取材：記事・写真/RanRanEntertainment
渋谷にロンドンの街が現れた！超大作ミュージカル『オリバー!』が、いよいよ今週１０月７日(木)に本格的に開幕する。開幕直前の１０月４日（月）、公開舞台稽古がマスコミに向けて公開され、フェイギン役の市村正親と武田真治、ナンシー役の濱田めぐみとソニンを始め、４人のオリバーも勢揃い。ナンシーのソロ曲を含め、『オリバー!』の魅力が詰まった５曲が披露された。
1曲目に披露されたのは「彼に必要とされる限り」 (As Long As He Needs Me)。数多のディーバの名唱が残されるこのトーチソングを、ナンシー役の濱田がまるで全身を震わせるように切なく、それでいて力強く歌い上げた。濱田のなめらかな歌声で奏でるトーチソングは薫り高いビターコーヒーのように長い余韻を残してくれる。生のオーケストラに負けない声量も見事だった。
２曲目は、注目の市村親子の共演「ポケットからチョチョイと」(Pick A Pocket Or Two)。フェイギン役は市村、ギャング団は市村の13歳の長男・市村優汰が属するハックニー。そしてオリバー役は越永健太郎で披露された。ちょっとコミカルな曲を、抜群の安定感で歌いこなす市村。フェイギンの憎めない人柄がにじみ出るような独特の歌声が、透明感のある子供たちのコーラスの中で存在感をもって響いてくる。長男演じるギャング団のスネイク。素朴な佇まいながらキラリと存在感が光るのはやはりスターのDNAというべきか。何度かフェイギンと接近して歌うシーンにはひときわカメラのシャッター音が響いていた。
市村は親子共演について「息子がスネイク役で出演しています。時々舞台で目が合うんですけど、息子なんだけどスネイクでなんか不思議な気分。でもそれは僕に与えられた特権なのかな」とコメントしている。
3曲目は「これが人生」 (It’s A Fine Life)。ナンシー役はソニン、オリバー役は高畑遼大に替わった。濱田とはまた違った、親密で情感豊かなソニンの歌声が、ナンシーという役柄にぴったりだ。
4曲目は、「必ずここへ帰れ」(Be Back Soon)。フェイギン役が武田真治にオリバー役はエバンズ隼仁に替わるのだが、舞台でオリバーが行方不明になるハプニングがあったのだが機転を利かせた武田のアドリブで切り抜けた。ハプニングを吸収するこうした機転も武田が市村と同じフェイギン役に選ばれた理由の一つではないだろうか。にぎやかな行進曲のようなこの曲で、尊敬する市村を意識したような武田の低くて通る歌声が印象的だった。
ラストの曲「信じてみなよ」(Consider Yourself)は、ドジャ一役酒井禅功のソロからはじまりオリバー役の小林佑玖やギャング団ベッカムのリエゾンから総勢キャストのコーラスへと広がっていく華やかなフィナーレのようなワクワク感のある一曲。まるでロンドンの街に迷い込んだような舞台美術や衣装も素晴らしい。背景が動いていくことで、街に奥行きがでるのだが、どこを切り取ってもロンドンの街を描いた絵画のようで楽しめる。
武田は「ここが希望のはじまりです。この劇場から新しい希望のエネルギーが生まれるようにしたい」とこの舞台に賭ける意気込みを語ったが、この舞台には何かとてつもないエネルギーが溢れている。コロナで疲れた社会に多くのエールを贈ってくれそうだ。
ミュージカル『オリバー!』
【東京公演】
＜プレビュー公演＞
2021年9月30日(木)～10月6日(水)
＜本公演＞
2021年10月7日(木)～11月7日(日)
会場：東急シアターオーブ 渋谷ヒカリエ11階
【大阪公演】
期間：2021年12月4日(土)～14日(火)
会場：梅田芸術劇場メインホール
■オフィシャルサイト
https://www.oliver-jp.com/
■Twitter
ミュージカル『オリバー！』日本版公式（＠OliverMusicalJP）
https://twitter.com/OliverMusicalJP
■YouTube
『オリバー！』公式YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCH2fF5Bmcu54JLnunmkD_Yw
