取材：記事・写真/RanRanEntertainment
11月23日から上演される『劇団☆新感線「髑髏城の七人」Season月』の製作発表記者会見が9月25日、豊洲PITにて行われ、“上弦の月”に出演する福士蒼太、早乙女太一、三浦翔平、須賀健太、平間壮一、高田聖子。“下弦の月”に出演する宮野真守、鈴木拡樹、廣瀬智紀、木村了、松岡広大、羽野晶紀らとともに作家の中島かずき、演出のいのうえひでのりが登壇した。
左から羽野、松岡、木村、廣瀬、鈴木、宮野、福士、早乙女、三浦、須賀、平間、高田
「髑髏城の七人」は1990年の初演以降、7年ごとに上演され、その上演ごとに創意工夫を凝らして進化し続けてきた劇団☆新感線の代表作。“花”“鳥”“風”“月”“極”の５つのシーズンごとにキャスト、脚本、演出も練り直され、全く違ったアプローチで上演される。11月に開幕する“Season月”では、“上弦の月”と“下弦の月”と称し、2つのチームが交互に上演を行うダブルチーム制が導入されるなど、劇団☆新感線としても初挑戦となる。
高揚感あふれるロック調のナンバーが場内のテンションを引き上げる中、割れんばかりの大歓声に包まれキャスト陣が登場！下手客席扉から“上弦の月”チームの早乙女太一、三浦翔平、須賀健太、平間壮一、高田聖子。続いて、上手客席扉から“下弦の月”チームの鈴木拡樹、廣瀬智紀、木村了、松岡広大、羽野晶紀がステージに姿を現した。すると舞台上に設置された巨大なバルーンが破裂し、中から“月”にちなんで杵を持った福士蒼汰とウザギの仮面をつけた宮野真守が登場。ふたりはゆっくりと客席に降り、前列のファンと握手するサプライズでフロアを熱狂させた。
会見では、演出のいのうえが「非常に若いキャスティングなので若さは出していきたいですね。今までのチームはどうしても身体を気づかいながら……（笑）。今回は多少無理やわがままを言うかもしれないです」と本作の見どころを語ると、作家の中島は「え？あれ以上に？それは大変だ（笑）」と苦笑い。そんな中島は今回のダブルチーム編成について「同じシナリオと同じ演出で、2つのチームに競い合ってもらいます」。また、今までのシナリオと違う点については「捨之介を変えています。これまではハスに構えた、苦みを持った感じにしていますが、今回はキャストが若いので、改めてストレートに自分の道を信じている男として、まっすぐな捨之介をやろうとしています。なので、それに合わせてほかの役も書き直しています。“全体的に若気の至り”という感じになればいいなと思います。若さゆえの良さであり、若さゆえのもろさであり。オープニングもこれまでと違いますので、お楽しみにしていただければ。周りには『重鎮極楽太夫』が控えていますからね」と期待を高める。
今回が初舞台となる捨之介役の福士は「初舞台なので緊張はしています。何に対して緊張していいのかわからないくらいです。でも、頼もしい仲間がいるのでみんなに支えてもらいながらがんばります。自分らしくその場所に居られたらいいなと思います」。一方、同じ捨之介役の宮野は「今回は“超ワカドクロ”ということですが、僕は“意外と若くないドクロ”だなって（笑）。“意外と若くないドクロ“なりに、身体に鞭打って周りに支えていただきながらがんばりたいなと思います（笑）」。続けて「自分が出演出来るとは思わなく、まさか、まさかのお声掛けだったのですが。普段は声優をやっていますが、こういった大きなチャレンジができるのは、自分の人生において非常にプラスになるんじゃないかな」と心情を述べた。
Season鳥で無界屋蘭兵衛（むかいやらんべえ）役を演じた早乙女は、今回の天魔王役について「『またか、また出るのか？』とみなさんに思われているかもしれませんが（笑）。（天魔王役を演じるのは）こわいですね。こわいです。でも、これだけ若い人たちと一緒にやらせていただくことは中々ないので、宮野さんに比べたらまだ僕も若いですけど（笑）。存分にエネルギーを出していきたいなと思っています」と宮野をイジって笑わせる。また、前回に比べ、気持ちの変化について聞かれると「今回初めての方もいらっしゃると思いますが、新感線には5回目の出演になるので、わからないことがあったら僕に聞いていただければ。全部嘘を教えます」と笑わせる。
一方、ビジュアル撮影の時点で、すでに天魔王が乗り移ったようだと言われる天魔王役の鈴木は、「非常にやりがいのある役をいただきましたので、ビジュアル撮影の日は自分の中で描いている天魔王で現場に立とうと思ってやらせていただきました。ビジュアル撮影の日はまだ一人ドクロ状態だったんですけど、これから下弦の月チームと一緒に、天魔王をよりよい役にするために頑張っていきたいと思います」と意気込みを見せた。
上弦チームで無界屋蘭兵衛役の三浦は、「今まで蘭兵衛役をやっていた太一くんと一緒にやるのはすごくプレッシャーです。太一くんの殺陣は速いし綺麗なので、それに一生懸命しがみついて追っていきますね」とコメント。下弦チームで蘭兵衛役の廣瀬も「名だたる名優の方々が演じられている役なので、自分なりの蘭兵衛を見つけるのは難しいです。ビジュアル撮影の時に、『微笑んでください』と言われたので“微笑みの貴公子”といった糸口を見つけました。下弦の月のカラーで言うと、中性的な魅力を持った役だと思うので、美意識高い系の蘭兵衛を演じられたら」と展望を述べた。これを受けて、MCからふたりへのアドバイスを求められた早乙女は「ないです、ないです。でも、僕でよかったら全部嘘を教えます」と再び笑いを誘った。
いのうえの演出は受けたことがあるという兵庫役の須賀は「劇団☆新感線の作品は初めて。これまでの花鳥風月の中で兵庫役は最年少の“ワカドクロ”なので……」と、言いかけて宮野に視線を向けると、宮野も「オレを見るんじゃない！」と笑いで応酬。新感線は2度目の出演となる木村は「僕の中で兵庫役は（橋本）じゅんさんのイメージが大きいので、お話をいただいた時には逃げ出したいと思ったくらい。新感線にとっても大事な作品なので、（須賀）健太と一緒に素晴らしいものにしていきたいと思います」と胸を張った。
今回のSeason月では、これまで沙霧の役回りだったポジションに、性別も性格も変わった霧丸という役柄が新たに登場。同役を演じる平間は「今は楽しみでしかなくて、自分なりに動ける部分を見つけたり、みんなで考えたりして作っていけるところが楽しいんです」。一方の松岡は「性別も変わったので、どうなるのか台本を読んでみたのですが、男性ならではの熱いものがあるので、そこは楽しみにしていただきたいと思います。また僕は須賀さんと同様に歴代最年少霧丸なので……」と若さを強調。続けて「新感線に出演できることは名誉なことなので、感謝の気持ちを込めて演じていきたいと思います」と意欲を述べた。
1990年の初演で沙霧、1997年の再演版と2004年の『アオドクロ』版では極楽太夫など「髑髏城の七人」ではおなじみの高田は「最年少、最年少って言ってるけど私、“最年長”極楽太夫なんです。労わってください。みなさん、息子みたいなものなので関係性も変わってくると思います。息子たちよ！」と笑わせる。さらに、隣に座っていた平間に「お母さんいくつ？」と問いかけ、平間が「50くらいです」と返答すると「一緒やん！」。会場も大爆笑となった。
「髑髏城の七人」の初演版で初代の極楽太夫を演じた羽野は「初演をさせていただいた時は二十歳ぐらいだったのよ！28年くらいたったそうです」と振り返り、「極楽太夫としては“ユーズド極楽太夫”のようなリサイクルな気分です（笑）。何年ぶりかに出させていただきますが、劇団員の方々とお会いすると、すぐ馴染んで甘えちゃうんです。でも、今回のキャストは、甘えられないなと思って（笑）。逆に甘えてこられるのは、全然いいよ！」と余裕の笑みを浮かべた。
最後は、捨之介役の２人に意気込みを問うと福士は「上弦で言えば、20代の方がかなり多いので、勢いだとか若気の至りというものを出せていけたらいいなと。僕自身が初舞台なので、自分がどれだけ力になるのかまだ未知数ですが、渡辺いっけいさんをはじめベテランの方々のお力を借りながら、20代のパワーを出していけたらと思います」。宮野は「自分は舞台経験があまり多くないので、立ち回りの経験もないので不安もありますが、みなさんのすさまじいエネルギーに頼りながら、現場で本気をぶつけられる座長でいられたらと思っています」と意欲の高さを見せた。
劇団☆新感線初となるダブルチーム制で、これまで以上にフレッシュな顔ぶれが揃い、見応え十分の『髑髏城の七人』が誕生する！「劇団☆新感線『髑髏城の七人』 Season月」は11月23日から2018年2月21日まで東京・IHIステージアラウンド東京にて上演。
■公演名
ONWARD presents 劇団☆新感線『髑髏城の七人』 Season月 Produced by TBS
■スタッフ＆キャスト
作：中島かずき
演出：いのうえひでのり
■出演
［上弦の月］福士蒼汰 早乙女太一 三浦翔平 須賀健太 平間壮一 ／高田聖子 ／ 渡辺いっけい 他
［下弦の月］宮野真守 鈴木拡樹 廣瀬智紀 木村了 松岡広大 ／羽野晶紀 ／ 千葉哲也 他
公式サイト http://www.tbs.co.jp/stagearound/tsukidokuro/
