取材:記事・写真/RanRanEntertainment
トム・べレンジャーが凄腕狙撃手トーマス・ベケットを演じる人気戦争アクション映画『山猫は眠らない』のシリーズ最新作、『山猫は眠らない8 暗殺者の終幕』が2020年8月14日(金)から劇場公開される。今作では秋元才加が謎の暗殺者ユキ・ミフネを演じ、本格的なガンアクションに挑戦。トーマス・ベケットの息子、ブランドン役を演じるのは第4作からお馴染みのチャド・マイケル・コリンズ。第1作から27年、ベケット父子がシリーズ最大の危機に挑む。本作品がハリウッドデビューとなった秋元才加に、撮影秘話と作品の見どころを聞いた。
――ハリウッド映画に初出演おめでとうございます。
ありがとうございます。
――以前からハリウッド進出したいという気持ちはあったのですか?
ぼんやりと海外作品に出られたらいいなとは思っていました。でもいろいろな夢の中でこれは絶対叶えたいという感じではなくて、30代になって、自分の人生設計を見ていく中で、「この歳で今から海外挑戦?どうなんだろうな」と思って、オーディションでもチャンスがあったらやってみたいという感じでした。その時にソニーさんからお話をいただいて、オーディションがあるなら受けさせていただきたいですということで役が決まりました。自分も予想していないタイミングで急に決まったという感じでした。
――この作品はシリーズものですが、どう捉えていらっしゃいましたか?
事前に「人気の長寿シリーズで、『スパイダーマン』の大先輩で、『スパイダーマン』よりも続いているんですよ。いい役だし、秋元さん、これはすごいことなんですよ」と言われましたが、スケールが大き過ぎて実感があまりなかったです(笑)。海外でキャリアが全然なくて抜擢していただいたのは、何かを感じていただけたのかなと、これは自信を少しつけてもいいのかなという感覚はありました。
女性は特にこういった(※戦争アクション)ジャンルになかなか接する機会がないですよね。私も無かったので、わからないことがけっこうあり、監督や海外の方が私がやるこの日本人役に何を求めているのか、分析したいと思い、梶芽衣子さんが出られた『修羅雪姫』や『アメリカン・スナイパー』といった作品をいくつか見て、撮影に臨みました。
――オーディション前から役についてご存知だったのでしょうか?
いえ、全然知らなかったです。こういった役でということは云われていましたが、オーディションを受け、台本を見たら「けっこう出てくる。ほんとに二番手の役なんだ」と思いました。最終的にスクリプトの名前を見るまでは自分が二番手の役で出るとは信じられなかったです。こんなに初めてで、こんなにいい役で出ていいのかなと半信半疑でした。
――秋元さんが演じたミフネ・ユキ役についてはどのように思われましたか?
シリーズ8までにいろいろと映画のストーリーもリニューアルしたり、試行錯誤してここまで続いているのですが、今回の私のキャラクターのような存在は初めてなんです。シリーズ1は戦争、アクションものだったのですが、だんだん変わってきて、現代ものになってきました。今回アメコミキャラクターみたいな、リアルな人間だけれども『X-MEN』のような、一人だけ難しい立ち位置のキャラクターだなと感じていました。ミフネという役名を見た瞬間に、だいたいこういう日本人像を求めているんだなという、
ステレオタイプの日本人。今後変わっていかなればいけないし、いくとは思うのですが、忍者、サムライ、武道、的な日本人のキャラクターなのかな?と当初は考えました。
『修羅雪姫』の梶芽衣子さんが海外の中で日本人の女優として人気だと知り、やはりこうした強さを海外の人が欲しいのだと、日本のお芝居とはアプローチを変えなくてはいけないと思いました。主役のチャドさんが「動」の動きをクイックにするとしたら、私は「静」の部分を担い、重々しく、動くような。
――監督さんからアドバイスがあったのですか?それともご自身でキャラクターを考えたのですか?
監督とディスカッションをし、私は、あんまり無駄な動きはせずに、ぶれない強さを出したい、竹みたいな。そういう私の日本人のイメージを話し、「あなたたちが思っている日本人のイメージと、このイメージどう?」とお聞きしたら、「その通り。チャドがクイックに動くから君は厳しさと強さと冷徹さを出して欲しい」といわれて、芝居をしました。
――チャドさんやトム・べレンジャーさんとはいかがでしたか?
トム・べレンジャーさんとはあまり絡むシーンがなかったのですが、チャドさんはたくさんアクションのシーンもあったので、私が初めての撮影で不安だったこともあり、すごく寄り添ってくださり、一緒に練習もしてくれました。すごく気を使って撮影の雰囲気を作ってくれました。
――激しいシーンの連続でしたが、日本でこういった経験はあったのですか?
数年前に『牙狼<GARO>』という作品でアクションをやらせていただいたり、多少の経験はあったのですが、こういう風にすごく格好よくスタイリッシュに撮っていただけたのはすごく嬉しかったですね。
――何テイクもやるのでしょうか?
そうですね。アクションも振り付けと一緒なので、手数が1、2、3、次蹴るとか決まっていて、合わせてアクションをやるのですが、もう一度かな?と思っても、アクション撮るのに慣れているカメラマンさんが「大丈夫、今のいけた!」って、すごく頼もしくて、“自分が凄く強く見える!”ということが嬉しかったです(笑)
――その都度チェックということですか?
アクション監督のブレッド・チャンさんという方がいらしたのですが、そのブレッドさんがフィリピンのルーツを持っていて、私もフィリピンのルーツがあるので、そこですごく意気投合して、「この子できるから、本人でやらせてあげたいんだけど」とか声をかけてくださって、撮る度に「才加、今のここすごく良かったよ」って見せてくれたりしたので、お仕事しているけど、ほんとに学ばせてもらっている、すごく刺激的な学びの場になりました。
――アクションの準備はしたのですか?
この役が決まるまで、3か月ぐらいしかなくて、今まで日本で仕事をするときにはあまり大きく見えると役柄も狭まってしまうので、筋肉つけるトレーニングはそんなにしていなかったのですが、この役のために体を大きくするトレーニングに切り替えて増量はしました。実際に劇中で持たせていただく銃が10kgぐらいあったので、自然に撮影中に体がアクションの体にちょっとずつなっていったなと思います。
映画『山猫は眠らない8 暗殺者の終幕』
2020年8月14日(金)より公開
ストーリー
外交官が何者かに暗殺された事件。狙撃兵ブランドン・ベケット(チャド・マイケル・コリンズ)は容疑者として疑われてしまう。CIAと、彼の命を狙う集団から追われる身となったブランドン。逃げまどい向かった先は、狙撃兵を引退した父・トーマス・ベケット(トム・ベレンジャー)が生活する山小屋。ブランドンはトーマスにこれまでの顛末を打ち明けて、事件解決のため協力を求めるが、そこに謎の暗殺者(秋元才加)が現れて・・・。
監督 カーレ・アンドリュース
脚本 オリバー・トンプソン
製作 ヴィッキー・ソーサラン、グレッグ・マルコム
出演 チャド・マイケル・コリンズ 秋元才加 トム・ベレンジャー
公式ホームページ https://www.sniper8.jp
配給 ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
© 2020 Sony Pictures Worldwide Acquisitions Inc. All Rights Reserved.
後編~https://ranran-entame.com/wp-ranranentame/movie/68442.html