取材:記事・写真/RanRanEntertainment
――Dedachiさんが、そもそも音楽を始めたのはどういうきっかけだったのですか?
小さい時から教会に通っていたので、賛美歌をずっと聴いていてとにかく音楽が好きで歌ってばかりいたらしいです。教会のクワイア(聖歌隊)にも入っていました。ある日YouTubeとかを見始めて、シンガー・ソング・ライターのような人もいるんだと知って、僕もこれをやりたい!と思ったんです。
――14歳の時にYouTubeを始められたのは、音楽の道を目指すのが前提だったのですか?
始めた時は、まぁ14歳なので好きでやっていただけなんですけど、続けているうちに、いろいろな国の人からコメントが返ってきて、これはもっと追及していくべきなんじゃないかと思うようになりました。
――その時はカバー曲ですか?
はい。そうですね。アコースティックでギターを弾いて歌っていました。
――コロナの影響で帰国されているわけですが、今はどういった活動をしていらっしゃるのですか?
今は音楽に打ち込む時間は限られていますが、大学生活とバランスを取りながらどちらも両立させられるようやっています。
――オンラインで授業を受けていらっしゃるのですか?
はい、3月以降、今学期もオンラインになってしまったので。たぶんキャンパスがオープンしたら、また(LAに)戻れると思います。
――今の状況は、音楽に影響は出ていますか?
そうですね。僕が音楽を作るときは、人を励ます、人を元気にする音楽を作りたいと思っているんです。コロナを始め世界中でたくさんの問題が起きているので、こういう時にこそ必要な歌があるんじゃないかなと感じています。
――新しく作られた曲はありますか?
はい、曲もたくさん書いていますね。
――Dedachiさんの音楽はどんな人に聴いてもらいたいと思っていますか?
もちろん沢山の方に聴いてもらいたいんですが(笑)。まずはテーマがわかりやすく伝わらなければ意味がないと思っていて。今回、「アイ・キャン・オンリー・イマジン」でも意識したのは、そこです。賛美歌って覚えやすいんですよ。そしてみんなが一緒に歌えるのが賛美歌のいいところなんですよね。この曲には賛美歌と同じような要素があって、訳す時にも、聴いてくださった人の耳にすーっと入ってくる日本語にしたいと思いました。
――曲作りのスタイルは?
いろいろですね。映画を観てインフルエンス受けて書く時もあるし、テーマが決まっていて書くこともあります。
――パッと浮かぶこともあるのですか?
そうですね。シャワーの中で、歌いながらパッと浮かぶこともあります。
――映画の話に戻りますが、主人公バート・ミラードは曲作りに行き詰った場面がありましたが、Dedachiさんはそういった時にはどのように乗り越えていらっしゃいますか?
曲づくりに行き詰ることはしょっちゅうあるんですけど(笑)、諦めないっていうか。書いている曲が泥のような曲でもきれいな水が出るまで出し続けて、ともかく書き続ける。その曲を書き終えてから次の曲に行く、そういうマインドセットでやっています。
――その曲を途中で置いておかないのですね。
はい。失敗を重ねても、好きじゃない曲でも、一応終わらせて、次はもっといい曲を書こうという気持ちでつくっています。
――曲作りだけでなく、人生の中で行き詰ったことはありましたか?
アメリカに行く時は相当悩みました。行ったことのない街でしたし、キャンパスを見学に行くこともできなかったですから。家族も知り合いもいない場所に行くのは自分にとっては大きな選択でしたね。それから、去年、音楽と勉強をどちらも頑張ろうとしてけっこう大変な時期がありました。大学のセメスター中に日本に帰ってこなければならない時や、時差ボケの中で授業を受けたり、課題もやらないといけなくて、仕事もこなしながらの大変さを痛感したんですけど、友達や家族、周りのスタッフの方々が励ましてくださって、それで乗り切ることができました。
――映画の中ではバートと父親との葛藤がありますよね?Dedachiさんはそういったことはありましたか?
僕はないですね。
――お話を伺っているとご家族仲がいいというのが垣間見れます。
家族とはめちゃくちゃ仲がいいです。ケンカをしたこともないかもしれません。
――ご兄弟は?
8人姉弟で、上に姉がひとり、下に6人います。
――映画の主人公のようなことはないのですね
そうですね。コロナとかもありますけど、自分があれほどにまで落ち込んだ経験はありません。
――今後やってみたいことは?
コロナが終わったら、いろいろな人と音楽をしたいですし、ライブもやりたいです。
去年までのようにアメリカと日本を行ったり来たりして、どちらの国でも音楽ができるといなと思います。
――ファンの方にメッセージと映画を観にいらっしゃる方に向けて見どころも含めてメッセージをお願いします。
今、コロナでみなさんストレスを抱えていると思いますが、辛く苦しい時でもそれを乗り越えるヒントをもらえる映画なんじゃないかと思います。僕自身もすごくピースな気持ちになれたので、そういうピースが欲しい方にはぜひ観て欲しいです。
見どころとしては、赦し、愛がテーマの映画なので、そういうところにフォーカスして観てもらえたら嬉しいです。
――ありがとうございました。
◇ストーリー
バート・ミラードは、暴力的な父アーサーのもとで幼少期を過ごしていた。そんな環境でも優しさを忘れなかったバートは高校時代に歌の才能を見出されると、遂に父のもとを飛び出し、音楽の道へ進むことに。ミュージシャンとして順調にキャリアを積んでいったが、ある日、音楽業界の手痛い洗礼を受けた事で自信を無くし、全てを捨てて故郷に戻った。そこには過去の自分を悔い改め、バートと解り合おうとするアーサーが待っていたが・・・。
■映画『アイ・キャン・オンリー・イマジン 明日へつなぐ歌』
監督:アーウィン兄弟
出演:J・マイケル・フィンリー デニス・クエイド
マデレイン・キャロル レイス・アドキンス 他
配給:EASTWORLD ENTERTAINMENT、カルチャヴィル
11月13日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷、他 全国順次公開
公式サイト
https://www.universal-music.co.jp/icanonlyimagine/
■日本公開版エンディング・テーマ曲
DedachiKenta
「アイ・キャン・オンリー・イマジン feat. 小坂忠」9月16日デジタルリリース
日本語詞:Kenta Dedachi、小坂忠
編曲:KOSEN(Colorful Mannnings)、DedachiKenta
原曲 作詞・作曲:MercyMe
レーベル:newborder recordings
リリース情報
https://www.office-augusta.com/dedachikenta/info.html
DedachiKenta公式サイト
https://www.office-augusta.com/dedachikenta/index.html
(文:高橋美帆/写真:篭原和也)