
今月、3年半に及ぶ連載が書籍化されて話題沸騰中の芥川賞作家・村田沙耶香のベストセラー小説「消滅世界」が、気鋭の映像ディレクター・川村誠の初監督・初脚本により実写映画化。映画『消滅世界』が今秋に全国公開される。超少子化の先-「性」が消えゆく世界で激動する「恋愛」「結婚」「家族」のあり方に翻弄される若者たちを描いた本作は、「常識」という枠の中でもがく現代の私たち自身を映し出した合わせ鏡のような作品。「日本の未来を予言する小説」と各メディアで大きな話題となった圧倒的衝撃を川村誠が映像化に挑む。
そして、本作の主人公・雨音に蒔田彩珠の出演が決定した。蒔田は、ドラマ「ゴーイング マイ ホーム」(2012)をきっかけに、映画『三度目の殺人』(2017)、第71回カンヌ国際映画祭パルムドール 受賞作品『万引き家族』(2018)など是枝裕和作品の常連に。河瀨直美監督の『朝が来る』(2020)では中学生で母となった難役も熱演し、「第44回日本アカデミー賞」新人俳優賞受賞、「2020年第94回キネマ旬報ベスト・テン表彰式」助演女優賞、「第45回報知映画賞」助演女優賞を受賞など数々の賞を獲得。さらに、NHK連続テ レビ小説「おかえりモネ」(2021)や、日曜劇場「御上先生」(2025)に出演すると「振り幅がすごい」「神演技」などと SNSで話題に。数々の名監督から熱視線を浴び、その確かな実力で業界の注目を集める最旬女優が、刺激的なテーマを内包した圧倒的衝撃作の実写化に挑む。
蒔田は「この物語を、初めはSFと感じる人が殆どなのではないでしょうか。私自身も、ありえない世界、経験するはずもない気持ちをどう表現するか、壮大なファンタジーをリアルに演じるには、と難しさを感じていましたが、そんな心配は必要ありませんでした。どんどん物語に引き込まれ世界観が変わっていき、これは未来の現実?とまで考えてしま いそうになる自分が怖くなりました」とコメント。
蒔田の起用理由を川村は「兼ねてより俳優としての蒔田さんの存在感と演技力に底知れないポテンシャルを感じていた」と明かした。蒔田は「今、当たり前と思っている現実は作られたものであり、貫いているつもりの自己も危ういのではないか。脳内が刺激され、人生について深く考えさせられます。観てくださったみなさんの感想が楽しみな作品です」と期待を寄せ、本作の場面写真も初解禁となった。 ©2024 air vision networks
<STORY> 人工授精で、子どもを産むことが定着した世界。そこでは、夫婦間の性行為はタブーとされ恋や性愛の対象は「家庭の外」の恋人か、二次元キャラというのが常識に。そんな世界で「両親が愛し合った末」に生まれた主人公・雨音は、母親に嫌悪を抱いていた。家庭に性愛を持ち込まない清潔な結婚生活を望み、夫以外のヒトやキャラクターと恋愛を重ねる雨音。だがその“正常”な日々は、夫と移住した実験都市・楽園(エデン)で一変する。