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2019年5月6日 00:54

超人気ピアニストの福間洸太朗、金子三勇士 登壇!ラ・フォル・ジュルネ TOKYO 2019で映画『蜜蜂と遠雷』スペシャルトークイベント

取材:記事・写真/RanRanEntertainment

GWに恒例となったクラシック音楽の祭典「ラ・フォル・ジュルネ TOKYO 2019」の特別企画として松岡茉優主演、そして松坂桃李、森崎ウィンらが共演する映画『蜜蜂と遠雷』(104日全国公開)のスペシャルトークイベントが55日(日・祝)東京国際フォーラムにて開催され、本作の監督をされた石川慶、本作の主題曲『春と修羅』を作曲した藤倉大、そして出演者たちのピアノの音を担当した福間洸太朗(松坂演じる明石役のピアノ演奏)、金子三勇士(森崎演じるマサル役のピアノ演奏)が登壇した。

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左から:藤倉大、福間洸太朗、金子三勇士、石川慶監督

 

本作は、史上初の快挙となる<直木賞>(第156回)と<本屋大賞>(2017年)のW受賞を果たした恩田陸の代表作「蜜蜂と遠雷」の実写映画化で、ピアノコンクールを舞台に若手4人のピアニストの才能、運命、成長が描かれる。

ラ・フォル・ジュルネで行われるコンサート開演前に流れる曲も作曲している藤倉は、「実は石川慶監督とは初めましてなんです。金子三勇士君とも会ったことがない」と驚きの告白。主題曲の作曲について「小説の中に『春と修羅』の描写が事細かに書かれている。描写があったところをスマホで写真に撮って、小説に書かれているそのまま(に作曲した)。高音のトレモロとか、曲が終わるところでラフマニノフのなんとかという曲に自然に繋がると書いてある文章のとおりに作曲した」とコメント。さらに「4つあるカデンツァは4人がそれぞれ即興する。それもどういう風に即興するかも細かく書いてあるので、4人のキャラクターを考えつつ4人分のカデンツァを書きました」ときっちり説明した。

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国内外のコンクールで活躍をみせ、アイスショー「Fantasy on Ice」(2015年)で羽生結弦と共演した実績を持つ福間は、映画のために演奏する難しさについて、「自分自身の解釈とか、どういう風に弾きたいかは横に置いといて、明石は妻子をもち、楽器店に勤めている。子供がいるかいないかでも自分と全然違う。その中で無条件の愛とかそういったものを含めながら弾いてみようと思いました」と語った。

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一方、別会場でリストのピアノ・コンチェルトを弾き終えたばかりで遅れての登壇となった金子は、「速めのテンポで弾いてみたんですけど、間に合わなかったです」のジョークに会場爆笑。同じテーマについて「マサル役なんですけど、原作のマサルもマサルを演じる役者さんも、自分に共通している何かを感じます。複数の文化の血が流れ、複数の文化の間で生まれて、(金子の父はハンガリー人であることから)役柄と自分が同化していくんです。いざ、映画のための録音に行っても、ホールに入った瞬間、マサルになった。久しぶりに自分たちもコンクールに出た気分になりました。新曲が短期間で配られ、それも大変なカデンツァが入っていて」と当時の心境を語った。

カデンツァについて、福間は「ぱっと見は難しくないんですけど、いざ弾いてみると、すごく難しく、繊細で弾きにくいですけど、弾けるようになったときの、幻想的な独特な響きが随所に隠されている」と評し、金子は「美しい作品だなと思ったのが第一印象。どのくらいの長さの曲になるか尺を測らないといけないというので、楽譜が送られてきた数日後に動画を送ってくださいという宿題が来たんです。いざ、弾いてみたらとにかく音が多いです。最後のマサルのカデンツァはリストの超絶技巧練習曲を弾いているんじゃないかというくらい、オクターブ、オクターブ・・・という感じで、短期集中型の準備期間も楽しい作業でした」とコメントした。

本作の映像化について、石川監督は「恩田さんが目に見えない音楽を文字で表わした。映画で何が出来るかやってみたいというのが素直な気持ち。その中で音楽だけは妥協しちゃいけないと、脚本もそこそこの段階でピアニストのキャスティングが始まって、恩田さんから藤倉さんはいかがかと言う話があって。音楽ベースのところから決まっていったというのが、映画の作り方としても面白いプロセスになった気がします」と語った。

最後に、各人が映画への期待感などを述べる。金子は「原作によって、ピアニストやピアノの世界で生きている人たちのドラマを皆さんに知っていただける重要な機会だと思います。クラシック音楽に興味をもっていただければと思います。素晴らしい映画を楽しみにしていただきたいです」、福間は「音楽の深いところ、ピアニスト一人一人出す音が違ったり、解釈が違うところを楽しんでいただきたいと思います」、藤倉は「4人のピアニストがそれぞれ違うように弾いています。何回も映画に通って聴き較べてください」、そして石川監督は「主人公は音楽だと思います。ここにいらっしゃるクラシックファンの方に届くように創っているつもりです。劇場にはコンサートを、コンクールを聴きに来るつもりでいらしていただければと思います」と力強く締めくくった。

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主演・松岡茉優が演じる栄伝亜夜のピアノ演奏は河村尚子、そして松坂桃李演じる明石高島のピアノ演奏が福間洸太朗、森崎ウィン演じるマサルのピアノ演奏が金子勇三士、鈴鹿央士演じる風間塵のピアノ演奏が藤田真央と、超豪華ピアニストが勢揃いしている。

映画『蜜蜂と遠雷』は104日より全国公開される。

 

 

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