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2021年9月24日 19:20

中村勘九郎&中村七之助、笑福亭鶴瓶の落語の歌舞伎化『赤坂大歌舞伎』で再演へ! オンライン製作発表会見

取材:記事/RanRanEntertainment・写真/オフィシャル

TBS開局70周年記念『赤坂大歌舞伎』オンライン製作発表会見が9月24日(金)に行われ、中村勘九郎と中村七之助が公演への思いを語った。

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左から) 中村七之助   中村勘九郎

本作は、十八代目中村勘三郎の「芸能の街・赤坂で歌舞伎を!」という一言から2008年にスタートし、誰にでも親しみやすい演目で幅広く人気を博してきた名物シリーズ。2013年からは勘九郎、七之助兄弟が亡き父の遺志を継いで公演を続け、更なる進化を遂げてきた。第6回目の上演は昨年5月に予定されていたが、新型コロナウイルスの感染拡大により中止を余儀なくされ、今回、演目も新たに11月に上演が決定。『廓噺山名屋浦里(さとのうわさやまなやうらざと)』、『越後獅子(えちごじし)』、『宵赤坂俄廓景色(よいのあかさかにわかのさとげしき)』の3作が披露される。

さらに今回は、記念すべき第1回公演に出演した中村扇雀をはじめ、片岡亀蔵、中村虎之介、中村鶴丸が出演。勘九郎の長男、中村勘太郎と次男、中村長三郎も「赤坂大歌舞伎」初登場する。

0924『赤坂大歌舞伎』製作発表会見_会見風景_中村勘九郎様s


会見で勘九郎は、「昨年はコロナの影響でやむなく中止ということでとても残念でした。脚本も出来上がっていて、スタッフも揃っていて、あとは稽古に入るだけという状況だったので悔しい思いでしたが、その分、今年に懸けるという思いです」と挨拶。七之助も「今年も赤坂に戻ってこられました。『廓噺山名屋浦里』は再演したいと兄弟でも話していましたし、いつか再演できたらと思っていた作品なので、今回、やらせていただくことになりとても嬉しく思っています」と思いを語った。

0924『赤坂大歌舞伎』製作発表会見_会見風景_中村七之助様s


七之助が言及した『廓噺山名屋浦里』は、笑福亭鶴瓶の新作落語を歌舞伎として創作した作品で、2016年の「八月納涼歌舞伎」で初めて上演された。勘九郎は、「鶴瓶師匠がかけていたのを聞きにいきました。落語を聞きにいくと情景や景色が見えてくるものなんですが、いざ(同作が)始まると2分くらいで、歌舞伎座の大道具が見えてきたんです。『これは絶対に歌舞伎にしたい。浦里というキャラクターは七之助にぴったりだ』と思い、楽屋で直談判しました。そうしたら、快く良いと言ってくれて、1年もしないうちに歌舞伎化した作品です」とその経緯を説明した。


0924『赤坂大歌舞伎』製作発表会見_参拝風景山車前写真①s


また、初演当時の思い出を聞かれた勘九郎は、千穐楽のカーテンコールだと話し、「幻想の中で終わる作品なので、カーテンコールが起こる演目でもないんですが、拍手が鳴り止まなかったんです。その時に、鶴瓶さんとタモリさんが見にこられていたので、上がってくださって、一緒になってご挨拶したのが忘れられないですね」と明かした。

ちなみに、江戸時代に名を馳せた花魁「扇屋の花扇」にまつわる実話を描いた『廓噺山名屋浦里』だが、この元の話を最初に知ったのがタモリで、タモリがそれを鶴瓶に落語化したらどうかと勧めたという経緯があったそうだ。

同作は、初演時にも大きな話題を呼んだが、勘九郎は「七之助がきれいだという感想が大変多かったです。それを受け止めて、私は『でしょう?』って」と振り返る。

0924『赤坂大歌舞伎』製作発表会見_参拝風景山車前②s


一方、七之助は「女形の後輩たちがここぞとばかりに楽屋に押し寄せてきて、やりたい、やりたい、と。歌舞伎の女形は、死に物狂いで汗水垂らして一生懸命に前半をやるのに、死んで終わりとか、さっきまでの頑張りはどこにいっちゃったのというのが多いんですが、この作品に限っては女形がメインなんです。いろいろな色を見せながら最後までいる。だから、スカッとして、(尾上)松也は恥ずかしくて外に出られないくらいボロ泣きしちゃったよって言っていました。短い時間で女形のアップダウンがあるのがこの作品の見どころの一つなんじゃないかなと思います」と思いを述べた。

中村勘太郎 宣材写真ss

中村勘太郎

今回の公演では、勘九郎の長男である勘太郎による『越後獅子』も初披露される。勘九郎は、「父が遺してくれたもの、その空間に出てほしい。大人になってどれくらい覚えているかわからないですが、劇場の空気を味わうのと味わわないのでは全然違うので、父が遺したこの『赤坂大歌舞伎』に出してあげたいというお話をしたら、それを受けていただいて…ありがたかったです」と話した。そして、「10歳で1人で踊るのはなかなかできないことなので、本人も絶賛稽古中です」と笑顔で明かした。

中村長三郎 宣材写真ss

中村長三郎

最後に、勘九郎はコロナ禍での上演が続く現在のエンタメ界について「大変だと思います。先が見えない。これからも探り探りという状況がまだまだ続くと思います」とその苦悩を吐露しながらも、「これで一生を終わるつもりもないので、必ず、僕たちが見た満杯の景色を子どもたちに伝えていかなければいけないですし、初めて歌舞伎を見る方、昔から見てくださっている方にも以前の熱狂をまた再び味わってもらえると思います。これからも需要がある役者になっていかないといけないですし、お客さまからも需要のある作品、楽しみたいと思ってくださっていることを積極的にやっていかなければいけないと思っています」と力強く語って、会見を締めくくった。

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TBS開局70周年記念『赤坂大歌舞伎』

日程:2021年11月11日(木)~11月26日(金)
会場:TBS赤坂ACTシアター
出演:出演:中村勘九郎 中村七之助 他

公式HP:https://www.tbs.co.jp/act/event/ookabuki2021/

 

 

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