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2017年9月7日 15:20

“串田版”チェーホフ劇『24番地の桜の園』に出演する松井玲奈さんにインタビュー! <後編>

取材:記事・写真/RanEntertainment

後編<演じることは面白いと思う一方で“恥ずかしい”もの>

――これまで多くの映像や舞台に出演され、女優として活動する中で、何か変化や成長を感じたことはありますか?
今、演じている作品の影響なのかもしれませんが、最近、面白いなと思ったことは、今までのお芝居では別の人物になるというか、自分と切り離して考えることが多かったんですね。でも、怒ったり、泣いたり、笑ったりというのは、自分が今まで経験してきたことや見たり聞いたりしたことの中から作られていくのだなと考えた時、「それって全部自分なのだな」と悟る機会があって……。喜びや悲しいと思うポイントなど、全部自分が出てしまうのがお芝居なんだ。面白いなと思う一方で、演じるという仕事は“恥ずかしい”ものなのだなと思いました(笑)。今まで自分が経験したことや感じたことの中で演じているけれども、それがすべて表に出てしまうことは恥ずかしいなと思えてしまって。また、私自身が経験したことではなく、役の人物が経験したことをお客様に伝えなければいけないというのも難しいなと感じています。お芝居というのは本当に奥が深いなと、最近改めて感じていますね。

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――なるほど。では、役作りなどはどのようにされているのでしょうか?日頃、演じる上で心がけていることは?
演出してくださる方によって違うと思うのですが、無理に自分と役柄の共通点を見つけて紐付けるのではなく、そのキャラクターが今、感じている気持ちならわかるかもしれない。という部分から肉付けしていくことが多いかもしれません。でも、そう考えるとすごく恥ずかしいなって思いますね(笑)。

――今はまだ前作の地方公演の最中だと思いますが、演じた役柄の切り替えは早い方ですか?また、役柄を引きずることはありますか?
どうでしょう?早い方なのかな?(笑)。次の作品に入って除々に切り替えていく感じなので、役はあまり引きずるタイプではないと思いますね。これが良いか悪いかわからないのですが、演じる役のメイクや衣装などでその人物の印象が変わるなと思っているので。例えば、今演じている舞台の役のメイクや衣装、髪型などで「あ、この人だ」というスイッチが入るような感じですね。

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――普段の生活でもオンとオフの切り替えは早いタイプですか?
(少し考えて)うーん……。若干引きずりながら(笑)。

――役者は体力も必要だと思いますが、健康面で気をつけていることはありますか?
舞台の時には、稽古期間から体力作りとして走ったり、筋トレみたいなものを始めたりするので、ぐっと引き締まる感じはありますね。また、昔からの体質というか、舞台に立つ前は何も食べないんです。昼公演だと朝ごはんを少なめに取るくらいで、出来るだけ本番近くには食べないようにしているんです。本番で舞台に立つ時は、体の中に何か残っていることがないようにしておきたくて。

――それは緊張からではなくて、気持ちの問題で?
気持ちの問題の方が大きいと思います(笑)。ちょっとでも食べて舞台に立つと、何かが入っている感覚が気持ち悪くなってしまって。空っぽのまま舞台に立っていたい。その方がスッキリして気持ちがいいので、どんなに動く舞台でも、できるだけ食べないで立っていましたね。

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――1日2回公演のある時などは大変じゃないですか?
大変なんです!2回公演の時が~(笑)。できるだけ早く消化できるものやゼリーみたいなもので簡単にエネルギー補給して気合いで頑張る!みたいな(笑)。

――バイタリティあふれる演技の裏に、そんな努力があったのですね。
アハハ~変わっている、とは言われますね(笑)。でも昔からなので。ライブの時でもそうしていました。

――それでSNSなどに「ご褒美♪」としてパフェの写真があがるのですね(笑)。
アハハ(笑)。ハイ!ご褒美で甘い物を食べています(笑)。

――最後に作品への意気込みをお聞かせください。
チェーホフの『桜の園』と聞くと、堅い印象を持たれる方も多いと思いますが、この『24番地の桜の園』は、串田さんが今だからできる新しいものとして作った『桜の園』になると思いますし、音楽もステージ上で生演奏され、お芝居と一緒に楽しめるように演出されると聞いています。

――これまでにないような作品になりそうですね。
私もまだ観たことのないことが舞台上で行われるのではないかな?とワクワクしています!また、音楽はジプシー音楽をイメージされているとのこと。これは今まで自分が触れてきたことのないジャンルですし、それを生演奏で聴くことができ、お芝居と融合していくことは楽しみだなと思っています。ストーリーや楽器演奏、さらにダンスシーンもあり、目で観ても耳で聴いても楽しめる作品になると思うので、皆さんも是非楽しみにしていただけたら嬉しいです!

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■Profile
松井玲奈(まつい・れな)
1991年7月27日生まれ、愛知県出身。2009年SKE48一期生としてデビュー。2015年卒業後、女優業を主として活動を開始。2016年の舞台、つかこうへい七回忌特別公演「新・幕末純情伝」で、沖田総司役を主演。2017年4月W主演映画「笑う招き猫」、6月主演映画「めがみさま」。6月から舞台「ベター・ハーフ」で平澤遥香役を好演。数々のドラマや映画などに出演、女優として活躍中。

【公演概要】
■スタッフ
作:アントン・チェーホフ  翻訳・脚色:木内宏昌
演出・脚色・美術:串田和美

■出演
高橋克典、風間杜夫、八嶋智人、松井玲奈、美波、大堀こういち、池谷のぶえ、尾上寛之、北浦 愛、菅 裕輔、新田祐里子、大森博史、久世星佳、串田和美、小林聡美
<ミュージシャン>太田惠資、関島種彦、アラン・パットン、飯塚 直、ギデオン・ジュークス

■公演日程
2017/11/9(木)~11/28(火) Bunkamuraシアターコクーン
お問合せ:Bunkamura 03-3477-3244

■主催
Bunkamura/日本テレビ
[企画・製作]
Bunkamura

[松本公演]
2017年12月2日(土)~3日(日) まつもと市民芸術館 主ホール
主催:一般財団法人松本市芸術文化振興財団/SBC信越放送
お問合せ:まつもと市民芸術館 0263-33-3800

http://www.mpac.jp/

[大阪公演]
2017年12月8日(金)~10日(日) 森ノ宮ピロティホール
主催:サンライズプロモーション大阪
お問合せ:キョードーインフォメーション 0570-200-888(10:00~18:00)

http://www.kyodo-osaka.co.jp/

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