取材：記事・写真/RanRanEntertainment
――頃安監督の演出で印象に残っていることはありますか？
武田：春子は、恋だったり、仕事だったり、すごく悩んでいるんですけれど、決して悲しい子には見えないで欲しいと、一番最初に監督に言われました。何もせずに悩んでいるではなくて、一応頑張っているんだけど空回りしてしまうとか、先に行ききれないとか、そういう等身大の女の子でいて欲しいから決して暗くなりすぎないで欲しい、とはいえ明るくもなり過ぎないで欲しいと言われました。
濱：橋のシーンで春子が走ってくるのですが、そこの段取りを、頃安監督がこうやってくださいというのを（体の横で両ひじを曲げて振りながら）走ってきたんですよ。それがめっちゃ可愛かった思い出があります。
頃安監督は天然パーマなんですけれど、髪の毛をふわふわしながら走ってきたのが、すごく印象的です。頃安監督、可愛いですよね。
武田：可愛いです。ナポレオンが春子の頭をポンポンするシーンがいくつかあるのですが、どうやってポンポンするかというのを（頃安監督と濱さん）二人でやりながら話しているのを見て、面白かったです。男二人で頭なでなでについて真剣に語ってて。
――ポンポンはすごく印象的でしたが、それは現場でのやり取りで生まれたのでしょうか？
濱：いや、もともと台本にありました。監督とも話していましたが、作品として重要な部分ですので、ポンポンはすごくこだわりました。
――武田さんから見て、男性としてナポレオンってどうでしょうか？
武田：現実にはなかなかいないタイプだと思います。まず、自分のことよりも春子のこと、女性側のことを第一優先として考えてくれる。肯定してくれながらも、お前の良くないところはここだよとちゃんと教えてくれる、人間としても素敵ですね。男性からも慕われるタイプだと思うので、現実にいたら最高です。
――濱さん、そんなナポレオンを演じてみていかがでしたか？
濱：春子と岩田（染谷俊之）との恋を応援すると決めた後は、単純に自分がいた世界に戻ることを視野に入れつつ、春子はとにかく前向きに幸せに向かっていって欲しいという、その姿を応援していくことが一番の目的になっているので、ちょっと言葉では表現しづらいですね。みんなが感じてくれたものになってほしいと思っていました。恋に関しても答えは言ってないんです。
武田：そうですね。
濱：岩田に対しても積極的に行けとか、仕事に対しても諦めるなみたいなことを言って、気持ちを預けている部分は見えているんですけどね。
――ナポレオンはゲームの世界、岩田（染谷俊之）は現実の世界のイケメンですが、春子との微妙な３人の関係というのは演じてみていかがでしたか？
武田：わかりやすく、ナポレオンと岩田さんのシチュエーションが被るシーンがあって、春子に靴を履かせてくれるシーンなんですけれど、この作品のポイントにもなるシーンだと思っています。支度部屋で、メイク部さん、衣装部さんと「どっち派？」という話で、中盤にすごく盛り上がりました。
――どっち派か、半々ぐらいな感じになるのですか？
武田：圧倒的にナポレオンでした。
濱：(笑)ありがとうございます。
――親友の伊原ゆか（綾乃彩）は現実の世界ではなく、ゲームの世界に“推し”がいましたが、ゆかの存在はどのように捉えていますか？
武田：ナポレオンが春子をすごく成長させるのですが、そのきっかけを与えたのは親友のいっちゃん（綾乃彩）であって、春子にとってその存在はすごく大きいんですよね。性格も真逆で、積極的ないっちゃんと消極的な春子ですが、いっちゃんからしてみれば春子の尊敬する部分はたくさんあると思います。二人の信頼関係をうまく出せたらなと思っていました。綾乃さんとの共演も初めてだったのですが、綾乃さんが話しかけてくれて、すぐに仲良くなれたんです。なかなか初めましての方と一瞬にして連絡先を交換することはないのですが、すぐに連絡先を交換して、落ち着いたらご飯に行こうという約束までしました。今もいっちゃんと春子の関係性で連絡を取り合っています。お互いのことを励まし合える関係性になっています。
――撮影現場はいかがでしたか？岩田役の染谷さんはいかがでしたか？
武田：染谷さんも面白かったです。
濱：僕はお芝居では春子としか関わらないので、皆さんとはお話ができていないのですが、岩田さん（染谷）とは一緒にいるシーンがあって、待ち時間にお話しました。染谷さんはムーミンが大好きなので、支度中にずっとムーミンの動画を観いて、そういうギャップや会話が楽しかったですね。他のスタッフさんが僕らの似顔絵を描いてくださったり、フランクで撮影現場は和気あいあいとして、すごくみんなで一緒に作ったという感じの強い作品です。
武田：ほんとに期間は短かったのですが、その短い間にギュッと詰められた団結力がありました。
――最後に、映画をご覧になる皆さまに向けてメッセージをお願いいたします。
武田：この作品は、ラブコメでSFですが、実際に観ていただいたら、すごく身近に感じられるものがたくさんあります。日常をどう生きていくか、どう自分を好きになれるか、人生の小さな課題がたくさん散りばめられていて、観ている方々の悩みを後押しできるような作品になっていると思います。女性をターゲットにした作品だと思われるかもしれませんが、男性も女性も年齢も問わず、また明日から自分を信じて頑張ろうと思える作品になっているのでたくさんの方々に観ていただきたいなと思っています。
濱：春子の成長物語ですけれど、ナポレオンをはじめとして、岩田さんとかすごく濃いキャラクターがいっぱい出てくるので、春子との関係性や、どういう化学反応が起こるのかを楽しみにしていただきたいです。観終わった後は、ポジティブな気持ちになったら嬉しいなと思います。ぜひ劇場で楽しんでください。
――ありがとうございました。
前編～https://ranran-entame.com/wp-ranranentame/movie/77526.html
映画『ナポレオンと私』
2021年7月2日(金)より全国順次ロードショー
監督：頃安祐良
脚本：鈴木規子
出演：武田梨奈 濱 正悟
綾乃 彩 岡林佑香 染谷俊之
永吉明日香 白鳥紗良 米村真理 金子祐史 笈川健太 村田 唯 輝海 荒井レイラ
主題歌：「realizer」浦島坂田船
配給：ENBU ゼミナール
制作協力：Ippo
制作プロダクション：ENBU ゼミナール
製作：サイバード
©CYBIRD
公式サイト https://napowata.com/
【ストーリー】
WEB 制作会社で営業アシスタントとして働いている 28 歳の大原春子（武田梨奈）。
ここ数年、恋愛から遠ざかっている春子は、絶賛人生迷子中…。
同僚の伊原ゆか（綾乃 彩）から恋愛ゲームを勧められるも、これまで恋愛ゲームに興味がなかった春子は乗り気になれずスルー。ある日、憧れている会社の先輩・岩田伸吾（染谷俊之）が新プロジェクトのメンバーを募集していることを知るのだが、春子は何もできず、ただ見ているだけ。寂しさを紛らわすように恋愛ゲームをインストールしてみると、画面の中にいるナポレオンというキャラクターが目に飛び込んできた。
「こんなイケメンがリアルにいたら幸せだけど実際いないしなー。はぁ、誰か幸せにしてー！」と叫んだその時、画面の中からナポレオン（濱 正悟）が現れた？！
異世界から現れた英雄が、愛を運んできてくれる、《妄想系ラブストーリー》が始まった。
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