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2019年5月15日 16:46

【後編】南沢奈央&馬場ふみかインタビュー! ジャン・コクトーの代表作を舞台化した『恐るべき子供たち』注目は「いびつになっていく関係性」

取材:記事・写真/RanRanEntertainment

068s

——南沢さんと馬場さんは本作が初共演ということですが、お互いにどのような印象をお持ちですか?

南沢:馬場さんは今回、2役演じていますが、役によって声が全然違うんで、声の幅がすごいなと思っています。お芝居も本当にうまくて。

馬場:いやいや、やめてくださいよ(笑)。でも、嬉しいです。

南沢:かっこいい男の子だと思ったら、次の瞬間には可愛らしい女の子になってるんです。馬場さん本人の印象としては、芯が強そうな人だなと思いました。ちゃんと自分を持っていて、「はい」って言いながらも、きっと譲れないところがあるんだろうなって(笑)。

馬場:あははは。

——馬場さんは、南沢さんの印象はいかがですか?

馬場:私が学生の頃から南沢さんが出演されている作品は拝見していたので、初めてお会いした時は「本物だ!」って(笑)。ご一緒させていただけるなんて、本当にすごいことだと毎日思っています。お芝居の面では、お稽古が進むごとにどんどんエリザベートに見えてくるのが本当にすごい。恐ろしい姉に見えてきて、怖いって思ってます(笑)。

059s

——エリザベートの弟のポール役の柾木さんと、ポールの友人のジェラール役の松岡さんの印象は?

馬場:柾木さんは本当にポールっぽい! ハマってると思います(笑)。

南沢:本当にポールだよね!

馬場:ポール(柾木)もジェラール(松岡)もそういう立ち位置にいますよね。

南沢:役じゃないところでもそういう立ち位置。松岡くんはジェラールと同様、「まあまあ」ってみんなの間に入ってくれる(笑)。

馬場:一番年下なのに、みんなのことを均等に見て、手助けしてくれる。とってもしっかりしていて、びっくりするほどです。

南沢:柾木くんはめちゃくちゃポールっぽくて、何を考えてんのかわからないところがあります(笑)。

馬場:うん、めちゃくちゃ自由ですよね。

093s

——仲が良く、雰囲気のよい稽古場が想像できます。ところで、白井さんの演出を受けられることが嬉しかったとおっしゃっていましたが、実際に受けて見て、今、どんなところに刺激をもらっていますか?

南沢:セリフを読んだ時のテンションについて、最近、改めて意識しています。白井さんは、上演台本を読んだだけでは読み取れないような、セリフのテンションやその方向性を提示してくださるので、演じていく中で思いがけない方向性でセリフを言っていたり、最初にイメージしていなかった展開が広がっていたりします。ちょうど今日のお稽古でも、「条理通り」だと指摘されて「もうちょっと不条理に」と言われました。例えば、病気のお母さんに対する接し方も、お母さんに同調せず、ちょっと引いたところで「またか」というようなセリフの投げかけ方をするんです。普段の私とは違うところに空気感を持って存在していないと「恐るべき子供」にはならない。上演台本をストレートに読むだけでは通用しないんだなって実感しています。でも、それを白井さんがわかりやすく伝えてくださるので、日々、勉強になっています。

馬場:白井さんは、一つ一つ、本当に細かくわかりやすく、私たちがしっかりと理解できるように言ってくださるんですよね。それがものすごく有難いと思っています。私は、今まで、映画やドラマ、それから別の舞台のお稽古でも、言葉一つ一つについてやイントネーション、それから声の出し方に関してまで指摘いただくことがあまりなかったので、白井さんの言葉はどれも有り難く受け止めていますし、それでまた自分が成長できたらいいなと思っています。

073s

——お稽古で印象に残っていることは?

南沢:今回、セットで不織布を使うんです。でも、不織布を使うというところにたどり着くまでに、紙を使ってみたり、別の布を使ってみたり、色々と試しながらみんなで実験をしたのが印象に残っています。とてもシンプルな舞台セットに、一枚の布を使って、色々なものを表現するんですよ。布が海になったり、お風呂になったり…。

馬場:そうなんです、布が何にでもなる。面白いですよ。全ての事を布ひとつで表現しようと、みんなで日々実験をしているから。

——面白い試みですね。セットにかなりのこだわりがあるとなると、照明にもこだわりがあるんでしょうか?

南沢:まだわかりませんが、光は印象的に使っていると思います。照明というよりは、私たちが灯りを持って使うとか、布に光を通して影を作ったりとか…。その辺りは今後、さらに練り上げていくことだと思いますが、光も効果的に見せていくんだと思います。

——楽しみにしています! では、本作が思春期の少年少女を描いた作品ということにちなんで、お二人の思春期についても教えてください。

南沢:私は思春期っぽい思春期はなかったです。反抗期もなくて。姉の反抗期がすごかったので、それを見ていて、私は大人しくしていようって心がけてましたできるだけ親に褒められるように、いい子でいたいという願望も強かったです。早くしっかりとした大人になりたいって思っている子供でした。

馬場 私の家は、父親が単身赴任でいなかったので、姉と私と母と女3人で思春期を過ごしていたんですが、私の家も姉の思春期がすごかったです(苦笑)。それこそ、家の中で母と姉がものを投げ合っているような、女っぽいバトルもあったほどだったので、それは嫌だなって、見ていて思っていました(笑)。でも、私自身にも思春期はあって、母の言うことひとつひとつがすごくイライラするんですよ。だけど、姉のようにはしないようにって、言われたことは「はいはい」と聞くんですが、自分の部屋に戻ってからカバンを投げつけて(笑)。自分の部屋の中で怒りを完結するようにしていました。妹は姉の姿を見て育つものなんだと思います(笑)。

076s

——ありがとうございました。では、改めて、公演の見どころを教えてください。

南沢:舞台セットが本当に面白い作品だと思います。自在に変化して、どんどん場面が展開してくのを見るのは楽しいと思いますし、想像することで場面が完結するのも演劇ならではだと思います。この作品は、お客様の想像力があってこそ成立する作品なんですよ。なので、どんな場面が広がっているのかを想像しながら観ていただけたら嬉しいです。それから、エリザベートとポールの姉弟にジェラールが加わって、アガートが加わって、徐々に関係性がいびつになっていく変化も観ていただきたいですね。

馬場:今、お稽古をしていて、音楽でも心情を表現している作品だと感じています。色々な音が混じり合っていって、すごく複雑になるので、音楽も楽しめると思います。もちろん、4人の心情がどんどんと変化していく様(さま)は観ていてすごく面白いと思います。それから、お客様との距離がとても近いので、隅々まで観ていただくことができると思います。私たちとしては、それほど近いのは恐ろしくもあるんですが(笑)。

南沢:ある意味、隠れられないからね(笑)。冒頭の雪合戦もハードで見どころだと思います! 必死になって雪合戦します。本当に球を投げるので、お客さんもある意味ドキドキかも(笑)。

馬場:本当にバンバン投げてますからね、みんな(笑)。舞台が始まってすぐからゼーゼーしながらやっています。

084s

——最後に読者へのメッセージをお願いします。

南沢:今、私も20代後半になって、母親や大人の女性を演じることが増えてきていたので、子供の役のお話がきたことにびっくりもしました。この年齢で子供の役をやるのはチャレンジでもあります。エリザベートという役は、私が今までやったことがないような役でもあるので、新たな一面が出せるように頑張っているところです。エリザベートは純粋で、だからこそその純粋さが狂気に変わっていってしまう。そのなんとも言えないバランスが難しいところでもありますが、それこそがエリザベート像に繋がると思うので、頑張って作っていこうと思っています。

馬場:私は今回、男の子と女の子と2役演じます。2役やることが初めてですし、いわゆるガキ大将的な男の子を演じることも、自分の中でチャレンジです。観に来てくださるお客様から、「こんな馬場ふみか見たことない」と言われるような姿をお見せしたいと思いながら日々、稽古に励んでいます。ぜひ劇場に足を運んでいただけたらなと思います。

096s

KAAT神奈川芸術劇場プロデュース『恐るべき子供たち』

日程:5月18日(土)〜6月2日(日)
会場:KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオ

原作:ジャン・コクトー
上演台本:ノゾエ征爾
演出:白井晃
出演:南沢奈央、柾木玲弥、松岡広大、馬場ふみか
デシルバ安奈、斉藤悠、内田淳子、真那胡敬二

公式サイト http://www.kaat.jp/d/osorubeki

4月19日(金) 『恐るべき子供たち』 馬場ふみかさん衣装クレジット
トップス¥31000・パンツ¥48000/リコドット(ステア)
ピアス¥22000/アデル ビジュー
サンダル¥42000/MIDWEST(Tu es mon TRESOR)
アデル ビジュー 03-6457-8858
MIDWEST 03-3463-6589
リコドット 03-5465-2077

4月19日(金) 『恐るべき子供たち』 ヘアメイク・スタイリスト
●南沢奈央さん
ヘアメイク/竹井温  Tazuru Takei
スタイリスト/加藤暢子  Masako Kato
●馬場ふみかさん
ヘアメイク/谷口祐里衣  Yurie Taniguchi
スタイリスト/石田綾  Aya Ishida

写真撮影 篭原和也

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