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2019年6月17日 17:01

【後編】岡山天音、舞台初主演に「僕が知らないことがたくさん起きるだろうという予感」舞台「ビビを見た!」インタビュー

取材:記事・写真/RanRanEntertainment

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——舞台は映像の現場とはまた違った空気感だと思います。映像にはない長丁場のお稽古がこれから始まると思いますが、楽しみにされていることは?

映像の現場はスピード重視な面があるので、1月かけて色々な方向から役を育てていけるという舞台のお稽古は僕にとって全てが楽しみです。今日(取材当日)のワークショップでは、最初から最後まで全員で本読みをした後に、改めてホタルとお母さんのシーンをやったんですが、その時に相手と目が合っている時にだけセリフを口にするという条件付きで読み合わせをしたんです。

台本を持って二人で向き合って、目が合っていない時はセリフを言ってはいけないんですよ。お母さんがセリフを言ったら、僕はそれを目を見て受けて、その空気を自分の中に残しつつ、台本を見て自分のセリフを覚えたら相手の目を見てセリフを言う。本読みというよりはワークのような読み合わせですが、それをしたことで、役作りの上で自分の知らない切り口が見えてきました。やっていることはすごくシンプルなことなんですが、説明を受けてやったら、思っていた以上に役の解釈が変わりましたし、発見もあって、ゾクゾクしました。こうやって丁寧に役に対してアプローチをするということは、映像を中心に活動してきた僕にはなかなかない機会だったので、これからの稽古もすごく楽しみになりました。

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——これまでは、岡山さんはどのようなアプローチで役作りをすることが多かったんですか?

映像では、(役作りは)基本的に一人での作業が多いんですよ。舞台だったら「稽古」という時間があるので、相手役の方が実際に目の前にいて、そこから色々なアプローチをしていけますが、映像の時は相手の方がどんな人間性なのか、どんなお芝居をしてくるのかもわからない中で、自分一人で積み上げていくって作業が主です。すごく単純な話ではありますが、それは舞台と映像の大きな違いですね。

一人で作業する上では、役によってももちろん違いますが、役やその作品全体に通じるテーマがありそうなフィクションに触れてみます。例えば、原作とは関係ない小説だったり、今ならばYouTubeを観たり…と一人で黙々と作っていきます。

059s

——今回、舞台に立つという経験を通して、俳優としてどんなものが得られると思いますか?

そもそも、僕は10代の頃に1回だけ舞台に出演したことがあるだけで、舞台に立つ、稽古を積むということがどういうことなのかまだわからないんです。まともに役を演じたこともないような時に出た舞台と、今ではあらゆる出来事に対する受け取り方が変わってきていると思います。なので、今はまだ舞台で何が起こるのかわからないので、具体的に何を得たいとか、どういうふうに成長したいとかはわからない。ですが、確実に僕が知らないことがたくさん起きるだろうという予感はしていて、きっともっと芝居を好きになれるんじゃないかという勝手な期待を抱いています。もちろん今も芝居をすることは大好きですが、映像とはまた違った深度、深さでお芝居ができると思いますし、そうなれたらいいなと思っています。

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——この舞台に出演するにあたって、準備されたことはありますか?

いつもより色々な舞台に足を運びましたね。意識して観にいきました。

——ちなみに、本作はKAAT神奈川芸術劇場での上演ですが、劇場についてはどんな印象がありますか?

中華街が近くにある好立地の劇場なので、観光をしてから夜に観劇することもできますし、スペシャルな1日にできると思います。横浜という場所に遊びに来るということも含めて、都心部にある劇場とはまた違った体験ができると思います。

——最後に、改めて公演への意気込みを。

舞台化されるとなって「あの絵本が!?」と驚かれるほど、読んだ人の中で残り続けてきた、生き続けている作品です。すごく力を持った題材だと思います。舞台を観に来てくださった方たちにも、絵本を読んだときと同じように、一生心に残り続けるような衝撃を与えられたらと思っています。脚本を読み、松井さんの構想を聞いていると、そうなるという可能性も予感しています。この舞台を観劇することがかけがえのない体験になればいいなと思っています。

それから、せっかく何回も一つのお芝居をやらせてもらえるという、映像ではなかなかない機会をいただけたので、遊び心を持って、毎公演、色々と試していきたいと思っています。方向性が見えてきたらそこに突き進むのではなく、遊んでいけたらいいなと思います。

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KAAT神奈川芸術劇場 プロデュース
舞台「ビビを見た!」

原作:大海赫
上演台本・演出:松井周
出演:岡山天音、石橋静河、樹里咲穂、久ヶ沢徹、瑛蓮、師岡広明ほか

【あらすじ】
盲目の少年・ホタルに「7時間だけ見えるようにしてやろう」と言う声が聞こえた。
ホタルの目が見えるようになると同時に、まわりの人は光を失ってしまう。母も猫も、町の人も…。
突如、町が正体不明の敵に襲われると警報がながれ、人々はパニックに陥る。
盲目になった母と逃げるために列車に乗り込こむホタル。
そこで、ホタルはやぶれた美しい羽と触覚を持った緑色の少女ビビと出会う。
天真爛漫で無邪気なビビに手を焼きながら、一緒にいるホタル。
ホタルたちの乗った列車を謎の巨人・ワカオが追いかけてくる…。

7月4日(木)〜7月15日(月・祝)にKAAT神奈川芸術劇場 大スタジオで上演。

 

 

 

 

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