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2017年10月6日 07:00

熊川哲也率いるKバレエ カンパニー バレエ『クレオパトラ』全幕を世界初演!

取材:記事・写真/RanRanEntertainment

熊川哲也率いるKバレエ カンパニーが、バレエ『クレオパトラ』全幕を東京・オーチャードホールにて世界初演する!その前日の104日、マスコミへの公開リハーサルおよび熊川哲也の囲み取材が行われた。

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バレエ『クレオパトラ』は、紀元前1世紀エジプトで絶世の美女と誉れの高いクレオパトラの一生を描いたもの。当日に公開された第1幕第1場はクレオパトラ(中村祥子)が、プトレマイオス12世亡き後慣例に則り、弟のプトレマイオス13世(山本雅也)と結婚、共同で王位に就くが、いつしか王朝はクレオパトラ派とプトレマイオス派に分裂する。さらに、カエサル(シーザー)との恋・・・。

音楽は、デンマークの作曲家カール・ニールセンの曲を集めたものだが、世界中から引く手あまたの芸術家ダニエル・オストリングの舞台セット、そして振付けが見事にマッチし、すばらしい舞台を繰り広げていた。

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公開リハーサル終了後、芸術監督の熊川哲也の囲み取材が行われ、『クレオパトラ』の出来映えの素晴らしさを精一杯アピールした。

-晴れて明日世界初演します。大変な作品でした。音楽のないところから、脚本も考え、日本人がたいそうなことをやってしまったなというのが素直な感想ですが、満足できる作品ができました。チケットはほぼありませんが・・(笑)。

-(クレオパトラは)悪女かどうか分りませんが、国家を背負う女王として生まれ、避けられない運命を背負った女性の賢さとか美しさをうまく表現できればいいなと思います。愛されるべき、魅了されるべき女性に仕上がったのではないかと思います。

-カンパニーを立ち上げて18年経ちますが、バレエの世界ではオペラと違い、古典バレエは高々10数作しか無く、それではバレエの裾野が広がらない。継承していく上では新しいものにチャレンジしていかなければならない。(この『クレオパトラ』は、)世界に発信できるレベルのもの。誇りに思います。

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―よく言われている、エジプトの豪華絢爛さを表現するのにどういった手法を使うのかはよく考えました。例えば『アイーダ』みたいに、ものすごい人数を舞台に乗せてというようなことは無理があるので違った手法で、メトロポリタン歌劇場で活躍されているダニエル・オストリングの作り出す世界観は、もしかしてエジプトはこういう世界だったんじゃないかという舞台が作られています。

―デンマークのカール・ニールセンという作曲家の1曲を聴いた瞬間、これは『クレオパトラ』だろうなって思いまして。しかも(ニールセンの音楽に乗って)浅川紫織、中村祥子という油に乗った熟女たちが素晴らしい演技をします。

音楽がシンプルに耳に入ってくるのは振付けが意外と簡単。ただ、ニールセンの音楽は突然変な音が出たり、カウントが8カウントから3とか2に変わったり、すごく難しかったです。

―(本作品は)振りも全て自分でやりましたし、音楽のチョイスもKバレエの組織力、すばらしいミュージシャンが集結した結果できましたし。とにかくすごい作品になりました。

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―(見どころ)は全て。隅々まで!自分の潔癖症なところが反映されていると思うので、完璧とは何かというのを見せたいという気持ちでやっている。弟との対立を経験した冷徹な彼女が、時間を重ねてシーザーという包容力のある男性と出会い、ローマに旅立ち、そして若いアントニウスとの恋もあり、殺略もあり、陰謀もあり、そういったものを経験し、最後には緑の血が赤い血になって流れるよう作ったように思います。

―(クレオパトラは日本の女優だと誰をイメージしていますか?という質問に)『泉ピン子さん』くらいじゃないですか。よく似ているじゃないですか。そういうオチのほうが面白いでしょう(笑)。芸能ネタは・・・・。

と笑いで会見が終了した。熊川およびカンパニーが全力投入した世界初演の『クレオパトラ』は、非常に期待できる楽しみな舞台である。

バレエ『クレオパトラ』世界初演!
クレオパトラ:中村祥子/浅川紫織 ほか
106日~1029Bunkamuraオーチャードホール
1012日愛知県芸術劇場大ホール
1014日大阪・フェスティバルホール
公式サイト:http://www.k-ballet.co.jp/

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