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瀧内公美&神尾楓珠 出演作・映画『裏アカ』加藤卓哉監督インタビュー 「観た方それぞれが何かを感じられる作品に」

2021/4/8 03:50

取材:記事/RanRanEntertainment 写真/RanRanEntertainment・オフィシャル


瀧内公美&神尾楓珠が出演する映画『裏アカ』が現在公開中だ。同作は、「TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM FILM 2015」で準グランプリを受賞した加藤卓哉監督のデビュー作。アパレルショップの店長として働きながら、SNSの裏アカウントの沼にはまり込み、自分を見失った主人公・真知子(瀧内)の姿を描く。加藤監督に本作の制作に至った経緯や、本作に込めた思いを聞いた。

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――本作は、どのような発想から生まれたのですか?


この作品は、TSUTAYAさんが行っている「TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM FILM 2015」で準グランプリをいただいた企画です。僕はずっと映画の助監督をしてきたのですが、当時は、監督になれない自分に対していろいろと悩んでいた時期でもありました。自分が監督として表現していくにはどんなテーマがいいのだろうと考えていく中で、「裏アカウント」というものが流行り始めていることを知り、興味をもったことがきっかけでした。普段書けないことを書き込んだり、表に出せないことを裏で吐き出すという世界があるのを知り、ある意味なりたい自分になれる場所がSNSというツールの中に広がっているというのは面白いなと思ったんです。そこから実際に自分で裏アカウントを作ってリサーチをして、脚本にまとめていきました。

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――なるほど。企画段階から6年を経た今は、SNSは多くの人が当たり前にやっていて、「裏アカ」の存在も広く知られていますよね。


そうですね。当時TwitterやInstagramでは、やっている人もいるという程度の限られた世界だったと思いますが、今はどんどん世界が広がっている印象があります。

――裏アカのリサーチはどんなことをされたんですか?

本名を明かさず、自分であることを隠したアカウントをいくつか作ったんですよ。アイドルを追いかけているという設定にしたり、真知子のように際どい画像をリツイートしてみたり、それぞれにキャラクターをつけて運営してみました。実際に、フォロワー数が4桁を超えるアカウントもあって、DMも来たりしていました。それらのアカウントは、今では全て消しましたが、続けているうちにハマる感覚が理解できて、怖さも感じました。

――劇中には、実際に監督が体験されたことも反映されているんですね。

僕は想像で書くのではなく、誰かが言っていたことや自分が感じたことでしか書けないタイプなんです。なので、リサーチをしたことは役立っていると思います。それから、今作では、真知子は想像上の人物ですが、(神尾が演じた)“ゆーと”は僕の友人をモデルにしています。ゆーとのように嬉しいとか楽しいという感情が分からない人が実際にいるんですよ。物理的に満たされた時代ですが、何か心が欠けてしまっている。その感覚が今っぽい気がして、ゆーとという人物に反映させました。

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――では、「TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM FILM 2015」で賞を獲ったときの企画から、実際に映画として撮影するにあたって、変更した点はありますか?


コンペは、1次審査が企画書、2次審査が脚本とビジュアルイメージ、そして最終審査がプレゼンテーションと10分の映像での審査でした。なので、2次審査で僕が書いた脚本がこの作品のベースになっているのですが、それを今回、(脚本を担当した)高田亮さんに1から練り上げてもらい、精査してもらいました。僕はこの作品で、30代女性の「乾き」、渇望よりももっとザラッとした欲求を描きたいと思っていたのですが、それは映画でもきちんと表現できたのかなと思います。逆に、大きく変わった点では、真知子のキャラクターです。僕は割とお人好しの女性を(最初の脚本の中で)書いていたので、高田さんのお力で、表参道でバリバリ働いている気の強い女性に変えてもらいました。大筋は変わっていませんが、細かい点ではあちこち変化はあると思います。

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――主演の瀧内さん、そして相手役の神尾さんを始めとした俳優たちの熱演も目を見張るものがありました。瀧内さんを主演に迎えたのはどういった経緯があったのですか?


瀧内さんは、廣木隆一監督の『彼女の人生は間違いじゃない』という映画を拝見したときに、人間の弱い部分や脆い部分をきちんと演じられる女優さんだという印象があり、この真知子という役をぜひやっていただきたいと考えていました。ですが、賞を獲ったとはいえ、長編1作目となる新人監督の映画で、ましてやオリジナル脚本となると、なかなかオファーを受けていただけないのではないかと思い、最初はお会いしてお話しさせていただく機会をもらったんです。それで、実際に瀧内さんとお会いして、さまざまな意見交換をさせていただきました。その後にOKのお返事をいただけたので、きっと何か感じるものを見出してくださったんだと思います。

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――瀧内さんとは撮影中もたくさん話し合いをされたと聞きました。


はい。真知子役が決まった直後から、会って話したいと言っていただき、それで一度食事をしながら話したのですが、それ以降かなり頻繁に意見のキャッチボールをしました。瀧内さんは普段ならば俳優さんが出ることはない脚本打ち合わせや美術打ち合わせなど、スタッフ間の打ち合わせにも出てくださったり、役になりきるためにできることは全てしてくださった印象です。現場でも、ディスカッションを重ねました。

――そういった話し合いの場で出た瀧内さんの意見も、本作には反映されているんですね。

そうですね。特に真知子のキャラクターに関しては、たくさんの意見をもらいました。私も高田さんもプロデューサーチームも男性ばかりだったので、女性から見た意見がもらえたのは、この作品にとって非常にプラスになったと思います。瀧内さんは、真知子について「表の世界では一生懸命頑張っている、女性が共感できるような女性にしたい」と強くおっしゃっていたので、その意見に合わせて台本も変わりましたし、現場でもその真知子のキャラクター性はしっかりと瀧内さんのお芝居で表現されていると思います。

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――それから、神尾さんの演技も目を引きました。監督は、神尾さんのどんなところに魅力を感じましたか?


僕が助監督をやっていたとき、小さな役の俳優さんでも、現場でいいなと思ったり、プロフィールを読んで良いと感じた人はファイリングしていたのですが、その中に神尾くんもいて、以前に10分ほどの自主制作の短編を撮った時に主演をお願いしたことがありました。(神尾は)今では「目力世界遺産」なんて呼ばれていますが、当時から僕もやっぱり彼の目がいいなと思っていました。昔の柳楽優弥くんを彷彿とさせるしっかりとした眼差しが印象深かったんです。もちろんそれだけでなく、お芝居もナチュラルで芝居勘がいいですし、書いたことをきちんと演じてくれる俳優さんでもありました。芝居くさくもないし、アイドルっぽくもない。“ちゃんとした俳優”さんだという印象があったんです。ゆーとは、20代半ばの設定だったので、年齢的に神尾くんだと若すぎるかなという心配もあったのですが、演技力もある方なので大丈夫だろうと判断して、お願いしてやっていただきました。

――撮影現場では、お二人に対してどのような演技の指示をしたのですか?

動きの指示は極力しないようにしました。僕は、姿勢はこうだとか小道具の持ち方はこうして欲しいというような動きに関しては自由でいいと思っていたので、その点は言わなかったと思います。むしろ、そのセリフに感情が乗っているか、そのシーンで伝えたいと思っていたことが俳優さんの力を借りて表現できているかという点に重きを置いていましたので、そういったお芝居の修正はさせてもらいました。

面白いのは、瀧内さんと神尾くんはお芝居のタイプが全然違うんです。瀧内さんは僕のイメージとドンピシャな芝居をされる時もあれば、逆に正反対の感情を表現する時もありました。それがとても良い時もあって、正反対だった時にはなぜそうなのかディスカッションをしながらも、最終的には瀧内さんを信じて作っていきました。逆に神尾くんはイメージしたお芝居にプラス10パーセント、20パーセントを上乗せして演じてくれていて、ブレずに芝居をしてくれたように思います。なので、現場では(神尾には)細かいことは言わなかったと思いますが、後で聞いたら本人はそれが寂しかったみたいです(笑)。もっといろいろ言って欲しかった、と。

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――撮影で一番印象に残っているシーンはどこでしたか?


物語後半の桜のシーンです。真知子が久しぶりに家から出てきて涙するのですが、このシーンは当初は泣く予定ではなかったんです。脚本でも泣くということは書いていなかったのですが、瀧内さんは感受性の高い方なので、現場で自然と涙が出たんだと思います。結果的に、この映画の核になるシーンになったので、すごく良いシーンになったと思いました。泣くシーンでいえば、神尾くんも後半に涙するシーンがあるのですが、それも予定外でした。そのシーンは、長時間撮影した後で、スタッフもキャストも疲れ切った中での撮影だったのですが、珍しく神尾くんが僕のところに来て、テスト(リハーサル)を重ねずに本番1回の演技にしたいと言ってきたんです。一発に賭けたいという彼の思いを汲んで、1回だけとしたら、あの芝居をしてくれました。彼の演技力の高さを感じましたし、あのシーンに懸ける彼の思いも伝わったので、印象に残っているシーンです。

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――加藤監督は、これまで木村大作監督、降旗康男監督、成島出監督、原田眞人監督など、日本を代表する名監督たちの助監督を務めてきました。そのときの経験は、本作のどんなところに活かされてきたと思いますか?


自分では分からないです。ただ、どの監督の作品に似ているというのはないんじゃないかと思います。僕は、日本を代表する監督さんたちの助監督をさせていただいてきたので、真似をしても到底追いつけないし、追い越せない方ばかりでした。だからこそ、演出の自分らしさを考えるようにはしていました。

――その自分らしさや、本作でのこだわりはどんなことですか?

2時間という時間をいただいているので、僕たち作る側の伝えたいことをあちこちに配置して、観た方それぞれが何かを感じられる作品にしたいとは思っていました。本作には、花が映るカットや水の音が聞こえるシーンがいくつかあるのですが、それはそれぞれに意図があって入れています。ですが、それは自分の意見を押し付けたいというものではなく、その人なりの感じ方で観てくださればと思います。

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――ところで、監督ご自身もSNSをやっていらっしゃいますが、監督はSNSとの距離感についてはどう考えていますか?


SNSは、自分が何者であるかを表現するツールだと思います。だからこそ、承認欲求を満たせますが、それは魅力がある一方で魔力でもあります。使い方を間違えれば炎上したり大変なこともある。諸刃の剣ですよね。上手く付き合っていくべきものかなという気はします。

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――ありがとうございました。最後に、読者へメッセージを。


自分の伝えたいことをいろいろと入れた作品です。もちろん、賛否両論があって良いと思っています。真知子に共感できる人、できない人がいるとは思いますが、SNSというツールを通じて自分自身のことや、自分の表と裏などを考えるきっかけになったらうれしいです。それから、ぜひ劇場でご覧いただけたらと思います。今はスマホやパソコンで映画を観る時代ではありますが、映画館で映画に没頭する体験というのは、僕は何にも変え難いものだと思っています。映画館はコロナ対策も万全なので、ぜひ映画館に足を運んでいただけたらと思います。

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映画『裏アカ』 全国公開中
出演:瀧内公美、神尾楓珠/市川知宏、SUMIRE、神⼾浩、松浦祐也、仁科貴/ふせえり、⽥中要次
監督:加藤卓哉 脚本:⾼⽥亮、加藤卓哉
製作:中⻄⼀雄 共同製作:川村英⼰、根本浩史、⼩泉裕幸、吉⽥尚⼦
プロデューサー:遠⼭⼤輔、厨⼦健介、松岡周作
制作:SEDIC-DILON ドラゴンフライ 製作:「裏アカ」製作委員会 配給:アークエンタテインメント
(C)2020 映画『裏アカ』製作委員会

公式サイト:http://www.uraaka.jp/
公式SNS:https://twitter.com/uraaka_movie
公式SNS(裏アカウント):※閲覧するには表アカウントをフォローする必要があります。

 

 

 

 

 

 

 

 

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