取材:記事・写真/RanRanEntertainment
城田優が主演を務めるブロードウェイミュージカル『ピピン』日本語版公演が6月10日から東京・東急シアターオーブにて開幕する。この前日となる9日、同劇場にてゲネプロが公開され、城田とクリスタル・ケイが会見に出席した。
美しくカリスマ的な“リーディングプレーヤー”率いるアクロバットサーカス一座に誘い込まれた悩める若き王子ピピン。人生を変える情熱に駆られる彼は「特別な何か」を探し求める旅に出る。しかし戦に出ても空虚な恋愛にふけっても彼の心は満たされず、ついには旅の途中で行き倒れてしまい―。
ピピン役の城田は開口一番「断言しますし、前言撤回もしません。今まで城田優が演じてきたミュージカルで、一番チャレンジングであり、スリリングであり、誰が見ても凄さが目で見て分かる作品です。今後、僕が演じる役で、これ以上の役はありません。男に二言はない!」と興奮を口にした。続けて「宣伝文句じゃないですが、観れば分かります!」と語気を強めた。
また、城田は共演のリーディングプレーヤー役のクリスタル・ケイを見ながら「彼女は初ミュージカルで、この役をやるという事は本当にすごい事。お芝居で求められる事も高いし、歌も難しい。我々はブロードウェイチームからブロードウェイで上演されトニー賞を取ったレベルより高いものを求められているんです。彼女はそれを見事に超えてきています」と相方をリスペクト。
「俺は芝居以上にアクロバットの練習にいちばん時間を使った」と城田。パフォーマンスの中ではバク宙もあるとの事。「稽古の二日目にアメリカ人の担当の人が『優、こっちおいで』と呼ばれてエクササイズを始めたので、これは何のため?と聴いたら『バク宙だよ』と言われ。え、俺バク宙するの?って(笑)」と驚きを隠し切れなかったエピソードを明かした。
城田は「今回しかやれないし、二度とできない役。次もし再演があったとしても年齢的にも役柄的にも今が一番マッチしているので。万が一再演に僕の名前があったら皆さんで総ツッコミしてください。そのくらい今回の公演に賭けています」と笑いを誘った。
クリスタル・ケイは「メールで、ブロードウェイ(ミュージカル)やらない?」と城田からオファーがあったことを話しつつ、「めっちゃハードルが高い!」と声を上げる。城田は「彼女がふさわしいと思った」と明かし「彼女のデビューをぜひ観てほしい」と期待を持たせた。
ゲネプロの模様をレポートしよう。
全てが見せ場と言えるかもしれないくらい、最初から最後まで華やかでドキドキさせる様々な演出が盛りだくさんの舞台。ミュージカルとして素晴らしい楽曲に溢れるだけでなく、空中ブランコを初めとする様々なサーカスのパフォーマンスも盛りだくさん。城田やクリスタル・ケイだけでなく、中尾ミエもそのパフォーマンスに「歌いながら」参加している点は見どころだ。
城田のピピンは優しい歌声が、ただひたすらに自分が満足できる何かを探し続ける王子様役にピッタリ。冒頭で今井清隆演じる父チャールズとのコミカルなやりとりや、徐々に自我が目覚めてくるが、何かとズレてしまい、大きな身体を極力小さくして落ち込む姿などなど、賢さと世間知らずが同居する可愛い王子様役を熱演していた。
そして、クリスタル・ケイ。初ミュージカルとは思えないくらいの声量と表現力に富んだ歌声、そして要所要所で見せるフォッシースタイルも抜群。人生に悩むピピンを時には姉、あるいは友人、あるいは人生の師のように次々と導き、また時には突き放す立場を見事に演じ分けていた。
「観れば分かります!」と城田が何度も口にした興奮が十二分に伝わる本作。この舞台は文字通り「一見にしかず」なエンターテイメントショーだった。
最後に耳より情報をひとつ。幕間の休憩時間は、気持ち早めに席に戻って来た方がいい事あるかも、とだけここに記しておこう。驚きもしくは嬉しいサプライズに出会えるかも!?
ミュージカル『ピピン』は、以下の日程で上演される。
【東京】
日程:2019年6月10日(月)~6月30日(日)
会場:東急シアターオーブ
【名古屋】
日程:2019年7月6日(土)、7月7日(日)
会場:愛知県芸術劇場 大ホール
【大阪】
日程:2019年7月12日(金)~7月15日(月・祝)
会場:オリックス劇場
【静岡】
日程:2019年7月20日(土)、7月21日(日)
会場:静岡市清水文化会館マリナート 大ホール