取材:記事・写真/RanRanEntertainment
ロシア文学の傑作長編小説を豪華キャストで舞台化した『罪と罰』の公開フォトコール&初日会見が1月8日(火)に行われ、三浦春馬と大島優子、勝村政信、麻実れいが出席した。
本作は、ロシアの文豪ドストエフスキーによる同名小説を原作に、気鋭の英国人演出家フィリップ・ブリーンが2016年に書き下ろした戯曲を、日本公演のために再構築した作品。自身の掲げる“正義”のために殺人を犯した青年の心情の描写を繊細に描く。
殺人を犯す頭脳明晰な貧乏青年のラスコリニコフを演じる三浦は、フィリップとは『地獄のオルフェウス』以来2度目のタッグ。三浦は「いいエッセンス、導きをくれることを期待せずにはいられませんでした」とフィリップへの思いを語る。本作では、殺人を犯す役に初挑戦する三浦だが、「すごくエネルギーを使う役どころだと体感してみて、改めて思いました。誠心誠意向き合っていかなければいけないなと稽古場からも感じていたので、稽古終わりには心地よい疲労感ではあるんですが、このまま消えていくんじゃないかというエネルギーの消耗を感じました」とその心境を明かした。
一方、3年ぶり3度目の舞台となる大島は、主人公の青年ラスコリニコフと心を通わせる娼婦ソーニャ役。大島にとっては本作が、海外留学から帰国後、初の舞台ともなるが、「語学は尽きないんだなって稽古中に思いました」と話す。本作には、フィリップを始め、海外クリエイターの参加も多く、稽古場では英語が飛び交っていたようで、大島は「7割くらい」会話を理解し、「直接ご本人の口から演出を受けて、少し理解できるようになったことは自分にとってもいい経験になったと思います」と笑顔を見せた。
また、三浦と大島は本作が初共演となることから、互いの印象について聞かれると、三浦は「稽古前はポテンシャルも高いし、芝居に真っ直ぐ器用な方でもあるのかなと思っていました」とコメント。さらに三浦が、「なかなかうまくできなかったときに、彼女が感極まってしまったことがあって、こんなにも真っ直ぐ向き合う方なんだと感じました。彼女の悔しい思いや、やる気にカンパニー全体が前を向けました。彼女が頑張ってるんだから、僕たちも頑張らないといけないって思わせてくれたんです」と絶賛すると、大島は「恥ずかしい」と照れ笑い。照れ隠しに大島は、「勝村さんはそう思ってないですよね?」と勝村に話を振ると、勝村は「はい」と即答し、会場を笑わせた。
そして、今度は大島が「私もそのとき、やらなきゃいけないことを忘れてしまって、どうやって進めばいいんだろうと思って悔しくて悔しくて…そうしたら三浦さんがメモをパッと渡してくれたんです」と三浦の暴露話を始めると、三浦は「それは言わなくていいから!」と慌てた様子で止めた。しかし、大島は意に介さず「一緒に頑張ろう、味方だよ」と書いてあったことを明かし、「しっかりみんなをみていてくれて、頼れるし、信じて千秋楽まで頑張ろうと思わせてくれました」と三浦をべた褒めして、会見を盛り上げた。
『罪と罰』は1月9日(水)〜2月1日(金)に東京・Bunkamuraシアターコクーン、2月9日(土)〜17日(日)に大阪・森ノ宮ピロティホールで上演。