取材：記事・写真/RanRanEntertainment
8月30日、都内にて行われたミュージカル・コメディ『パジャマゲーム』の公開稽古&囲み取材にて、主演北翔海莉と新納慎也、及び出演者全員による劇中歌が披露された。
（左から）ニック・ウィンストン、新納慎也、北翔海莉、トム・サザーランド
本作は1954年にブロードウェイで初演を迎えると、当時としては革命的ミュージカルとしてトニー賞最優秀作品を受賞し、その後、度々再演されている人気作品だ。今回『タイタニック』『グランドホテル』と続き、トム・サザーランドによる日本における3回目の演出作品となる本作に対し、「オリジナルの良さを残しながら、新しいバージョンをお届けし、今の時代にも受け入れられるようにしたい！」と公開稽古前に意気込むトムの姿が印象的だ。
劇中より「パジャマゲームオープニング」「時計と競争」「ブルータウン」「Steam Heat」の4曲が披露。出演者総出となるオープニングでは、1人1人のキャラクターや関係性が描かれる演出はトムらしさが全面に表れ、目まぐるしく舞台転換する様子はオープニングらしく華やかに始まる。「ブルータウン」では新納慎也が若く野心溢れるシドの心情を美しいメロディーの中歌い上げ、退団後初の舞台出演となる北翔海莉は「Steam Heat」で男性を引き連れながら、大人の女性の魅力たっぷりにセクシーに踊り、退団後初とは思えぬ堂々たるパフォーマンスを見せた。
公開稽古後、北翔海莉、新納慎也、トム・サザーランド、ニック・ウィンストンが囲み取材に応じた。
稽古2週目を迎え現在の印象を聞かれると「ワクワクする演出で、遊園地に行く気分で稽古場に来ています」と北翔。新納は「オープニングを見て、このミュージカルは勝ったな！と思いました（笑）」と強気にコメントし、続けて「日々、北翔海莉が女になって行く様子を間近で見れて嬉しい」と2人の仲の良さが垣間見える。
北翔は退団後初となる女性役について聞かれると「緊張していましたが、今回演じるベイブは芯のある強い女性なので、本来の自分のまま自然体で演じることができています」と落ち着いて語り、21年ぶりのスカート姿に対して「所作が難しくて、相手役だった妃波風に電話で教えてもらいました（笑）女役さんの大変さを今更ながら感じて、すごく感謝しています」と笑顔を見せ、新たな経験ができたことを嬉しそうに語った。
そして、今回久しぶりのイケメン役を演じることに新納は「台詞ってわかってるんですが、だんだん気持ちよくなっています（笑）こんなにイケメンの役は後にも先にもないと思うので、ぜひ見て欲しいですね！」と記者をわかせる場面も。
なぜこの作品が初演当時、破天荒だと言われたのかという質問にトムは「それまでのように美しく華やかな場所が舞台ではなく、初めて何もない場所にいる一般人を取り上げたミュージカルだった。そして、エンターテインメント性が強い中に、実は労働者の権利を勝ち取るための政治的なメッセージが込められた作品。また、ダンスにおける新しいスタイルを創り出した作品でもある。この強いストーリーを皆さんにも感じて頂いて、未来まで続く作品になればと思います」と真面目に語る場面もあり、この作品へのトムの強い思いが感じられた。
最後に「ミュージカルの面白さを再確認させてくれる作品になるのではないかなと思います！」と北翔が自信のほどを伺わせると、続けて新納は「日本で悲劇的な作品が多い中で、明るく華やかなThat’sミュージカル！！という作品を上演出来るので、純粋なミュージカルを楽しんでもらいたいですね」と意気込みを語り、今回の会見を締めくくった。
ミュージカル・コメディ『パジャマゲーム』
【演出】トム・サザーランド
【振付】ニック・ウィンストン
【出演】北翔海莉、新納慎也、大塚千弘、上口耕平、広瀬友祐、阿知波悟美、佐山陽規、栗原英雄、青山郁代、青山航士、天野朋子、音花ゆり、加藤良輔、神谷直樹、木内健人、弓野梨佳工藤広夢、鈴木結加里、田中里佳、永石千尋、村井成仁、米島史子
【公演概要】
2017年9月25日（月）〜10月15日（日）東京:日本青年館ホール
2017年10月19日（木）〜10月29日（日） 大阪:梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
【公式HP】
http://pajama-game.jp/
