【後編】中村優一インタビュー! 映画『大綱引の恋』 故佐々部清監督の魂を持って仕事をしていきたい

2021/5/2 18:25

取材:記事・写真/RanRanEntertainment

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――今回は太鼓の練習もあって大変だったのではと思いますが、いかがでしたか?


鹿児島に行ってから練習させていただきました。(三浦)貴大さんと一緒に練習させていただいたのですが、貴大さんがすごく上手で、練習初日からメチャメチャ焦りました(笑)。

――普段から鍛えていらっしゃるのではないですか?

鍛えてはいたのですけど、そういうことではないと思います。そのための筋力とかコツがあって、手首のスナップだけで叩く方が楽だし早いんです。僕はそれが全然わからなくて肘からいっちゃって、それだとすごく難しくなってしまいました。


081s


――三浦さんとは敵方になる役でいらっしゃいましたが、共演していかがでしたか?


もともと貴大さんの出演映画をかなり観ていたので、すごい俳優として憧れる方ですし、今回、『大綱引の恋』で共演させていただいて、人に対しての接し方にすごく柔らかさがある方だなと思いました。でも、(祭りの)対決のシーンまでは、ちょっと距離感がお互いにありました。それはお互いに役のためだったのですが、たぶん貴大さんも同じように思っていたのではないかなと思います。会話が少なかったです。でも対決シーンが終わってからは、けっこうお喋りさせていただくようになりました。貴大さんはカメラが好きで、プロとしても撮っていることを聞いたので、この映画をきっかけに、僕の写真集を貴大さんに撮っていただくということが実現しました。

――そうだったのですね。もう出来上がったのですか?

はい、去年発売しています。


065s


――もともと三浦さんに憧れていらしたのですか?


そうです。僕は単館系の映画が大好きなので、貴大さんが出演なさっているインディーズ映画や単館系の映画をよく観ていました。俳優としての雰囲気やお芝居が自然ですごく好きです。

――そして、今回、初共演されたのですね。

初共演させて頂いて、とても幸せでした(笑)。

――佐々部清監督の演出はいかがでしたか?

基本的に厳しい方ですので、僕は厳しく教えて頂きました。

――監督から言われて、印象に残っていることは?

今回、方言がすごく難しかったんです。方言って抑揚がありますよね。声の出し方は「大きくしないで」と言われました。監督は、芝居芝居しているのが嫌いなので「それをやるんだったら、棒読みでやるイメージの方がいいから」と言われました。


088s


――『八重子のハミング』のリベンジはできましたか?


まだまだできてはいないと思うんです。この映画が完成した時に監督とお酒を飲んでいたのですが、その場で監督から「もし次の作品が、他の撮影と被ったら、おまえはどっちを取るんだ?」と何回も聞かれて、「ずっと佐々部監督の映画が好きなので、佐々部監督の映画ならどんな役でも出たいです」って言っていたんです。そんな中で監督が亡くなられて…。監督からお話していただいたこと、演技や人としても学んだことが沢山あるので、監督から教えて頂いたことを活かして、魂を持って俳優という仕事をしていきたいなと思いました。


095s


――監督から学んだことを言葉にするとしたらどんなことですか?


現場では厳しいんですけど、二人で電車に乗っている時とかはすごく優しいんですよ。僕は一度、俳優という仕事を辞めているのですけど、その時のことも知ってくださっていて、監督は目の中からお話してくれるんです。

――吸い込まれるような感じなのでしょうか?

そうです。本当に、人を思っていないと話せないじゃないですか。厳しいことを言いながらも、目の奥が「おまえ頑張れよ」と言ってもらえている気がしていました。この映画でも大事なシーンの時は、その役者さんがいらっしゃるのに、その役者さんの台詞を監督がしゃべってきっかけを出してくれたりするんです。そのテンションがそのシーンによって違ったりして、監督のきっかけを感じてお芝居をしました。たぶん監督が僕にこういうリアクションを取って欲しいから「僕がやるよ」ということだと思うのですが、お芝居中も監督を感じていました。今でもその景色というか、その時の絵が頭に残っています。監督は言葉には出さないのですが、全てを包み込んで下さる方でした。


077s


――この映画で監督が伝えたかったことはどんなことだったと思いますか?


監督の作品は、人の温かみを感じられます。今回も大綱引というお祭りを描いていますが、やはり人の物語で人と人が支えあって、人が生きているということを映画を通して届けたかったのではないかなと思います。人に寄り添い人を支えられる映画なのではないかなと思います。

――最後に映画をご覧になる皆さまにメッセージをお願いいたします。

必ず人に伝わる映画だと思います。それに川内のお祭りのことも知って欲しいです。本当に男女関係なく、心に伝わり良い影響を与える映画になっていると思います。まずは観てください。

――ありがとうございました。

050s

前編~https://ranran-entame.com/movie/75476.html


『大綱引の恋』

2021年5月7日(金)より全国公開
※コロナの影響により初日が延期になる劇場がございます。正式な上映開始日は公式サイトにてご確認ください。https://eigakan.org/theaterpage/schedule.php?t=A2VgceG6

監督:佐々部清
脚本:篠原高志
出演:三浦貴大 知英 比嘉愛未 中村優一 松本若菜 西田聖志郎 朝加真由美 升毅石野真子 金児憲史 金井勇太 伊嵜充則 安倍萌生 月影瞳 小倉一郎
   恵俊彰(友情出演) 沢村一樹(友情出演)
製作:映画「大綱引の恋」フィルムパートナーズ
製作:パディハウス
制作協力:シネムーブ
公式サイト:https://ohzuna-movie.jp/

【あらすじ】
有馬武志(三浦貴大)は鳶職・有馬組の三代目だが、35歳にしてまだ独身。鳶の親でもあり、“大綱引の師匠でもある父親寛志(西田聖志郎)から常々「早う嫁を貰うて、しっかりとした跡継ぎになれ」と、うるさく言われている。とある日、ふとした事件から韓国人研修医のジヒョン(知英)と出会い次第に心を通わせるようになる。その頃有馬家では、母・文子(石野真子)が定年退職宣言し女将も家事も放棄したため、妹・敦子(比嘉愛未)も含め家族の皆が四苦八苦する。一方、年に一度の一大行事“大綱引”が迫る中、武志はジヒョンから「あと二週間で帰国するの…」と告げられる。

文:高橋美帆/撮影:篭原和也

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