
第79回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に正式出品された深田晃司監督最新作『ナギダイアリー』のジャパンプレミアが8月29日(土)に、東京・新宿ピカデリーで開催され、舞台挨拶には主演の松たか子、共演の石橋静河、松山ケンイチ、そして深田晃司監督が登壇した。
ワールドプレミアとなった本年度のカンヌ国際映画祭コンペティション部門の公式上映で は、約7分間にわたるスタディングオベーションが巻き起こり、既にフランスや台湾など15を超える国と地域での公開が決定。「卓越した脚本」「心奪われた」「誰かに”理解される喜び” に胸を打たれる」「深田晃司監督の紛れもない到達点だ」と海外メディアからも高い評価を集めている。

主人公・自然豊かな町「ナギ」に生きる彫刻家の寄子を演じた松は「カンヌでの上映を経て、やっと日本でご披露させていただく日を迎えることができました。とても興奮しております。皆さんのお気に入りの一本になってくれることを願っております」と挨拶。
寄子の幼なじみで役場に勤める好浩役の松山は「僕だけカンヌ行けてなくて、三人からじっくり聞きたいです。どんなご飯屋さんに行ったとか、楽しみです」とほんのり笑わせた
早速、カンヌの話題に。松は7分間のスタディングオベーションに加え「(松山演じる)好浩さんにお客さんも反応してクスクス」と意外な反響を口にすると、松山は「受けることなんかしたっけって?」と怪訝そう。深田監督は「海外の反応って日本とは異なるので、意外なところで笑いが出たり・・・」と観客の予想外の反応に満足していた。

寄子の弟の元妻であり建築家の友梨役の石橋は「温かかったっていうのが印象に残っていて、どうジャッジされるんだろうとドキドキでしたけど、字幕を追いながら皆さん一生懸命前のめりに観てくれて、クスクス笑ったり、あ~と言いながら観てくださったのがすごく嬉しかったです」と反響にほっとしていた。
松山は「(三人と)お会いするのは撮影以来なんです。先ほどお土産をいただいて、カンヌのベトナム料理屋で買ったフォーのTシャツ。これは、めちゃくちゃ貴重だなと思います。でも、びっくりしたんですよ。どんぶりの絵が描かれていてなんだろう?と思った。最後の写真撮影のときに持ってきてもらうので、ぜひ皆さんに見てもらいたい」と笑顔で話した。

本作は、深田監督が平田オリザの代表作「東京ノート」に着想を得て、監督自らオリジナル脚本を執筆。「東京ノート」の精神を受け継ぎつつ、岡山県奈義町をモデルにした架空の町「ナギ」を舞台に新たな物語を描いた。深田監督は「構想9年。随分時間を使っちゃったなと思うんですけど・・・。2016年8月に初めて行った岡山県奈義町を舞台に新しい脚本にしていこうと、町の人たちにたくさん話を聞きました。10ヶ月間ぐらい滞在して、イベントに参加したり、春夏秋冬全部行って、豪雪に埋もれて動けなくなったりとか、いろいろ経験しました」と振り返った。

自然豊かな奈義町での撮影では、松と石橋の住まいはお隣さん同士。松は「お互い多く作ったご飯をもらったりあげたり」と話すも「カメムシがどっからともなく落ちてきまして。ほんと虫が苦手で。髪を洗って乾かそうと思ったら、ここから(髪の毛から)落ちてきまして、あら~と思った」と閉口したことを明かした。
一方、虫には慣れ親しんでいる松山は「今回、僕はちょっと我儘を言って、WiFiが使えるところをお願いしたら、それがすごい豪華な一軒家だったんです。カメムシは1匹も見なかったですね。本当にすみません」と平謝りしたものの、「せっかく大きいんだったら、川口君(好浩の息子・春樹)と藤原君(春樹の親友・圭太)を呼んで、その子たちと三人暮らしをしていました。親子の距離感を作れたらと思って、一緒にご飯を作ったり、ケーキを作ったりしていました」と有意義な生活を送っていたことも明かした。

イベント終盤には、サプライズゲストとして、彫刻指導で撮影に参加していた吉田愛美さんが登場。松が演じる寄子をイメージして製作した彫刻作品を松に直接プレゼント。松は「吉田さんから、面で捉えていくところ、大胆なところから細部にいくところを教わって、すごく勉強になったし、本当に感謝しています」と改めて謝意を送っていた。

映画『ナギダイアリー』 9月25日(金) より新宿ピカデリー、ユーロスペースほか全国公開
配給:スターサンズ © 2026 ナギダイアリー・パートナーズ (スターサンズ/八朔ラボ/ワンダーストラック) / Survivance / Momo Film Co.

