取材:記事・写真/RanRanEntertainment
舞台『妖怪アパートの幽雅な日常』公開舞台稽古&囲み取材が1月10日(木)に東京・紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYAで行われ、主演の前山剛久と小松準弥、佐伯亮、谷佳樹が公演への意気込みを語った。
(左から)谷佳樹、小松準弥、前山剛久、佐伯亮
本作は、シリーズ累計580万部発行、第51回産経児童出版文化賞フジテレビ賞を受賞した大ヒット児童文学のコミカライズを舞台化した作品。妖怪ファンタジーの体裁を持ちながら、心優しくもクセの強い入居者たちとの交流を通して主人公の成長を描く。
両親を亡くし、伯父の家に居候していたが、高校入学と同時に妖怪アパートで一人暮らしを始める主人公・稲葉夕士役を務める前山は、会見の冒頭で「魂込めて稽古に臨んできたので、素敵な作品に仕上がっていると思います」と挨拶すると、「座長なので引っ張らないといけないと思っていたんですが、今回は、支えてもらったという意識が強かったです。(前山が演じる)夕士はみんなに導いてもらう役だったので、その役通り、(共演者の)みんなに導いてもらった気がします」と座長としての思いを語った。
一方、夕士の親友・長谷泉貴役の小松は「(本作は)妖怪アパートを中心にした稲葉の成長ストーリーです。今回、僕はそのアパートにはいませんが、親友として稲葉を見守り、心の変化を感じて、一緒にいるという大切な役割を担わせていただいています」と自身の役どころを説明。
アパートで一目置かれる存在の龍さんを演じる佐伯は「龍さんと僕は似ているところがすごく少なかったので、どう寄せていこうかというのが大変でした。そして、夕士の悩みをわかって選択肢を与える役でもあるので、(夕士を)導くための道筋を作っていくのも大変でした。でも、演じているうちに龍さんの優しさを感じられたので、充実した日々になりました」と稽古を振り返る。そして、「スペシャル・ダンサーの三井聡さんや幽霊、妖怪たちのパフォーマンスも一つの楽しみとして観ていただければと思います。本当にすごいです」と見どころを明かした。
アパートの住人で、夕士の頼りになる先輩的存在の一色黎明役の谷は「アパートの中で夕士の心情が動くのを見守り、親目線で関わっていく役なので、そこを大切に演じながら、全公演を大切にお届けしたいと思います」と意気込む。前山とはこれまでに2作品共演し、今回は2年ぶりの共演となるが、「最初は久しぶり感があって、若干、距離がありました(笑)。でも、稽古するうちに徐々に間隔が戻ってきました。お互いにお互いがやりたいように演じて、その中で調整していくということができた。(前山は2年前と比べて)成長しているし、すごいと思ってました」と話す。これに前山も「佳樹も時間が経って、いろいろな作品を踏んで成長しているなと感じましたし、今回、(これまで以上に)グッと距離が近くなった。その距離感も芝居に出ていると思います」と同調。良い関係をうかがわせた。
最後に前山は、「この作品を観たら『普通とは何か』を考えると思います。僕にとっての普通と皆さんにとっての普通は絶対に違いますし、それぞれに答えも違う。それを理解するのは難しい。みんな自分が一番だし、相手のこともわからないことも多い。でも、その境界線を踏み越えていく勇気をこの作品はもらえると思います。ぜひ、普通とは何かをこの作品を見て考えていただけたら嬉しいです」と本作をアピールし、会見を締めくくった。
舞台「妖怪アパートの幽雅な日常」は1月11日(金)〜27日(日)に紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYAで上演。