取材：記事・写真/RanRanEntertainment
ミュージカル『ネクスト・トゥ・ノーマル』公開ゲネプロが3月24日（木）・25日（金）に、日比谷シアタークリエで行われた。さらに、公演初日となる25日には囲み取材も行われ、安蘭けい、望海風斗、海宝直人、甲斐翔真、岡田浩暉、昆夏美、橋本良亮、新納慎也が登壇した。
（左から後）藤田 玲 大久保祥太郎 渡辺大輔 岡田浩暉 橋本良亮 新納慎也
（左から前）屋比久知奈 甲斐翔真 望海風斗 安蘭けい 海宝直人 昆夏美
本作は、トム・キット（音楽）、ブライアン・ヨーキー（脚本・歌詞）のコンビによる2009年トニー賞11部門ノミネート、主演女優賞・楽曲賞・編曲賞の3部門を受賞、2010年にはピューリッツァー賞（戯曲部門）を受賞したミュージカル。現代社会が抱える家族間の絆やその崩壊、再生を中心に描きながら、心の病への向き合い方といった社会的なテーマを扱っている。2013年に日本初演された。
物語は、母、息子、娘、父という4人家族の朝の風景からスタート。母・ダイアナは不自然な言動をしているが、父・ダンは優しく愛情を持って接している。息子のゲイブとダイアナの会話はダンや娘・ナタリーの耳には届いていないようだ。実は、ダイアナは長年、双極性障害を患っていて、ここ最近、症状が悪化していたのだ。ナタリーは、そんな母の影響か反抗的で、クラスメートのヘンリーに家庭の悩みを打ち明けていた。ある日、ダイアナの症状をどうにかするため、ダンは主治医を替えることにする。新任のドクター・マッデンは、ダイアナの病に寄り添い、治療を進めていくが…。
会見で安蘭は、「2013年の初演で演じ、いつか再演できないかと思っていたので、こうしてようやくできて幸せに思います」と挨拶。初演時との違いについて聞かれると、「初演ではブロードウェイのスタッフが来られて、オリジナル演出で公演しましたが、今回は日本のオリジナル演出です。私たちもあの時感じていたことと今、感じていることも違います。（ダイアナが患っている双極性障害という病気について）みんながより理解してくれるようになったと思いますし、私たちもその世界に入りやすくなった」と言及した。今回は、舞台セットも大幅に変更されており、3階建てから2階建てのセットになった。
また、安蘭とともにダイアナをWキャストで演じる望海は、「（オファーを受けて）自分でもどうなるか分からない状態でしたが、製作さんの熱意を受けて、ぜひ挑戦させていただきたいと思って今に至ります。やればやるほどこの作品が大好きになるので、その気持ちを大切に、きてくださるお客さまに目いっぱいのものをお届けしたいと思います」と意気込んだ。
今回は、2チーム制での公演となるが、2チームのカラーの違いについて望海は「（演じる）人間が違うと違う世界になると思います。同じセリフ、同じ音楽でもまたちょっと違うものができるんだなというのは（安蘭チームのゲネプロを）観ていて感じました」と語った。
つりのミュージカルは初めてで不安でした。入りたてのジュニアに『ユー、明日からデビューだよ』といっているみたいな感じです」と苦笑いを浮かべ、「この面々に混ざるのは大変なことですが、昆ちゃん演じるナタリーを1ヶ月間、がっつり愛したいと思います」と意気込んだ。
会見の最後に、望海は「この時にこうして舞台に立てるってことがどれだけ幸せなことかということをすごく感じています。来てくださるからには、何か持ち帰っていただきたいなと思っています。すごく繊細な部分も扱った作品ですが、最後には希望を持ってお帰りいただけると思います。一生懸命生き抜きます」と力を込め、
安蘭は「双極性障害のダイアナを囲む家族の話です。題材は重いのですが、最後は希望で終わるところが私は大好きです。生かされている、生きている実感を感じらられる作品だと思います。この時期、この時代に届けられるメッセージがたくさん詰まっていると思いますので、それを持って帰っていただけるように、頑張って務めたいと思います」と語った。
ミュージカル『ネクスト・トゥ・ノーマル』は、以下の日程で上演。
東京公演：3月25日（金）〜4月17日（日） 日比谷シアタークリエ
兵庫公演：4月21日（木）〜4月24日（日） 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
愛知公演：4月29日（金・祝） 日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール
