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2019年4月25日 15:18

俳優・合田雅吏、役者生命をかけて全身全霊で役づくり! 映画『二宮金次郎』

取材;記事・写真/RanRanEntertainment

映画『二宮金次郎』の完成披露上映会が4月24日、虎ノ門のニッショーホールにて行われ、上映前の舞台挨拶に主演の合田雅吏とメガホンを取った五十嵐監督が登壇して作品について語った。

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本作は、小田原藩主から桜町領(現・栃木県真岡市)の復興を任された青年期の二宮金次郎(後の二宮尊徳)が”仕法”と呼ぶ独自のやり方で、660もの農村を復興させる姿が描かれる感動作。

合田はオファー時の感想について「実在の人物を演じるというだけでもハードルが高いのに、”小田原の偉人”ということで、また何段階もハードルが上がった。嬉しい気持ちが一番だけれど、どうすればいいかあがいていた」と当時の心境を語る。「俳優人生をかけて挑む」と決心した役だからこそ、意気込みは熱かった。模索中に、金次郎の生家にある銅像を見て「顔が祖父に似ていて、僕も年を重ねるとこんな顔になるんだ……」と親近感が涌き、「一気に肩の荷が降りて気が楽になった」と役作りへの過程を振り返った。

一方、五十嵐監督は金次郎役を合田にオファーした理由について聞かれると、「まずは、同郷(小田原出身)であるということ。それと、金次郎は大柄、体格が良く、実像に近かった。『役者生命をかけて臨む』と言ってくれた」とコメントし、合田が役者として魂を込め、全身全霊をかけて演じた姿勢を称賛した。

合田は、最初は体格のいい金次郎になりきるため、撮影前に70キロの体重を7~8キロ増やしたという。ところが断食のシーンから撮ることが決まり、五十嵐監督から「死にそうな感じ、ヨレヨレになってくれ」と言われ、筋肉づくりのプロティンと野菜だけの食事で、一週間で7キロ落とし、撮影に臨んだという。その後、五十嵐監督から「4日ほどで元に戻して」と無茶ぶりを受け、なんとか頑張って戻したという合田は「人間やればできるという教訓になった(苦笑)」と明かし、会場に笑いを誘った。

また、共演の田中美里(金次郎の妻・なみ役)について合田は「江戸時代の妻らしく、きっちりと(役を)作ってくれました。感謝しています」と語り、金次郎と対峙する藩から派遣された侍・豊田正作役を務めた成田浬(かいり)についても「役作りで中剃り(武士特有のヘアスタイル)をして演じてくれました」と語り、共演者・スタッフみんなが全身全霊で撮影に臨んでいたことを明かした。

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脚本は映画『武士の家計簿』の柏田道夫。五十嵐監督は「最初は僕が書いていたのですが、8稿まで書いても納得するものが書けず、その後柏田さんにお願いしました。柏田さんが16稿を重ねて、史実と家族愛などを含めてドラマチックなものに書き上げてくれました」と明かす。当日会場に来ていた柏田さんを五十嵐監督が声を掛けて紹介する一幕も見られた。

 最後に、五十嵐監督は「二宮尊徳(金次郎)が唱えた4つの美徳(至誠、勤労、分度、推譲)は、今の時代にはなくなってきていますが、作品の中には込めたつもりです……」と語った。

合田は「全身全霊をかけて作り上げた作品です。ひとりでも多くの方に観ていただきたい」と頭を下げた。「目標は100年後にも残る映画。金次郎がしたことは、没後150年たっても色あせていない。この時代だから必要とされているものだし、今日の上映がその一歩です」と力強くメッセージを送った。

映画『二宮金次郎』は、6月1日より東京都写真美術館ホールで公開。製作委員会では、映写機とスクリーンを積んだバン「二宮金次郎号」で依頼に応じて全国を巡回上映する。

 

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