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映画『裏ゾッキ』篠原利恵監督インタビュー! 映画『ゾッキ』の撮影に密着して感じた、映画スタッフとロケ地・蒲郡の人々の絆

2021/6/14 06:00

取材:記事/RanRanEntertainment 写真/オフィシャル

竹中直人・山田孝之・齊藤工の3人がメガホンを取り、漫画家・大橋裕之の短編集を実写化した異色の映画、『ゾッキ』。同作のロケ地である愛知県蒲郡市での撮影に密着し、映画公開までを追ったドキュメンタリー映画『裏ゾッキ』が現在公開中だ。撮影・編集・監督を務めた篠原利恵に、撮影を通して感じたことや撮影の裏話、さらには映画『ゾッキ』の魅力について聞いた。

 

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――今回、蒲郡の人々に密着した経緯や、撮影をスタートしたきっかけを教えてください。


『ゾッキ』のプロデューサーである伊藤主税さんからお話をいただいて、これは面白そうだとお引き受けしました。蒲郡という街が映画を全面バックアップして撮影する、そしてその蒲郡を舞台にこの映画がどう育っていくのかに興味があり、テーマを細かく決めずに撮り始めたというのが経緯です。

――蒲郡という土地は、もともとご存知だったんですか?

いえ、全く知りませんでした。撮影で初めて訪れましたし、まだカメラを持たずに蒲郡に行ったことがないんです。

――では、最初に蒲郡に行った時は、その土地にどのような印象を持ちましたか?

(現地を訪れ)最初に、映画『ゾッキ』蒲郡プロジェクト委員会の皆さんに会ったのですが、この映画に望みを託しているという強い気持ちが伝わってきました。公私混同するくらい映画に掛けている様子だったので、「なんでそこまで」という疑問が湧いてきて、取材のモチベーションが高まったのを覚えています。

蒲郡という土地自体に関しては、海も山もあって、ノスタルジックな景色が広がる場所だと感じました。尾道など映画の舞台になる土地が全国にありますが、蒲郡も「撮りたい」という気持ちになる、フォトジェニックな場所だと思いました。

――劇中では、蒲郡の皆さんの映画への思いの変化というのも映し出されていますが、それについて、監督は撮影をしながらどんなことを感じていましたか?

始めは映画を撮影するということで、舞い上がっているような状況だったと思います。ミーハーな心も強くて、このノリで大丈夫かなと思うこともあったんです。劇中でも齊藤監督が「これ大丈夫かな」とつぶやくシーンが映っていますが、映画スタッフと蒲郡の方々の間には、そんなズレがあったと思います。ですが、一つの作品を一緒に作り上げていくことによって、同じ方向を向くようになりました。映画が出来上がってからも、「いいものを作ったのだから世の中に見せたい」という一致した感覚を持って進められたと思います。

 

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――『裏ゾッキ』の撮影を通して、監督が印象に残っている出来事や撮影は?


山田監督が担当された漁港のシーンです。あのシーンは、ピエール瀧さんの復帰の現場でもあったのですが、街と映画スタッフが一丸となって1つのシーンを作り上げた集大成のようなシーンと思っています。台本では、漁師が「健康診断に行った?」なんていう他愛もないおしゃべりしているシーンなのですが、そのシーンを作り上げるのに、映画スタッフと蒲郡のスタッフを合わせると70人以上がいたんです。広大な漁港を封鎖までして、なんとかして侵入者から現場を守ろうとした。町と映画が、お互いに必要な存在なんだということを実感したきっかけだったと思います。

――『ゾッキ』は、3人の監督が1つの作品を演出するという面白い試みで作られた作品です。篠原監督から見て、それぞれの監督の個性や現場での居方の違いを教えてください。

演出面だけでなく人柄の話にもなりますが…竹中さんからは本当に最初から最後まで、『ゾッキ』を撮りたいという強い気持ちを感じました。それだけ強い気持ちがあるから多くの人を巻き込めたんだと思いますし、その気持ちにみんながついて行ったから、この作品が出来上がりました。『裏ゾッキ』の中では、竹中さんが「こんな世の中だけど、『ゾッキ』という映画は、誰がなんと言おうとできた」とおっしゃっていましたが、その言葉が全てを物語っていると思います。社会が変わっても、他人が変わっても竹中さんは絶対に変わらない。そういう強さを持っている人だと思います。

山田監督は演出面でいうと「俳優ファースト」です。俳優をどう見せるか、俳優が演技しやすい環境をどう整えるかを第一に考えていました。それが、先ほど話した漁港のシーンでの、漁港の封鎖にもつながるのだと思います。小細工はしないですし、テイクも重ねない。いい俳優がいて、その俳優が伸び伸びと演技できる環境があれば、それだけで良いものになると信じているんだと思います。それはご自身の俳優としての経験からくる哲学だと思うのですが、まるで寿司屋みたいな演出だと思いました。「いいネタが入ったから、いいまま出す」という。

齊藤監督は本当に映画が好きで、変な言い方ですが、しつこく追求される方でした。OKもなかなか出さない印象がありました。(『裏ゾッキ』の)劇中に、九条ジョーさんを追い込んでいるシーンがありますが、あれは九条さんを追い込んでいると同時に、齊藤さんが自分自身のことも追い込んでいるように思いました。いいものを撮るためならば、一切妥協しないでもそれは決してひとりよがりな追及ではなく、九条さんと、森優作さんと、共に作り上げた信頼関係のもとに成り立っていました。

――三者三様で、撮影への臨み方も違うんですね。ところで、劇中では新型コロナウイルスによってイベントが延期になったりと時勢に翻弄されるシーンも映っていましたが、監督は身近でその様子をご覧になっていて、どんなことを感じましたか?

政治的な状況や社会的な状況によって町と映画がすれ違う日々は、まるで遠距離恋愛みたいだと思いました。「大切な作品を世の中に届けたい」という気持ちがぶれていないことは、両者を取材していてわかっていたので、「どうやったらベストな状態で町に映画が戻って来れるんだろう」ということを互いに考え続ける時間でした。(次にできることを)考えては壊され、考えては壊され、という日々の中で、「ゾッキの日」というお祭りが実現できたのは、「ゾッキの日」が実現できたのは、ラッキーだったと思います。ちょうどその時に、緊急事態宣言がその時に解除されたんですよ。やはり街に映画が戻ってきて、監督たちが戻ってきて、みんなで一緒に映画を観ることができたのは本当に嬉しかったです。

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――監督ご自身はコロナ禍でのエンターテイメントについては、どんなことを考えていますか?


『裏ゾッキ』の劇中に「今、映画は必要か」という問いかけがありますが、あれはそんな問いが生まれてくる状況の異常性を浮かび上がらせたいという思いがありました。政治や社会の状況が「映画を不要不急なもの」として見なすような動きがあった。それの是非を問いたいわけではないのです。でも映画が必要かどうかなんて、本当はすごく愚問で、必要な人には必要で、必要じゃない人には必要じゃない。さらにいうならば、「必要じゃなくて何が悪いんだ」という見方もできます。ただ一生懸命になって夢中になって取り組んでいる人もいる。そんな力を持った映画を、他人がジャッジするという世の中がなくなってほしいという強い気持ちがあります。

――ところで、監督はこれまでも数多くのドキュメンタリー作品を撮っていますが、ドキュメンタリーの作品を撮るときに一番大切にされていることはどんなことなんですか?

ドキュメンタリーを撮るにあたって、監督の一番大きな仕事は、「終わりを決めること」だと、思っています。今回は、「ゾッキ」の日というお祭りを撮った後に、まだ現実が続いているということをきちんと入れたかった。そういう考えのもと、終わりを決めました。それから、劇映画と違って、ドキュメンタリーは具体の積み重ねで表現するものだと思っているので、私は「これを伝えたい」というテーマをあえて取材中には消すようにしています。自分の思い込みよりも現実の方が面白いので、現実に起きたことを後から編んでいく。こういう構成にしようとか、この人はこういう役割にしようとか、そういったことを決めずに撮るようにしています。

――ドキュメンタリー作品を撮ることの面白さは、その現実の面白さを知るというところにあるのでしょうか?

そうだと思います。今回、『裏ゾッキ』を撮って一番良かったなと思ったのが、出ている人たちみんなのことが大好きなまま撮影を終えられたということです。私はこれまで、社会への疑問や許せないことに対して問題提起したいというモチベーションで撮影してきました。今回は、図らずも新型コロナの問題が起き、定点観測のように撮ったものが変わり、結果的にそれが作品の要素になりましたが、最後まで好きな人たちの一生懸命な姿を映したいという変わらない気持ちを持って作品を作れたことが幸せです。

 

――改めて、監督から見た映画『ゾッキ』の魅力や見どころを教えてください。

正直にいうと私は、思い入れがありすぎて、『ゾッキ』を作品としても客観的に見るのが難しいのですが(苦笑)…今回、『ゾッキ』と『裏ゾッキ』という2つの作品を続けてみてもらえたらいいかなと思います。まず、何も考えずに『ゾッキ』を観ていただいて、『ゾッキ』の世界観を楽しんでいただきたい。そうしたら、『裏ゾッキ』を観てください。確実に『ゾッキ』の見方が変わると思います。その後に、再び『ゾッキ』を観たら、また違った楽しみ方ができると思います。

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作品タイトル:
「ゾッキ」

公開表記:絶賛上映中!
配給:イオンエンターテイメント
Ⓒ2020「ゾッキ」製作委員会 ⒸHiroyuki Ohashi / KANZEN 2017
監督:竹中直人 山田孝之 齊藤 工
原作:大橋裕之「ゾッキA」「ゾッキB」(カンゼン刊) 脚本:倉持裕 音楽監督:Chara
主題歌:「私を離さないで」Chara feat. HIMI
吉岡里帆 鈴木福 満島真之介 柳ゆり菜 南沙良 安藤政信 ピエール瀧 森優作 九条ジョー(コウテイ) 木竜麻生
倖田來未 竹原ピストル 潤浩 松井玲奈 渡辺佑太朗/石坂浩二(特別出演/松田龍平/國村隼
公式サイト:zokki.jp

 

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作品タイトル:
「裏ゾッキ」

公開表記:絶賛上映中!
配給:イオンエンターテイメント
Ⓒ2020「裏ゾッキ」製作委員会
撮影・編集・監督:篠原利恵
音楽:重盛康平 題字:大橋裕之
出演:蒲郡市の皆さん、竹中直人、山田孝之、齊藤工 ほか
ナレーション:松井玲奈
主題歌:竹原ピストル「全て身に覚えのある痛みだろう?」(ビクターエンタテインメント)
公式サイト:ura.zokki.jp

 

 

 

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