
Prime Originalドラマシリーズ『クロエマ』(全5話、6月12日より世界独占配信)の配信記念スペシャルイベントが6月9日(火) に都内で行われ、W主演の杉咲花・多部未華子、共演の岩瀬洋志、そして今泉力哉監督が登壇した。
本作は、『逃げるは恥だが役に立つ』で大人気を博した漫画家・海野つなみ氏の最新連載作品『クロエマ』の実写ドラマ作品で、恋も仕事も家も一度に失った30歳の女性・エマ(杉咲)が、謎めいた資産家クロエ(多部)の屋敷に辿り着いたことから動き出す・・・。
冒頭、今泉監督は本作の魅力について「占いやパフェなど、いろんな要素が詰まっている作品ですが、何よりも登場人物たちが非常に魅力的です。みんな、ちょっとどこか少し欠けていたり、おかしな部分があって。エマは、気が使えるような人だけど、実はちょっと図々しいところがあるし、クロエは一見、冷たく見えるけれど、心の奥底にはとても愛情深いものを持っている。そういったところに強く惹かれました」とコメント。さらに杉咲、多部というキャスティングについて、今泉監督は「このマンガのキャラクターを誰が演じることができるだろう、と考えていたんですが、このお二人でしかなり得ないかも、と思うくらいにハマっていて。原作の海野先生も、まだ連載が終わっていない中で、お二人の顔が浮かぶとおっしゃっていたくらいハマっていた気がします」とコメントした。さらにパフェつくりが得意な喫茶店のマスター、シモンを演じた岩瀬についても「本当に王子様的な雰囲気を持っています。岩瀬さんに演じてもらえて本当に良かった」と絶賛した。

杉咲と多部は本作が初共演。お互いの印象について杉咲は「わたしは小さい頃から多部さん出演作品をたくさん拝見してきました。非日常的な要素がシーンの中にあったとしても多部さんが演じられることで一気に説得力が増すような、そんなすごい力を持った方。現場でもどっしりと構えてくださっていて、わたしも安心してついていくことができました」と感謝の思いを述べた。
一方の多部も「(杉咲の)これまでたくさんの作品やバラエティ番組を見ていて、とても朗らかで温かい方なのかなという印象。実際にお会いしてもその印象は全然変わらなかったのですが、現場ではとにかく存在感がすごいんです。わたしが思った以上に刺激的な毎日を過ごすことができました」と語り、さらに「わたしの中ではエマってすごく難しいキャラクターだろうなと思っていたのですが、初日のセットに杉咲さんが入ってきた瞬間、『あ、もうエマだ!』と。それがわたしの中では印象深い初日の記憶として、すごく覚えています」と付け加えた。
杉咲は自身の役柄について「エマはそっ気ない振る舞いをする人なのですが、根底には『困っている人に対して何かをしてあげたい』という、そういう優しさがにじみ出ているところがとても素敵だなと思います」と分析すると、多部も「エマは不運な状況から物語が始まりますが、クロエに拾われて本当に幸運な人だなと思いますし、そんなエマに出会えて、クロエも幸運だったなと思います」とふたりの役柄がかもし出す関係性について噛み締めるように語った。
イベントの中盤で、撮影現場での苦労話について質問された杉咲は「苦労とは少し違うかもしれませんが、今泉組特有だなと感じたのは、ワンカットで長回しをしていた時に『もう一回』と言われまして。お芝居に改善点があったのかなと思って、何を言われるのかなと待っていたら、監督がパッとやって来て、わたしの前にあったコップを1ミリくらいずらされて、『お願いします』とおっしゃって去っていったんです。これには本当にカルチャーショックというか、監督が画面に映るすべての要素に神経を注がれている方ということを実感して、すごい経験だったなと思いました」と述懐。
これに対し今泉監督は「コップの位置が1ミリ違うだけで映ってくるものも変わりますからね……まあ1ミリというのは言い過ぎかもしれませんが」と笑いつつも、「たとえばクッキーの色がちょっと違うなと思ってやり出すと、みんなが『はじまっちゃったよ』みたいになることはありました。そこは反省しつつ、でも大事なことかな」と付け加えた。

一方で、多部が最も苦労したとのは「占い」のシーンだったという。「占いのシーンでは、カードを投げるシーンが本当に大変でした。散らばり方が違うということになり、何回も何回もやり直しました」と今泉監督のこだわりを明かす多部のコメントに、今泉監督も「なんだか俺、ヤバい奴になってない?」と苦笑い。さらに占いの際にクロエが発する独特の呪文のような言葉についての裏話を明かすと、「占いのシーンはけっこうつらかった……」と苦笑い。会場をドッと沸かせた。
そして本作の見どころといえば、シモンが振る舞う美味しそうな「パフェ」である。岩瀬も「おふたりが本当に美味しそうに食べていたので、カットがかかった後にちょっとつまんだりして。『美味しいね』と盛り上がったのも、良い思い出です」とニッコリ。また、パフェの内容を説明するシーンについて「セリフが長すぎてすごく緊張していました。正直カメラが回るまでのドキドキが忘れられないですけど、すごく良い勉強になりました」と振り返った。

また本作の魅力について杉咲は「わたしがすごく好きなのは、いったん問題を横に置いて、自分たちのことを癒したりねぎらったりする時間ってすごく豊かだなと思います。だからこのドラマのラストに毎回パフェのシーンがあって。そういう時間ってすごく豊かだなと思うし、そういう時間があるからこそ息継ぎができることもあるよな、と、このドラマを見ながら感じました」としみじみ。
その言葉を聞いた多部も「この物語は特に世界を導くものではなくて、『こういう考えの人もいるか……とりあえずパフェ食べよう』『人生いろいろあるけど……とりあえずパフェでも食べよう』と思わせてくれます。みんな答えを求めていなくて、自分たちがどういう風に生きていったら自分が納得する毎日を過ごせるのか、ということを考えられるドラマかなと思っています。それがすごく素敵な世界観だなと思うんです」とコメント。

そしてイベントでは劇中に登場する「大人のかりんとうパフェ」を試食するコーナーも。「このパフェのいいところは、この黒ゴマの細かりんとうがすっごく美味しくて。これでこのヨーグルトクリームをディップして……」という具合で上手な食レポをはじめた岩瀬に会場も大盛り上がりだった。
Prime Originalドラマシリーズ『クロエマ』(全5話)
6月12日(金) より、毎週金曜日3週にわたり配信
Ⓒ海野つなみ/講談社 Ⓒ2026 WOWOW

