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2017年7月29日 17:40

心を幸せで満たすキラキラ光る音の粒 村松崇継「コンベンション・ライブ」

取材:記事/RanRanEntertainment
写真提供/(株)アミューズ

美しい音を紡ぐ。感情を掻き立てる。村松崇継の音楽からは美しい景色が浮かんでくる。それは彼の音楽が、数えきれないほど多くの映画やドラマなどに使われているからではなく、むしろその逆、彼の音楽から浮かぶ美しい情景が映像クリエーターの心をがっしりと掴んだ結果なのだろう。7月14日(金)、東京・丸の内のCOTTON CLUBで「村松崇継コンベンションライブ」が行われ、コンポーザーとしてだけでなくライブ活動を活発に行う音楽家として再スタートを切った。

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眩しい。キラキラとした光を放つ音の粒。村松崇継の紡ぎだす音楽には、光あふれるエネルギーを感じる。『天花』、『クライマーズ・ハイ』、『誰も守ってくれない』、『思い出のマーニー』『64-ロクヨン』数え上げればきりがないほど数多くの映像作品を村松崇継の音楽は彩ってきた。名前を知らなくても、映画やドラマ、コマーシャル、ミュージカルなどを通していつのまにか彼の音楽は、私たちを勇気づけ、いつの間にか私たちの生活の中に寄り添っている。

この夜のオープニングは日本テレビ「NEWS ZERO」 ZERO HUMANのテーマソングにもなっている『笑顔こそ最高のジュエリー』。命が生まれ輝き始める春の草原のような爽快感のあるこの曲。ヴァイオリンの音色が、出会いと別れが交錯する春のちょっぴりのせつなさを含んでいるようで、なんだか甘酸っぱい想いが胸に沸き上がってくる。この曲を聴くと、なぜだか「全力で生きているか?」と問いかけられているようで、無性に走り出したい気分になってしまう。村松の曲には、そんな明るいエネルギーがたっぷりつまった人を幸せにする音楽が多い気がする。村松自身に明るいエネルギーが充満していて、そこからインスピレーションが生まれてくるのだろうか。

一転、3曲目の『The Magic Is Gone』では、彼の音楽の幅広さを見せつけた。フレンチジャズのようなエスプリを感じさせるスタイリッシュなこの曲からはカルチェラタン、セーヌ川右岸のマレ地区などパリのお洒落な街並みが浮かんでくる。5曲目の『浴衣に袖を通して』でのJAZZアレンジ、13曲目の『No other Love』の情熱的なラテンのリズムなど、大学時代にビッグバンドでピアノを弾いていたという村松のジャズピアノの軽快なスイングは、デューク・エリントン、リナ・ホーンなど、音楽史にその名を刻むスターを誕生させた伝説のクラブ COTTON CLUBにふさわしいパフォーマンスだった。

9曲目と10曲目には、つい先日公開されたスタジオポノック第一回長編作品「メアリと魔女の花」から『メアリのテーマ』と『呪文の神髄』が演奏された。『呪文の神髄』はキラキラとした光あふれる村松の音楽と一線を画するナンバーとなっているが、音楽自体が物語を語っているように映像が次々と頭の中に浮かんでくるような不思議な感覚を味わえる。映像を描くように音を奏でる才能は、きっと天性のものなのだろう。

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時に情熱的に、時に切なく、こんな風にまるで歌うように自分の想いや、心の中の情景を音にして表現できたらどんなにいいだろう。饒舌に人の心に訴えかけてくる彼のピアノとは違い、ライブ合間のトークでは、朴訥に話す村松。日本アカデミー賞で優秀賞を受賞したほどの成功を手にしても、「この夜をリスタートとして、これからもっとライブ活動を頑張っていきたい」と誠実に言葉を選ぶように話す。彼の心の中にはまだまだ人に伝えたい美しいけしきや想いが溢れているのだろう。そんな村松の中に溢れる情感を共有することができるライブはこれからどんどん増えていくはずだ。ピアノが奏でる美しい旋律が心を幸せな気持ちで満たし、笑顔が自然と溢れてくる、なんとも幸せな夜だった。

【村松崇継 むらまつたかつぐ】

1978年生まれ、国立音楽大学作曲学科卒業。高校在学中にオリジナルのピアノ・ソロ・アルバムでデビュー。作曲家としても早くからその才能が注目され、大学4年在学中の2001年に映画『狗神』、2002年には映画『突入せよ!あさま山荘事件』、2004年NHK連続テレビ小説『天花』の音楽をNHK歴代最年少で担当する。これまでに50を超える映画、TVドラマ等の音楽を手掛ける。主な作品は、映画『クライマーズ・ハイ』(2008)、映画『誰も守ってくれない』(2008)、ジブリ映画『思い出のマーニー』(2014)など多数。映画「64-ロクヨン-前編」(2016)で、第40回日本アカデミー賞優秀音楽賞を受賞。 2017年スタジオポノック初の長編映画「メアリと魔女の花」音楽担当

オフィシャルHP http://www.muramatsu-t.net
オフィシャルブログ http://ameblo.jp/takatsugu-muramatsu
オフィシャルTwitter @lnfo_Muramatsu
オフィシャルfacebook @info.muramatsu.takatsugu

日時:2017年8月9日(水)
時間:17:30open/19:00start
場所:ビルボードライブ東京

チケット:
・3Fサービスエリア(指定席)¥5,500
・カジュアルエリア(指定席)¥4,000(1Drink)
お問い合わせ:ビルボードライブ東京 03-3405-1133

 

 

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