・。譜面を見ながら歌うところから、圭史さんが『ちょっと立ってみようかな』と、立ち稽古語みたいに始まるんです。譜面を見ながら聞いていると素晴らしい曲やなと思ったんですけど、俳優の人たち自分の役を重ねて、言葉と歌の狭間のような音楽が始まった時に、血が流れている感じがするっていうか、ドキュメンタリーのような戦後すぐの情景が舞台に乗って見えてきたというか、ミュージカル、すごっ!と、めっちゃ思ってます。素晴らしい楽曲を個人個人にいただいたので、9月をちょっと楽しみにしてください」と自信をみなぎらせた。

 

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北村は、「台本を読んで、タイトルからして大体想像はしていましたけど、これを舞台でやるの?大丈夫できるの?という思いがすごくありました。でもそういう時に限って火がつくんです。どうなるか本当に分からないの?っていう作品の匂いにつられてしまう。この作品はそこんじょそこらのエネルギーじゃ太刀打ちできない、戦後間もない頃のカオスを我々の肉体で歌い上げて表現をしなければならないという、想像力をふんだんに膨らませて、今練習をがむしゃらにやってますけど、そのがむしゃらをそのままお客さんにぶつけて行くしかないくらい、ものすごい作品になっております。どうぞ皆様お楽しみに」と本作をアピールしていた。

キャスティングした決め手について、長塚は「この10年、江口さんとはたっぷりやっていると思うんですけど、僕が非常に信頼していて、厄介な時、難しいことにチャレンジする時に声をかけたくなる。それは大東さん、北村さんも一緒。ややこしそうなことやる時に必要な参加してくれたらいいなと思う。決定的なのは信頼です。敦子さん、伊原さんという新しい風がその中に入って、チャレンジ精神を若い方達につないでいってほしい」と話した。

指名された江口は台本を読んで「思ったのは思いの外、歌がいっぱいあったことですかね。歌だらけって思いました。難しいよね」と苦笑。前田敦子は「のりこさんは大好きなので、最後に会ったのがスーパーなんですよね。それ以来だと思う。すごい嬉しかったです。歌ってる姿がすごく愛おしくて、早く皆さんに見てほしいです」と早くも江口に太鼓判を押していた。

KAAT神奈川芸術劇場プロデュース ミュージカル『夜の女たち』
2022年9月3日(土)~19日(月・祝) 全15公演 KAAT神奈川芸術劇場〈ホール〉
チケット発売:7月23日(土)
北九州、豊橋(愛知県)、山口、松本、兵庫にて地方公演あり

 

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